Steins;Gate 第13話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Steins;Gate]
『形而上のネクローシス』
≪あらすじ≫
突如として武装集団に占拠されたラボ。桐生萌郁の裏切り。そして殺害されたまゆり。
激昂する倫太郎の前に姿を見せたのは鈴羽だった。一瞬で萌郁の取り巻きを気絶させた鈴羽は「ブラウン管、42型、起動させた」と口にする。その言葉に反応した倫太郎は実験すらしていないタイムリープマシンを起動させ、まゆりを殺させないため過去へと飛ぶ。
成功したタイムリープ。だが、戻れたのはわずか3時間前。紅莉栖、ダル、鈴羽にパーティの中止を告げると急いでまゆりの確保と逃走に走る。しかし、またしてもまゆりは殺されてしまった。
二度目のタイムリープ。今度こそ追手を振りきれたはずだったが――
≪感想≫
◆マッドサイエンティスト誕生の真相
やっぱりマッドサイエンティストを名乗り続けるのには理由(わけ)があった。それも非常に重い。今回のストーリーと組み合わさることで、倫太郎がいかに幼馴染のまゆりを大切に想っているかを視聴者も強く強く実感させられる。
まゆりが掲げていた右手。倫太郎は「スターダスト・シェイクハンド」みたいな厨二病的名前を付けて誤魔化していたが、それすらも倫太郎からすればまゆりを守るためのことだったのだろう。
まゆりを人質とすることで天国の祖母の下に連れて行かれないようにし、そのことを片時も忘れないために倫太郎はマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真を名乗り続ける。そして、突発的にまゆりが行ってしまう行為も「スターダスト・シェイクハンド」と名前を付けてしまうことで、他の人たちから「どうしてそんなことをしているの?」という質問を封殺し、まゆりに極力過去のことを思い出させないようにしているのではないだろうか。
おそらくもう12年前後の付き合いのはずの倫太郎とまゆり(小学校から大学までだからだいたい十年来?)。その長い期間、彼はまゆりを守ってきた。そして、これから先も彼はまゆりを守って行く――まゆりが、もう絶対に祖母の下には連れて行かれないのだと言う確信が得られるまでは。
そう考えると、まゆりの死はもちろん「特別親しい人の死」という耐えがたいモノであると同時に、倫太郎からすればこの十年来の行動の全否定に繋がるのだろう。ずっと天国にいる祖母の下にまゆりを連れて行かれないためにイタイほどの厨二病を演じ続けてきたのに、自分よりも早くまゆりを天国に連れて行かれてしまう結果には我慢ならなかったに違いない。
タイムリープ物は、歴史改変を伴うためそれに対して罪悪感を感じるケースも少なくない。だが、本作では完全にそういう問題ではないのだな、と感じる。一般常識的な善悪や倫理的な善悪などすでに通り越した境地に、倫太郎は足を踏み入れている。
大切な人が生き残れるための未来を獲得する。
ただそれだけのために倫太郎はタイムリープを繰り返す。それはもしかしたら間違っていることなのかもしれない。たった一個人のために全世界の歴史を変える行為になるのかもしれないのだから。
それに人は必ずいずれ死ぬのだから、死という結果を否定するのではなくそこまで生きてきた人生を尊重すべきだと考える人もいるのかもしれない。
でも私から言わせればそれは詭弁だ。死んだらもう未来はないし新しく何かを積み上げることも出来ないのだ。それは自分だってそうだし、自分以外だってそう。「充実した人生を送れていれば早死にであったとしても後悔はない」と考える人はいるかもしれない。それはそれで一個人の主義主張なので構わないのだが、これだけは忘れないで欲しい。
そう考えているのは自分だけではないか? 家族や友人は、例えどんな形であったとしても一分一秒でも長く生きていて欲しいと考えてはいないか?
それでも「充実した人生を送れていれば早死にであったとしても後悔はない」とその人たちの前で面と向かって言えて、納得してもらって初めて「過程を尊重すべきだ」と口にして欲しいと思う。
倫太郎は正にその一心なのだ。まゆりが倫太郎のしていること(安全も確認されていないタイムリープを繰り返している事実)を知れば「そんなことは辞めて欲しい」と言うだろう。でも倫太郎にはそんなことは関係ないのだ。まゆりは倫太郎の身を案じてそう考えるかもしれないが、倫太郎は倫太郎で例え自分がどんな犠牲を払おうと「死んで欲しくない!」と考えているのだから。
倫太郎はどんな形であったとしても不当なまゆりの死を認めないだろう。少なくとも、自分が発案したタイムリープマシンに絡んでまゆりが死ぬことなんて絶対認めないはずだし、彼の手元にはまゆりの死を否定することが出来るかもしれないタイムリープマシンというツールがあるのだ。
(そもそも人が死を受け入れなければいけないのはそれを否定するツールがないからだろう。それは人が少しでも長く生きる=死を遠ざけるために医療技術を発達させてきたことにも通じる)
そこまで条件がそろっているのであれば、私は倫理観や一般常識なんて振り払ってまゆりを助けるためだけに行動してこそ、マッドサイエンティストを名乗り、まゆりを守ってきた「鳳凰院凶真」としての、「岡部倫太郎」としての在るべき姿だと信じている。
◆伏線を少し列挙してみる
1)世界線数値+タイムリープ考察
