ペルソナ4 #02
『The Contractor's Key』
≪あらすじ≫
『ペルソナ』の力に目覚めた悠。その力を駆使し、遅い来る謎の敵シャドウを打ち負かした彼は、TVの中の世界の住人と思しきクマの力を借りて、陽介・千枝と共になんとかその世界から脱出する。
無事帰ってくれた三人だが、その三人を翌日待っていたのは連続化された殺人事件だった。
殺されたのは陽介が片思いしていた同じ学校の先輩・小西早紀。発見された遺体は、先の女子アナ同様に吊るされた状態で発見されていた。
連続殺人。ひなびた田舎町に突如降ってわいた、求めぬ喧騒。その中で陽介は「昨日のマヨナカテレビに映っていたのは小西先輩だった」と断言し、悠は先の女子アナ含めて「マヨナカテレビに映った人物は殺されるのではないか」と推察を立てる。
片思いだったとはいえ好きだった先輩を殺され憤怒する陽介は再びTVの中に入ることを決意。悠もそれに同行するが、TVの中で待っていたのは陽介の父親が店長を務める総合ショッピングモール「ジュネス」の陰口、そして陽介と瓜二つをした謎の“影”だった――
≪感想≫
全体的に一つ一つの演出がアッサリした印象。千枝がTVに入る二人が命綱(?)にしたであろうロープが切れてしまうところの演出とか、自分自身の影と向き合うまでの陽介の演出とか、とにもかくにも全体的に軽くてアッサリしている。
正直、レギュラーキャラが自分自身のもう一つの心と向き合うのであれば、もう少し時間をかけても良いのではないか(それこそ次回まで使って)と思うのだが、それは尺の問題なのだろうか。原作をプレイしたことはないのだが、2クール使っても足りないくらいのボリュームがあって、物語終盤の方に時間を使った方が良いというのであれば、これは仕方のないことなのかも。
演出自体はあっさり気味だったが、それを払拭したのは陽介役の森久保祥太郎さんの演技だろうか。凄く熱演されていたと思う。
ペルソナって確か「もう一つの自分」「自分の持つ影の顔」みたいな意味だったっけ? プレイしたことはないが、これだけ有名なシリーズだといくつかその用語を耳にしたこともあるが。
もしそうだとするなら、この作品、思っていた以上に深いテーマを取り扱っていることになる。自分がいつもは直視しない、したくないような影や裏の顔と、あの世界に入ると必然的に向きあわされるとなるなら、この先千枝や雪子といったメインキャラクターが抱える影とも向き合うことになるのだろう。自分が観たくない部分とそう簡単に向き合って受け入れられるとは限らないのだけど、それは2クールをかけて描いていのかなとも思う。
あとは事件かな。町で起きる連続殺人事件と、TVの中の世界がリンクすることで主人公たちが――いや主人公たちでなければ解決出来ないよう仕向けているのは巧い。宙づりで発見される死体には何か意味があるのか。マヨナカテレビに映った人物は必ず死ぬのか。そこにどんな因果関係があるのか。被害者に共通点はないのか。もちろん、意図的にテレビの中に被害者を入れているのだとすれば、犯人は誰なのか。
解かなければいけない謎はたくさんあるが、推理モノのように一つ一つ丁寧に事件を解いていってくれるのなら、そっち方面でも期待できそうだ。
◇小西早紀の向き合った影は何だったか?
仮に悠の推理通りなら、女子アナも小西先輩もあの空間で自分がひた隠しにしてきた顔と向き合い、それを拒絶した結果、影が暴走し自分の影に殺されたということになる。もう殺されてしまってこれ以上の活躍と登場は望めないものの、小西先輩が向き合った影はなんだったのだろうか?
