ペルソナ4 #03
『We are friends, aren't we?』
≪あらすじ≫
噂のマヨナカテレビに映ったのは、同級生の天城雪子!? おまけに学校に登校してこない!?
雪子の親友で悠や陽介とも友人の里中千枝からそのことを聞いた二人の脳裏に「三人目の被害者」という言葉が過ぎるが、その日雪子は実家の旅館を手伝っていただけだった。
一安心の三人。しかし、悠の一声でその日もマヨナカテレビをチェックすることに。すると、今度はより鮮明な画像で天城雪子が登場。おまけに、普段の雪子とはまるで違うアイドルような雰囲気に仰天する悠。そんな時、深夜にも関わらず旅館に向かった千枝は、雪子が夕方から行方不明だと知らされる。
ひと悶着あったものの、「自分も行く」と言ってきかない千枝を渋々連れてテレビの中に入る悠たち。「雪子を助けなくっちゃ」と一人勝手に先走る彼女の目の前に現れたのは、彼女のシャドウで――
≪感想≫
相変わらずゲームッぽい。もちろん褒め言葉、良い意味として。
これに対し「ゲームのまんま」という批判も原作既プレイ者の一部にはあるようだが、そもそも「ゲームのまんま」のアニメが一体どれくらいあるだろうか?
ゲームとアニメという似て非なる媒体の作品で、原作のゲームに限りなく近い再現度というのはむしろ貴重である。大体の場合が、ゲームという媒体からアニメという媒体へ変換する際に、変換しきれず切り落とされたり、改悪されたりするケースがほとんどなのだ。むしろ、ゲームを忠実に再現しているのであれば、それはそれで凄い努力と工夫の結果である。
主人公が自身のペルソナを変更したところのBGMはその入り方、その後のカットインの使い方など絶妙だった。アニメ的な魅せ方の中にゲーム的な魅せ方が見事に融合していて、思わずワクワクしてしまった。
◇損得勘定のある友人関係は邪道か?
里中千枝が抱えていた本音は、親友・天城雪子に対する嫉妬と優越感。
容姿端麗で家柄もあって男からたびたび言い寄られる彼女に対する女性としての嫉妬。でも、そんな雪子に自分は頼られている、あの雪子が自分なしじゃ何も出来ないという優越感。無二の親友として触れ合っていたはずの雪子の心のうちにある本音がこれだった。
ただ、ぶっちゃければそんなものは誰にだってある。こういう二次元、あるいはフィクションのドラマなんかではそうした損得勘定を超えた絆こそ真の友人、という描かれ方もするが、そんなものはやっぱりフィクションであり、二次元の存在なのだと思う。そうした関係は確かに理想だ。でも、それは人が人である限り難しい。
人は十人十色。身長、体重、髪型、着る服のセンスといった外見はもちろん知識、知能、判断力、運動能力などの内面を含めて二つと同じ存在はない。というか、あり得ない。寸分狂わず同じ人間なんてありえるはずがないのだから。
ならば、そこに差異が生まれ、優劣が発生する。相手よりも優れた部分があれば、劣った部分もある。それに対して相対評価をし、自身の心のうちに羨望や優越さが生まれるのも当然のことだ。それの何が悪いのか、ということ。
実際、人と人との関係はそんなものではないだろうか。相手よりも優れた部分があり、相手よりも劣った部分がある。相手よりも優れた部分で相手を補填し、相手よりも劣った部分は相手に補填してもらう。単一の個体では全知全能の完璧ではない人間だからこそ、他者という存在を(言い方は悪いかもしれないが)利用しながら利用され、より優れた環境や状況を作り上げるのである。
だから、千枝にとってそれは決して目を背けなくちゃいけないほど悪いことではないのだが、彼女にとってはそういうことではなかったのだろう。お話の中に出てくるような親友関係が、千枝にとって雪子との絆だと認識していたに違いない。だからこそ、シャドウはあのような形で出現したのである。
さて、次回はいよいよ雪子だろうか。千枝から“守られ”続けてきた雪子。彼女も友人面でシャドウが現れるなら、守られ続けてきたことに対する本心もありそうなものだが、はたして如何に……。
◇鳴上悠とは鏡である
さて、今回悠は自身のペルソナを変更して見せた。変身ではないだろう。あくまで変更。陽介が言っていたように「二体のペルソナ」なのだ。ペルソナがもう一人の自分だとするならば、そのペルソナを複数持つ悠はどんな存在なのだろうか? 二重人格?