・ 1話のメール送信後 ⇒「0.571024」
・ 7話のロト6実験後 ⇒「0.571015」
・ 8話の萌郁実験後 ⇒「0.523299」
・ 8話のルカ実験後 ⇒「0.456903」
・ 9話のフェイリス実験後 ⇒「0.409420」
・ 10話の自分へのメール後 ⇒「0.337187」
今回も変動なし。予想通り、タイムリープでは世界線を変動させるまでには至らない模様。まぁ、ただ過去に戻るだけだからね。
2)まゆりを救う方法
考えられるモノは細かく出していけばたくさんあるはずなのだけど、どうしても三回目の死に方が気になる。もしあれで天王寺綯が意図的にまゆりを突き落としたのであれば、綯→その父親のMr.ブラウンもSERNの手先か? 確かに42型ブラウン管はリフターの代わりを果たしたわけだし、そう言えばSERNとの直通回線だって引かれているわけだし……とそれはそれで想像が膨らむが、現時点であの子供が意図的に足をつまずかせて、あそこまで懐いていたまゆりを突き落とすのかと問われれば、さすがにそれにはNOと言うしかない。
少し長くなってしまったが、要約すれば三回目の死に方は全くの偶然なのだ。
そうなってくると、一つ仮説が立つ。「世界線0.337187の世界において、8/13に椎名まゆりが死ぬことは世界レベルで確定事項なのではないか」ということ。
どんな道、どんな手段、どんな経緯を辿ろうと故意、不慮、事故などさまざまな要因において椎名まゆりは必ず死ぬ世界が世界線0.337187。もしそうだとするならば、倫太郎はタイムリープするだけではダメだと言う可能性がある。Dメールを送るなり、過去にタイムリープした時点で世界線を変動するほどの巨大な事象を引き起こさなければ、まゆりの死を回避出来ないかもしれない。
さて、そうなると世界線を変動させなくてはいけなくなるわけだが、新しく世界線を変動させるのは難しい。ならばすでに変動してしまった世界線を元に戻す方法を取る方が妥当だし無難だ。となると、まずは10話で鈴羽を秋葉原に留めさせた内容の否定に走らないといけないわけだが、この辺りは簡単に済みそうか。だが、それはそれで今度は鈴羽との別れを覚悟しないといけない(もちろん、まゆりのような今生の別れではないはずだが)。
あとはもっと端的に言えば、仲間に相談するというのがまゆりを救う近道じゃないかなと思う。少なくとも紅莉栖はタイムリープしてきた倫太郎をその仕草から見抜き、倫太郎の言葉を信じたわけだから、信頼度で言っても頭脳面・アイディア面で言っても紅莉栖は心強い仲間になってくれそうだが…。
ちなみに、3時間前にしか戻れなかったのはタイムリープマシンを作動させる時間の都合だったのか? それとも単純に試作機だからそれ以上前には戻れないだけなのか? どちらにせよ、3時間前に一端戻ったあと、またそこから戻って6時間分時間を稼ぐ、という選択肢はないのだろうか?
3)鈴羽の行動
前回、鈴羽は逃げたのではないか、というコメントも頂いたがおそらくそれは否定出来そうだ。
鈴羽が未来から来たと仮定し、岡部倫太郎・牧瀬紅莉栖らにある程度精通しているとするならば、未来の彼らから事の顛末をある程度聞かされていると考えて良い。もし、ラボが襲撃された記憶を持つ倫太郎がいる未来から来たのであれば、今回の一件も聞かされている可能性が高い。
しかし、彼女が記憶している情報はあやふやだった。それは、秋葉原に留まることが彼女の任務ではないからだろう。彼女は一定期間までしか滞在せず、それ以上はどこかに姿を消した。それはそちらの方が彼女にとって本来の任務だと考えられる。
ゆえに彼女の情報はあやふやだった。それでも、電車の爆破予告というニュースを見てラボが襲撃されるのがこのタイミングであることを誰よりも早く知ったわけだ。そこで彼女がみんなを連れて逃げなかったのは、やはりすでに秋葉原一帯に萌郁らの包囲網が出来ていると知っていたからか。
だからこそ、倫太郎がタイムリープするのに必須な42型ブラウン管TVの電源を付けるため、一端ラボから出て行ったのだ。そしてそこからラボに戻って襲われていた倫太郎を救うため乗り込んだ。
多勢に無勢であったからか、あるいは私の仮説通りこの世界線ではまゆりは救えないからなのか、最初からタイムリープを使わないと全員を救えないことを鈴羽だけは知っていたのかもしれない。
4)萌郁の言葉
っていうか「FB」って結局何なんだ?(苦笑
あれだけじゃさっぱり解らない。何か、自分を精神的に支えるためのおまじない、だろうか(CLANNADの古河渚の「あんぱんっ!」みたいな)。どちらにせよわざわざセリフとして使ってくるということは、この先、もし過去を改変し直す際に萌郁と絡まないといけない時に大きなヒントになるのかもしれない。
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NoTitle
>ずっと天国にいる祖母の下にまゆりを連れて行かれないためにイタイほどの厨二病を演じ続けてきたのに
ちょっと美しく感じすぎかなあと、個人的には思います
きっかけがそうである事は間違いないし、その為に続けてきたという側面ももちろんあるのだけれど、やってる内に本人もノリノリになってきたというのも間違いない所なので(笑)
彼はそこまでヒーローではなく普通の人間ですよ
>っていうか「FB」って結局何なんだ?(苦笑
分かるのは当分先です
実はフェイスブック・・・・ではないです