DOG DAYS 総評
アスレティック・スポーツが大好きな少年シンク・イズミ。春休み、彼が突然召喚されたのは全く見知らぬ世界・フロニャルド。シンクは、フロニャルドにあるビスコッティという国の領主・ミルヒオーレに「勇者」として召喚されたのだった。
戦うことなんて出来ないと言う彼だったが、フロニャルドの戦争は死ぬことも大きなけがをすることもない、まるでスポーツのようなものだった。
好奇心旺盛なシンクは、勇者になることを了承し人の死ぬことのない戦場へと出撃する――
そんな『DOG DAYS』の私の評価ですが...
A
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
DOG DAYS 総評
放映日:2011年04月~2011年06月(全13話)
私が視聴した放映局:東京MXテレビ、テレビ埼玉
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:A
最初から最後まで終始一貫、貫かれた世界観は見ていて心地よさすら覚える。最後まで希望や理想が途切れることのなかった物語は、フィクションであるアニメならではの展開と言えるし、毎回楽しませてもらった。
演出 評価:S
紋章術という魔法の演出はもちろんのこと、殺陣も良く動く見事なもの。人が死なないとはいえ、そこはバトル要素のある作品として、『リリカルなのは』シリーズで培った技術を最大限に活かしたと言える。
心理描写はメインとなるシンク、ミルヒ、そしてキーパーソンのレオンミシェリを中軸に行っていた感じ。さすがに1クールで、あれだけ膨大な数のキャラの心理描写を掘り下げるのは難しいので、この辺りの取捨選択は無難なところ。
作画 評価:C
いろいろな形での作画(デジタルセルだったり、CGだったり)を用いているせいか、やや統一感の欠けてしまったのが、(特にミルヒのライヴシーンで見られた)作画への批難なのだろう。正直、製作サイドも手一杯だった感じは否めないかな、とも思う。あれだけ良く動くアニメーションで、高いクオリティを維持するのはかなりの困難だし、その上1クール最大の13話を詰め込んできたのだ。DではなくCなのはその辺りを考慮して。
CAST 評価:S
良くもまぁ、これだけのキャストをキャスティング出来たと言うものだ。もしかしたら、この作品はこのキャスティングが成功した時点で半分くらい仕事が終わってるんじゃないかとさえ思えるほど(苦笑
人気女性声優はもちろんだが、それ以上に宮野さん、子安さん、小野さん、若本さんらといった人気の高い男性声優をキャスティング出来た点はかなり評価したい。可愛い女の子の声も大切だけど、やっぱりカッコいい男の声も重要ですよ、うん。
OP/ED/BGM 評価:A
OP・EDで言えば、OPは水樹奈々さん、EDは堀江由衣さんが担当し楽曲も悪くなかっただけに申し分ない。挿入歌がライヴシーンだけで消えてしまったのはちょっと残念なところ。挿入歌はそういう使い方も良いのだが、やっぱりもっとこうクライマックスでのBGM的な使い方が映えると思うのだが、その辺りどうよ?
あとは音響がもうひと踏ん張り出来れば…。
総合 評価:A
内訳:S評価(5点)×2+A評価(4点)×2+C評価(2点)×1=A(4.0点)
『リリカルなのは』シリーズを生み出し、(一応原作があるとはいえ)半アニメオリジナルの展開で第三期までアニメ放映を実現させた都築氏らのチームによる話題作。
「人の死なない戦」というものに賛否両論集まったのは良かったことかもしれない、と放映が終わってからは感じている。自論だが、本作は明確に偏見で凝り固まった視聴者と柔軟に対応し楽しんで閲覧した視聴者を分断し浮き彫りにさせた。「戦い=シリアス」という固定観念は偏見かもしれない、ということだ。
どうして戦いはシリアスでなければいけないのか。どうして戦いを描いたら「命のやり取りを描いてその尊さを訴えなければいけない」という固定観念を押し付けるのか。
私にはそれがまったく理解できなかった。エンターテイメントとして十分面白い作品だし、キャラクターも可愛いし、戦いもカッコ良かった。人の死なない戦にもちゃんとその仕組みが設定として綿密に組まれているものだったし、突発的なものではなかったわけだ。
何より、これが都築氏始め『リリカルなのは』を生み出したチームが魅せたくて訴えたいモノではないのだろうか? 『リリカルなのは』でもまた非殺傷設定という仕組みが組み込まれたことで、魔導師同士の戦いでは基本的に「魔法直撃=致命傷」ではなかったではないか。それを知っているのに、いざ始まって人の死なない戦いに対して批難すると言う姿勢が、そもそも理解出来ない。それがダメなら最初から『なのは』もダメだろうし、それを生み出した都築氏たちに対しても否定的なのだろうと思えば、そういうわけでもないのだ。
もちろんアニメもまた一つの芸術的要素のある作品であるから、誰がどのような視点で閲覧し批評をしようとそれは自由だと思っている。思っているのだが、ちょっと理不尽というか意図が汲み取りづらい批判が多かったのは残念だと思っている。
ごく一部の否定的な方々の中にはちゃんと上の固定概念を求める理由や自論がちゃんと展開されていて「なるほどな」と唸らされるものもあったので、そういう方々の意見を目に出来たのは辛うじて救われた部分だろうか。
さて、そうした部分はさて置いて、作品としては最後まで理想と希望を描いてくれたことに感謝したい。残酷だけでリアルな結末が良いわけではない。それがご都合主義に見えたとしてもやっぱりフィクションであるアニメには理想や希望を描いて欲しい。
そんな私のアニメやラノベといったフィクションの作品に対してある程度一律に求めている要素を本当にたくさん盛り込んでくれた作品だと思っている。
まだまだ可能性を秘めた作品。第二期もぜひ期待したい。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 エクーレル
少しずつデレていく感じが、立ち位置的に王道とはいえやっぱりとてもよかったエクレwww
2位 レオンミシェリ
こちらもまた王道的な要素ではあるものの、彼女の抱えた悩みと予言とその空回りとズレる具合は絶妙だったなと思える。個人的には初登場時のような清々しい感じの豪傑としての彼女ももっと観てみたかった。
3位 ダルキアン&ユッキー
同率ランクインというか、この二人はセットじゃない? というか。
ダルキアンの強さやるろ剣っぽさ(マテ)も好きだし、忍者だけどスタイル抜群で実は土地神様という凄い設定を組み込まれたユッキーも好き。
ぜひ、この二人だけのスピンオフ作品というのも見てみたい。
- at 16:34
- [アニメ(放送終了):DOG DAYSシリーズ]
- TB(1) |
- CO(2)
- [Edit]
猫・狐好きの私にとってご褒美のようなアニメでしたが、今回犬尻尾の良さも開眼しました。
是非続編を作って欲しいですね。
毎週感想を楽しませてもらい、ありがとうございました。