そんなわけはない。ベルベットルーム(?)であの大原さやかさん(違w)が言っていたように、おそらく悠は選ばれた存在。それが鳴上悠に与えられた「ワイルド」という能力。それは酷くゲーム的。ゲームでも、悠だけは主人公として複数のペルソナが使え、それを駆使することでゲームを攻略していくのだろう。
まぁ、そんなメタ発言はともかく、そもそもどうして悠がそんなペルソナの力を手に入れたかと言えば、私は彼が「鏡のような存在」なのだと思っている。鏡とはそこにある姿をそのまま映し出すもの。人によっては良く観るものであり、人によっては観ることすらためらわれるモノ。でも、ありのままの姿を映し出すものである。
悠が“鏡のようだ”と思えるのはここまでの陽介・千枝とのやり取りだ。シャドウに暴かれる本音を前に膝を屈する彼らに、悠は「それでも好きだった(友達)なんだろ」と声をかける。上っ面とか、本音とか、そういうややこしいことではなく、ただ鏡のようにありのままの彼らの想いを悠は投影し、それを彼らに見せて諭していたように見えたのだ。
そんな悠が鏡のような存在であるならば、その鏡を自分自身に向ければ当然自分のペルソナが出るが、その鏡を別の人に向ければその人との絆によって育まれたペルソナが出現する。その人とまったく同じペルソナは生み出せない。なぜなら、まったく同じ人なんていないから。
でも、その人が影響した絆によって誕生したペルソナは出現する。それが今回、陽介との絆によって生み出されたジャックランタンだったのではないだろうか。
私には、そんな風に思えてならない。
◇マヨナカテレビとは。
単純な疑問。マヨナカテレビに被害者二人は映った。雪子も映ったが、初日はちゃんと現実世界にいた。ということは、一度悠たちのように中に入って出てきた、ということか? だが、それならば二度目に入る理由はあまりない気がする。それとも何度も入りたくなるような魅力的な空間なのだろうか(少なくとも自分の本心と向き合わされる空間ってそれほど魅力的には思えないが)。
あるいは、「入ったからマヨナカテレビに映る」ではなくて「マヨナカテレビに映ったから入ってしまう」というそもそもの発生点が違うのだろうか。何らかの理由で映ってしまった人は、テレビにまねかれて本当にマヨナカテレビの中に入ってしまい、自分自身の心と向き合われる、とか?
明らかに怪しい人影がラストに映ってたが、その辺の真相も今後楽しみにしたい。
『Somewhere not here』
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Comment
>ゼロさん
>ゲームだとたしか戦闘中はできなかったと思います
えっ、出来なかったんでしたっけ? どこかで見たときは戦闘中でも普通に切り替えてたような気がしますが。
>雪子のシャドウはなかなか強かったと思いません
この物語においてシャドウの強さは大した問題ではありませんね。演出と描写の都合だと思いますが、陽介のシャドウも千枝のシャドウも強くなかったし。
大切なのはそれによって現れる本人の気持ちと向き合う心、ですね。
NoTitle
あとペルソナのアニメ化は前にもあってその作品は設定は同じなところもありますがパラレルワールドで別な作品となっていて、原作のゲームをやっていなくても楽しめる作品でした
自分も見ていたのですが一本の作品としてはよくできたアニメだと感じました
>ゼロさん
ええ、存じてます。トリニティなんたらって名前だったような気がしますが、そんな記憶であるように中身は当時の私には難解で、メインキャラに子安さんがいたことくらいしか覚えてませんw
NoTitle
ただしチェンジする時に1ターン消費してしまうので
考えてやらないと高難易度モードでは瞬殺される可能性
ありなのがやっぱアトラス作品だなぁといったところですね。
これから話も徐々に動き出しますのでさらに面白くなるのが
楽しみですね。続きが待ち遠しい作品の一つです。
>ジンガさん
>ゲームでもペルソナチェンジは戦闘中に可能です。
確かそうだったような、と記憶してました。ゲーム雑誌か公式HPか何かで見たような記憶がありました。
>ありなのがやっぱアトラス作品
アトラス作品は難易度が鬼畜って有名ですねw
今後も楽しみです。
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