Steins;Gate 第24話(最終話)
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Steins;Gate]
『終わりと始まりのプロローグ』
≪あらすじ≫
未来の自分から届いたムービーメールに奮起し、倫太郎はもう一度紅莉栖を救うべく過去へタイムトラベルを行う。
紅莉栖を気絶させるためのスタンガン、血の代用として血糊を利用したサイリウムセイバーを手に過去へと遡る。中鉢博士が持ち逃げした紅莉栖の論文が消滅するように、メタルうーぱを事前に倫太郎が入手することで論文は何もしなくても飛行機の貨物火災事故によって消滅する。
紅莉栖に「助ける」と明言することで過去と同じ出来事を演じ、あとは中鉢博士を追い払い紅莉栖を気絶させるだけ。しかし、サイリウムセイバーは長らく使用していなかったため血糊部分が凝固してしまい使えない!? だが、血が無ければこの世界の倫太郎を騙すことは出来ない。
紅莉栖と中鉢博士の密会が始まる。時間が無くなった倫太郎は、紅莉栖が倒れる血だまりを生み出すための方法を思いつく。それは――
≪感想≫
◆無限に広がる可能性の世界-シュタインズゲート-
いよいよ迎えた最終回。個人的にオペレーション・スクルドの内容は前回予想した通りかな、と思ってる。予想外だったのは意外と充実していたアイテム。スタンガンや血糊があっさりあるなどは驚いたのだが、それも考えれば唐突なことではない、とも捉えられるのかな。
何せ倫太郎たちがいるのは「未来ガジェット研究所」で、実際にいくつかの発明品があるわけだ。サイリウムセイバーも、ああいうシロモノは見たことがないから発明品ではないのだろうか? スタンガンは何かの発明途中のものだったのだと考えている。
つまり、倫太郎だからこそ即座に用意出来たシロモノたちということ。主人公補正云々と言われてしまえばそれまでかもしれないが、そうしたことを想定した世界設定を最大限利用しているあたりは、使い方が巧いなと思う。
さて、絶対に紅莉栖を助けると誓った倫太郎。彼が使えなかった血糊の代用品として選んだのは、自分の血だった。中鉢博士を挑発して受けた傷口を自ら引き裂いて自分の血液で血だまりを作った。正直あの量の出血だと命にかかわることはもちろん、その前に大量失血でショック症状をおこしそうなモノなのだが、そこは倫太郎が気合いと根性で乗り越えたのかもしれない。
自分の傷口に手を突っ込むというのは相当な覚悟だ。私は部分麻酔で腹部の手術を受けたことがあるが、麻酔を受けていても相当のショックを受けて気絶してしまったこともある。気絶しなかったときもあるのだが、それでもかなりの衝撃だった。
それを知るからこそ倫太郎のとった行動の覚悟の重さを感じずにはいられない。あそこまでして助けると意気込むのだから、倫太郎にとって紅莉栖がどれほど大切で重要な存在なのだ、というのを改めて思い知らされた。それこそ、「自分が犠牲になったとしても」と思ったのかもしれない。
それにしても、ここまでのドラマなのに基本的に紅莉栖は倫太郎のことを覚えていない、というのが実にこの作品らしい感じがする。世界線という設定上、世界線が変われば覚えているのは倫太郎だけ。後述するが、結局今回世界線が変わったのかどうなのか原作未プレイだと解らないが、どの道β世界線の紅莉栖では倫太郎との繋がりは皆無なのだから、やはり紅莉栖は倫太郎のことを知らないし覚えているわけがないのだ。
それは紅莉栖に限ったことではない。誰もが普通は知るはずのない、可能性の自分。それを知る主人公である倫太郎に与えられたリーディングシュタイナー。
これは便利だしそのおかげで倫太郎はまゆりの死なない世界線など自分が望む世界線に辿り着くきっかけを得た。しかし、その力は彼をどこまでも孤独にし大きなモノを犠牲にさせ続けてきたわけだ。某作品ではないが、特殊な力というのはどこまでも「人を孤独にするもの」なのだと感じる。
しかし、この作品のラストに救いがあるのは、倫太郎と紅莉栖は再び出逢ったこと。そして覚えていないはずのα世界線のことを感覚的にほんのわずかだけ紅莉栖が認識していることではないだろうか。彼女が最後に「クリスティーナでも助手でもないと!」と口にしたのは、もはや条件発射だったのかもしれない(笑 なにせβ世界線の紅莉栖は倫太郎から「助手」と呼ばれたことはないはずなのだから、この言葉が出てくること自体があり得ない。だからこそ、口にした紅莉栖も口にした後、驚いていたわけだ。
