GOSICK 総評
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[GOSICK(ゴシック)]
ソヴュール王国。かつてセイルーン王国と呼ばれる国のあった土地に建立された欧州の小さな小さな独立国。その国の聖マルグリット学園に、日本から一人の留学生が訪れる。
久城一弥。
軍人家系の三男坊として生まれた彼は、何もしていないのに日本人らしい真っ黒な髪と瞳と春先に留学してきたことで“春来たる死神”と呼ばれ倦厭されてしまう。そんなある日、彼は学園内にある巨大な図書館塔に足を踏み入れる。その最上階には“金色の妖精”がいる、という噂に導かれ、最上階に辿り着いた彼が見たのはフリルのたくさんついたドレスを着た長い長い金髪の少女・ヴィクトリカだった。
久城一弥とヴィクトリカの純愛ストーリーが、ここに始まる……。
そんな『GOSICK』の私の評価ですが...
SS
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
GOSICK 総評
放映日:2011年01月~2011年06月(全24話)
私が視聴した放映局:テレビ東京
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:S
推理物、あるいはミステリー作品として視聴してしまうと粗のある作品かもしれないが、実際に本作――少なくともアニメ版GOSICKにおいては、一弥とヴィクトリカの純愛物語である。
その観点から言えば、申し分ないシナリオ。二人が少しずつ、事件を解決しながら絆を育み、愛を築き上げ、試練を乗り越える様は見事だったと思う。
演出 評価:S
一弥とヴィクトリカ。この二人に常に焦点が当たり、この二人の心理描写を深く掘り下げてきた。時には反発しあうことや喧嘩することもある二人が、少しずつ絆を築いていく感じは良かった。アブリルら魅力的なキャラクターも出てきたが、それでも一弥もヴィクトリカも互いに互いを見つめ続けてきたのも好印象。
中にはアブリルが哀れだと言う声もあるかもしれないが、逆にアブリルが哀れじゃない展開というのは一弥がヴィクトリカ以外の女の子と絆を育むと言うことだろう? それは純愛物語の作品の本質から少しずれる気がするので、私はこれはこれで良かったと思っている。
作画 評価:S
24話という長丁場でも決して大崩れしなかった作画は良かった。ヒロインのヴィクトリカが、小柄な少女なこともあったが、可愛く描かれていたのはそれだけでなごむくらいだ。
CAST 評価:S
悠木碧さんの演技は本当にヴィクトリカを魅力的にしてくれたと思う。もうそれだけで称賛もの。最初はどうかと思った一弥役の江口拓也さんも少しずつ、その幼さの中に芯の強さがあるキャラクターとして演技してくれたのは良かったと思う。江口さんにとって、この主演の経験がその後に活かされれば良いなと思う。
実は周りを固めるのもゲストさん含めてベテランが多くてガッチリと固まっているのも、良かったと思える部分。主演・レギュラー陣に若手・中堅が多い分だけ、ゲスト陣で脇を固める手法は手堅いなと思えた。
OP/ED/BGM 評価:S
OPは2クール変わらず。1クールごとに変えなくてはいけないと言う固定概念を壊し、これでOPを通したのはそれだけOPの楽曲がGOSICK全体のテーマ曲ということなのだろう。逆にEDがクールで変更になったのは、1クール目と2クール目でイメージが変わるものだったからだろう。
この辺りの使い分けが良かったと思う。個人的EDの壮大な感じのある曲は、GOSICKの作風にとても良くあっていて良かったと思う。
総合 評価:SS
内訳:S評価(5点)×5=SS(5.0点)
久々の最高点評価。
2クールある作品は、長丁場出来るわけだが、それがメリットにもなるしデメリットにもなる。GOSICKの場合はそれがメリットに働いてくれた典型例。
当初は私もこの作品を推理物やミステリー物だと思っていて不満を覚えたものだが、この作品が実は純愛物語だと気づいてからは十分満足出来るものだった。あくまで中枢や中軸は一弥とヴィクトリカの純愛ストーリーであり、ミステリー要素はあくまでそれに対するアクセントでしかないわけだ。
ヴィクトリカの「知恵の泉」という設定も、彼女の母コルデリアもヴィクトリカ自身も自分が生き残るための戦う武器だと思っていたようだが、最終的にその「知恵の泉」は彼女が生き残ることはもちろん彼女が望んで止まなかった一弥との再会のために使われた。この部分を見逃してはいけないだろう。
多くの推理事件を扱い、知恵の泉が使われ続けて育ったことで、一弥と再会することが出来たのだ。そう考えれば、ミステリー要素はアクセントとしてあれば十分であると同時に全く存在しないと困ると言う部分が少し伝わるのではないだろうか?
この部分を好意的に評価出来るかどうかによって、作品全体の評価も変わってくるだろう。加えて何と言っても、あの誰もがハッピーエンドと手放しで喜べた最終回の展開が素晴らしかった。終わり良ければすべて良し。正にその言葉を示すかのような締め方だったと思う。
あの展開なら2期は期待出来るものではない。せいぜいDVD最終巻に後日談が入るかどうかといったところではないだろうか。でも、それで良い。2期や続編を前提とした作品が増えてきた昨今、やはりアニメはその与えられた尺の中で完結させるくらいの意気込みと努力があってこそ、作品として評価されるべきだと思う。
オカルト的なノリはあるが、実際にオカルト要素はほとんどない。完全に純愛物語として楽しめる作品だと多くの人に胸を張ってオススメ出来る。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 ヴィクトリカ
やっぱり可愛かった。それに少しずつ彼女は灰色狼から人に変わって行ったと思う。そうした様がとても良かったと感じている。
2位 久城一弥
主人公っ! 最初は生意気さもあったけれど、少しずつヴィクトリカとの間に絆が育まれ友情や愛情が築かれていってからは彼の生意気さが芯の強さに変わって行って良かった。
3位 グレヴィール
ヴィクトリカのお兄ちゃん。最後の最後で良い仕事をしてくれたし、それまでも彼なりに妹を案じていたところがあったのだと感じることが出来た。
- at 18:02
- [アニメ(放送終了):GOSICK-ゴシック-]
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ちなみに電波女と青春男は見ていましたか
出来たら総評してもらいたのですが