たぶん、それは陽介と同じだった気がする。
彼女が抱えていたのは周囲の環境。自分は商店街の酒屋の娘で、でもジュネスでバイトをしている。彼女がどうしてわざわざジュネスでバイトをしていたのかはわからない。商店街に嫌気をさしているのか、それとも単純に商店街よりもジュネスのバイトの方が時給が良いのか。
ただ、どちらにせよそれで周囲からいびられる。父親からは罵声を飛ばされ、商店街の住人からも陰口を言われる。言いよってくる男はよりにも寄ってジュネスの店長の息子の陽介。無碍にすればバイトをクビになるかもしれないが、馴れ馴れしくすれば今度は商店街での陰口が増える。
前も後ろも、右も左も自分を絡め取る蜘蛛の糸のように張り巡らされた現状に、きっと彼女は「ウザい」と思ったに違いない。父親も、父親の商店も、商店街の住人も、陽介も、学校も、全部が「ウザい」、と。
でも、彼女が自分自身のシャドウによって殺されたのだとすれば、彼女はそれを否定したはずなのだ。「そんなことは思っていない」と。
推測でしかないが、陽介にだって彼女は単に「ウザい」という感情だけではなかったかもしれない。陽介の好意は、露骨な好意だ。恋愛対象として見れるかどうかは別として可愛い年下の男の子くらいには思っていたように思う。そうでなければ、彼女の方から話しかけることも、しつこかったとしても彼女が陽介のチケットを受け取ることもなかっただろう。
こうした彼女の気持ちは“嘘”ではないのだ。
今回、陽介も、陽介のシャドウも語っていた。
「俺はお前で、お前は俺」
シャドウはその人の本心ではない。シャドウ“も”その人の本心の一部なのだ。
コインと一緒。表と裏があってそれぞれ描かれた図柄が違ったとしても、それはどちらも同じ価値のあるコイン。だから、社交的で明るい陽介も、全てウザいと思って刺激を欲していた陽介も、どちらも“花村陽介”。ジュネスでバイトをする陽介の憧れた早紀も、周囲の陰口や陽介全てをウザいと思っていた早紀も、どちらも“小西早紀”。どちらが欠けても“花村陽介”“小西早紀”足り得ない。
だから、両方を受け入れられた陽介はペルソナ使いとして覚醒し生き延び、裏を拒絶し影に殺されて片方だけになってしまった早紀は死ぬしかなかった。だって表と裏のあるコインで表が消えれば裏が消えるのは必然だから。
設定として本当に巧く出来ているな、と唸らされる。人の内面を知る意味でも、ゲームとしても面白いだろうし、だからこそシリーズ化されているのだと感じられた。
◇際立つ主人公の特殊性-ゲーム主人公としての鳴上悠-
主人公という存在の中でもここまで特殊に際立った例は珍しいのではないだろうか。
そう思わせるのが、鳴上悠だ。
言葉では表現しづらいのだが、物語の中で完全に浮いた存在。物語との親和性を無視している、と言っても良いのかもしれない。言葉数は少ないが、類い稀な決断力とその早さでいろいろな事柄に対して即答していく(クマのお願いやもう一度TVに入る決断など)感じは物語としての流れとはまた違ったベクトルに突き進んでいる気がする。
どうしてこうなっているのだろうか?
答えはもしかしたらとても簡単で、彼がゲームの主人公(プレイヤーキャラ)だからではないかと思う。言葉数が少ないのは従来のRPG・SLGゲームには良くあることだ。むしろ主人公にボイスがついて多言するようになってきてはいるが、ゲームの主人公(特に名前変更が可能な、個性が極力消された主人公の場合/確認したがペルソナ4の主人公もそのタイプらしい)においては内面こそ文章化されるが、実際のセリフとしては少ないというのも少なくない。
また即断・即決はゲームにおける選択肢決定に近い。例えば、クマと約束したシーンも普通のアニメなら「そんな突発的に!?」と思ってしまうが、ゲームであることを意識し選択をするのが自分の分身プレイヤーでもある主人公であることを鑑みれば、「あー、ここで助けるかどうか選択肢が出てきて助ける方を選択したんだな」と思える。
最大の特徴は、前述のように彼は個性を極力消されたゲームの主人公の典型的なタイプということを証明するかのように、彼がペルソナを手に入れた時、彼は自分の影とは向き合わなかったことだろう。それは、彼には明確な自分自身の影などないということ。彼には向き合うような影があっては、それは大きな個性となってしまう。だから、彼には個性となってしまう影がなく、その影がないから向き合うことなくペルソナに目覚めた。
思えば、今回も前回も悠が口にしたセリフの多くは本当に無難なものばかり。主人公として個性的な存在感を示すのではなく、調和の中に溶け込みながらも少しずつ存在感を示すタイプであることを暗示しているような気がする。
なにはともあれ、いろいろと今後も楽しめそうだと感じられる2話だった。
『We are friends, aren't we?』
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NoTitle
4のテーマの一つの自分の影と向き合うことですが、やはり
鳴上やほかの仲間のひとたちが支えてくれるのも心強いですからね、自分ももしシャドウに会ったら一人だったら負けてしまいそうです、鳴上も基本はクールですがいざとなったら引っ張ってくれてどことなくついていけるような感じですから、個性がなくてもいるだけが個性かもしれないですね
次回は千枝か雪子ですね楽しみです、ちなみに最初に出てきたベルベットルームは新しいペルソナを誕生させる場所なのですが、アニメだとそのようなシーンはあるのかわかりませんが
できたらやってほしいと思います