倫太郎は「リーディングシュタイナーは誰にでもある」と口にする。確かにそうなのかもしれない、と思わせるシーンであると同時に、二度と交わることがないと思っていた倫太郎と紅莉栖が再会し新しい未来を紡ぐかもしれないと考えれば、これは大きな救いと言える。
人を孤独にしてしまう力すら超えた二人の運命
倫太郎にとってはリスタートとなる出逢いかもしれないが、きっとこの二人ならまた私たちが知るα世界線の二人のようなベストカップルになってくれるに違いないと信じている。
この作品は結局何が伝えたかったのか。それはきっと未来に希望を見出すこと、未来は一つに固定されているわけではないということ、未来には無限の可能性があるということ。
メッセージとしてはありきたりだったかもしれないが、そのメッセージを強くダイレクトに感じることが出来る作品だったと思う。
◆最後に整理してみる
1)世界線数値+タイムリープ考察
・ 1話のメール送信後 ⇒「0.571024」
・ 7話のロト6実験後 ⇒「0.571015」
・ 8話の萌郁実験後 ⇒「0.523299」
・ 8話のるか実験後 ⇒「0.456903」
・ 9話のフェイリス実験後 ⇒「0.409420」
・ 10話の鈴羽を呼び止め時 ⇒「0.337187」
・ 16話の世界線移動時 ⇒「0.409401」(誤植?)
・ 16話のメーター数値 ⇒「0.409031」(誤植?)
・ 17話の世界線変動時 ⇒「0.456914」
・ 18話の世界線変動時 ⇒「0.523307」
・ 20話の世界線変動時 ⇒「0.571046」
・ 22話のDメール消去時 ⇒「1.130205」
小ネタからいけば、紅莉栖に倫太郎がわざわざ話しかけたのは1話で紅莉栖から話しかけられた内容を再現していることなのか? なんか紅莉栖が倫太郎に「あなた、私を助けるって言いましたよね?」みたいな声をかけて「そんなはずはない」とかやりとりをしていたような気がする。
さて、結局今回世界線は変わって……ないってことでOK? ここがやっぱり原作をプレイしていないと解らない部分。まゆりの死が確定していたα世界線と、第三次世界大戦(紅莉栖の死?)が確定していたβ世界線。そのどちらの世界線の収束からも外れた第三の世界線。順番でいえばγ世界線という言い方になるのかもしれないが、あえて倫太郎はそれを「シュタインズゲート」と名付けていた。
確定された未来のない、無限の可能性を秘めた世界。それがきっとシュタインズゲート。もしかしたら、そこに「α」やら「β」やらの概念すらないのかもしれない。何かの結末に収束する「世界線」という概念ではなく、無限の可能性を秘めた場所こそが「シュタインズゲート」ではないか。
以前世界線について鈴羽はロープで例えた。何本もの糸(世界線)が絡まって出来た一本のロープ(収束点)がα世界線やβ世界線と言った収束点が決まっているものだとするなら、そのどこかをばっさり切断することが出来れば、束になっていた糸は四散し収束することなく広がっていくのではないだろうか。
β世界線でβ世界線の収束(第三次世界大戦・紅莉栖の死)を打ち破った(厳密には世界を欺瞞した)ことで、アトラクタフィールドは寸断され、それぞれの世界線は本来収束すべき点で収束することなく無限に拡散・延長する。それによってβ世界線がベースになりながらも、そこはすでにまるで違う様相を示した無限の可能性を秘めた世界線ということ……のような気がする。
だから世界線としての移動はない。その代わり、収束していたポイントが倫太郎によって破壊されたことで無限の可能性を秘めた世界線に変貌した、のだと認識している。
それを示すかのようにラストの世界は死が決めつけられていたまゆりが生き、紅莉栖も生きる世界だった。さらに副次効果だろうが、Mr.ブラウンも萌郁もどことなく幸せそうだった。もしかしたら今もMr.ブラウンにはFBとしての裏の顔があるのかもしれないが、IBN5100は処分され倫太郎も電話レンジ(仮)を作らないから、きっと倫太郎と彼らはずっと大家と間借りしている青年とバイトという変わらない良い関係を築ける気がする。
(萌郁が鈴羽の代わりにアルバイトとしてブラウン管工房に入ったのは、もしかしたら世界の修正作用なんじゃないかとも思った。もしこの世界線の鈴羽がタイムトラベラーにならないのであれば、空きが出来たそのポジションに萌郁がはめ込まれたのかなって。あと同様に、Mr.ブラウンは誰の世話になったのか気になる。鈴羽がタイムトラベラーにならないのであれば、Mr.ブラウンは違う人に救われたということになるのか?)
