セイクリッドセブン 第11話
『研がれたヤイバ』
≪あらすじ≫
突如として藍羽財団が巨額の脱税疑惑をかけられてしまい、ルリの身柄が拘束されてしまう。屋敷も封鎖された鏡はメイドを全員解雇することで彼女たちにまで手が及ぶことを避け、一人ルリを助けるべく奔走する。
一方、アルマも何か出来ないかと考えていた矢先、鏡と合流。研美研究所の実行部隊が二人を捕獲しようとするが、そこに現れたのは解雇されたはずのメイド部隊。みんなの気持ちはただ一つ。
「ルリお嬢様を助けたい」
その想いに鏡は全員で研美研究所への突撃を決める。そこに姿を現したのは、研美と決着を着けにナイトが向かっているという情報を持ったフェイゾォイだった。彼は兄・ホンユーを助けるべく、研究所の案内役を引き受ける代価として自分も連れて行ってほしいと願い出る――
≪感想≫
◆戦うことではなく、一人の人間同士で繋がりあう二人
とうとうアルマの中で眠っていた、ルリと最初に出逢い初めてセイクリッドの力でルリを救った記憶が蘇った。すべてはずっとアルマが探していた母から渡された球形の紫色をした宝石がカギとなっていたわけだ。アルマがずっと探していたキーアイテムが、アルマとルリの関係においてもキーアイテムとなるのはここまで描かれてみれば王道で当たり前に思うかもしれないが、想像以上に容易なことではない。
1クールだからこそ出来たのかもしれないが、これをクライマックス手前まで引っ張ってくるのは相当の決断。アルマは1話からずっとそのアイテムを探し続けているが、それを視聴者としては10話以上見せつけられるわけだから、下手をすれば飽きられてしまう。そこは母親の形見的なモノであったことと、アルマの性格で上手く補完出来たということなのだろう。
何より、初期の変身でルリは自分が母親から与えられた形見の宝石を使ってアルマを変身させ、アルマの身はもちろんのこと一匹狼だった彼の心も救った。
それがこのクライマックスに来て立場が逆転し、アルマが自分の母親から与えられた形見の宝石を使ってルリの命を救ったのだ。
この構図は、終わってみれば当たり前だし王道かもしれないが、よくよく考えるとすごく綿密に計算された上でのこと。最初から何を描くかがしっかりと決まっており、どう演出するかも明白だからからこそ、1話からこの作品にブレはない。原作がある作品(特に漫画やラノベ)は時として売れるための方向転換や、読者の要望を聞き届けた形での路線変更が見て取れる。それはそれでもちろん良いモノを生み出しているのだと理解しているが、そうした作品にはない一貫性というか最初から描きたいモノがあるからこそ1話から伏線がある、という綿密さがアニメオリジナルの作品にはあるのではないか、と思う。
アルマとルリ
未だにアルマはルリを「藍羽さん」と呼ぶ。そこにどことなく「主人公なんだからヒロインの名前は呼び捨て」という固定観念を見事に外されたのだ、と感じる。むしろ、普通のコミュニケーションを考えれば出逢ってすぐに相手を呼び捨て、というケースの方がレアと言われればレアだしw
アルマにとってルリは命の恩人で、戦友で、友達で……といろいろなモノが混ざっていた。彼女の力なくして彼はセイクリッドの力を抑制できないことや母親の宝石の形見を使わせてしまった負い目もあったのかもしれない。
それでもアルマに好意と信頼を寄せるルリが少しずつアルマに歩み寄り、そんなルリにアルマも少しずつ自分から近づいて行った。遠回りしながら親睦を深め、「とりあえず」の一言で仲違いしたり、お互いの真意をぶつけ合うことで仲直りしたり、互いの過去を少しずつ教えあい知り合う中で、ちょっとずつ築き上げた本物の絆。
そして、そんな中でアルマは彼女を救うべく自分の母親が残してくれた宝石を手に彼女が助かって欲しいと願いながら、過去を思い出しながら彼女を救った。
壊れる宝石、そこに罪悪感を感じるルリの前でアルマは「俺にはもうペンダントは必要ない。俺には……君が、いるから」と伝えたところに、アルマの想いが詰まっている。普段は真逆でルリからではなく、ルリに意思を届けようとしたアルマの想い――“藍羽さん”ではなく“君”への変化。もちろん今までもアルマはルリに対して「君」という言葉を使っていたわけだが、ここでの“君”はもっとずっと強い愛情のこもった“君”だったに違いない。
戦うことで繋がっていた二人。
セイクリッドであることで繋がっていた二人。
でも、この瞬間そんなのは関係なくなって
丹童子アルマと藍羽ルリとして
繋がったように思えてならない。
◆余談
さて、セイクリッドの力は現状では善石と悪石に分かれ、善石がサポート、悪石がバトルという役目であった。そしてここにきて兄を殺されたフェイゾォイが能力を発揮? アルマ・ナイトはバトルタイプの悪石、ルリはサポートタイプの善石だと考えられ、フェイゾォイは善石なのか? それとも悪石なのか? 秘められた力は何なのか、とても気になるところ。
そういえば研美、思いっきりラスボスだったわけだ。これまでの悪石は全部研美が仕向けたもの、というのはいかにもラスボスっぽい。そんなことは視聴してきた誰もが思っていることだろうが、それくらいあからさまな方が見ている側としては、構図が解りやすくて良いと言えば良いけれど。
ルリの心臓を狙っていたかと思えば、フェイゾォイの兄・ホンユーの心臓を手に入れてご満悦な研美。セイクリッドの力が極限まで高まったセイクリッドなら誰でもよかった、ということか。まぁ、ホンユーもセイクリッドとしてはだいぶ力が高まっていたように感じるしなぁ。
アルマを暴走させて戦わせようとしたのも実はホンユーのようにしようとしていたからなのだろう。
これでもし最初から狙いがホンユーの心臓で、ルリもアルマも囮だったらすごい策略だと思うがさすがにそれはないかwww
ちなみに心臓に力が集まり結晶体となる、というのは理にかなったというか如何にもな設定と展開だと思った。仮にセイクリッドの力が血液を使って全身に運ばれるのだとすれば、それが蓄積する場所は心臓にほかならないし、そこにうまく他文明(インカ文明だっけ?)の話を持ち込むことで設定として整合性が取れていると思う。
次回『セイクリッドセブン』 映されたのは背景だけ、といういかにもな次回予告。期待感を煽ってくれるwww
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