世界線に関連することと言えば、あとはリーディングシュタイナー。その原理は最後まで解らず。個人的にはずっと「別の世界線の自分を観測する能力」だと思っていた。そんな能力は当然普段使われることはなく、強烈なショックや思い入れがある場所・状況が引き金となって、デジャヴのような形で思い出すこともある(今回のまゆり、紅莉栖など)。逆にいえばデジャヴはリーディングシュタイナーの一片ではないか、と。
倫太郎の場合はそれが突出・特化されていた副作用で観測した別の世界線の自分の情報をすべて受信し今の自分に上書きしてしまっているのだ、と。
ただ、この理論だと別の世界線が存在していてもらわないと困る。そうじゃなければ別の世界線を観測することなんて出来ない。だが、それはどうやら本作の設定とは違う(世界線は変動した時点で前の世界線は消え、世界はあくまで一つのみ)みたいなので、この理論はすでに破綻しているわけだが。
公式の設定だからこれで納得するしかないのだろうが、別の世界(パラレルワールド的な世界)は存在しないと断言している理由がなんなのかは気になるところ。「存在しない」と言えるということは、それが「存在しない」ことを証明するために「存在しない」ということを観測しなくてはいけない。やや言葉遊びになるかもしれないが、観測出来ないから存在しない、ではダメで観測した結果として存在しないことが観測出来ないとダメなのである。
観測出来ないだけなら、それは今の人間の技術や科学などでは観測出来ないだけで存在している“かも”しれないし。
とまぁ、世界設定について愚痴をこぼしていてもしかたない(笑 ただこの真偽のほどはさして重要ではなくて、重要なのはその真偽ではなくこうしたことがいろいろと考えることが出来た、という点だ。考察というのはやはり魅力があって、こうしていろいろと良い意味でポジティブに考えさせてくれる作品はとても貴重だと感じた。
本当に良い作品を最後まで楽しませていただきました。スタッフの方々、お疲れさまでしたm(_ _)m
そういえば、劇場版が制作決定したみたいですね。最後に出てきて驚いた。ストーリー的にはこれ以上ないような気がするのだが、そうなるとZガンダムのように総集編・リメイクなものになるしかないのだが。それとも完全新作なのか?
というか劇場版やるなら、まだ原作プレイしない方がいいのか?(笑
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SERN襲撃時に煙幕代わりに用いた4号機のモアッド・スネークのように、本編で使用される未来ガジェットはその前に一度それとなく紹介していたようです
α世界線で紅莉栖と別れる時に渡したタケコプカメラーもドラマCDで触れられてるようですし
スタンガンもダルが改造した強力なものだった気がします
岡部が自分を刺させて血液を調達したのは大変な覚悟ですが、鈴羽に言ったように「計算通り」でもあります
アニメだと分かり難いですが、α、β両世界線で岡部の死亡は15年後と決定されてます
逆にそれまではどうやっても殺せない運命なのでして
ダイバージェンス値を戻していく過程でそれを知っていた岡部は、刺されても死なないはずだと分かってました
しかし、壮絶な痛みでまともに動けるかどうか定かではなく、まして彼のデッドラインが保証されてるのはあくまでβ世界線にいる間の話です
シュタインズ・ゲートに移行してしまえば不確定になるので、やっぱり死んでしまったかもしれないわけで
彼にすれば紅莉栖が助かるまで保証されてれば構わなかったのでしょうけど
原作の最後まできちんとやったので、劇場版はどうなるのか不明なのですが・・・・・・