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刹那的虹色世界

アニメ・ゲームのあらすじを主体とした感想や批評のブログ。時折、日記・声優・コミック・スポーツなど幅広くレビューしています。リンクフリー、相互リンク大歓迎♪

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[C] 総評

[C] 総評

将来は公務員になって安定した生活を手に入れたいと願う大学生・余賀公麿。倹約で質素な生活を送り、大学の講義中に公務員の試験勉強をしているが、そのせいか大学の友人たちとの付き合いはあまりなく、高校からの同級生・羽奈日に淡い想いを抱くが、そんな彼女も羽振りの良い彼氏と付き合い始めてしまう始末。

そんなある日、目の前に現れたピエロのような人物・真坂木。彼は金融街の使者を名乗り、公麿の未来を担保に多額の融資を開始する。そしてそのお金に手を付けた時、公麿はこの世界と密接につながった全く別の世界・金融街の存在を知ることになる。

そんな金融街で知り合ったのは三國壮一郎。彼は金融街による現実世界への影響を最小限にしようと努力していた。そんな彼の姿勢に引き込まれていく公麿だったが――



そんな『[C]』の私の評価ですが...

S

です。(SS、S、A~Dの評価)


では、詳細は続きをどうぞ。

※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。

[C]
THE MONEY OF SOUL AND
POSSIBILITY CONTROL 総評

放映日:2011年04月~2011年06月(全11話) 
私が視聴した放映局:フジテレビ

総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。


シナリオ構成 評価:S
二つの点で非常に優れていたと感じている。一つ目は、主人公である公麿の成長がわずか11話の中ながらちゃんと構成されていた点。二つ目は、正解のない主義主張による最終決戦となった点。

前者は昨今のアニメを始め多くのフィクション作品に多数の視聴者が求める要素となったわけだが、それが目に見えて明確な形で描かれていた。後者は、勧善懲悪を避けた点もそうだが、次の展開がどうなるのか解らない楽しみを与えてくれたことが大きい。

同じノイタミナ枠で同期で放送された『あの花』はどちらかと言えば次の展開あるいは最終的な結末はある程度予想出来る範疇であった。それはそうした結末を示唆しておくことで、その結末に至る過程を楽しむための良い意味でのトラップだと私は解釈しているが、『[C]』の場合はそれよりも純粋に結末を楽しむ作品となっている。

主義・主張がぶつかり合う戦いにおいて、作中でも語られていたようにどちらかが正しい・どちらが間違っていると言う部分はあまり表現されない。実際にどちらも正しいのだから、それ以外に表現のしようがないと言うのもある。

さらに本作の場合は、金融街という仮想空間における現象が現実世界に影響を与えると言う設定から、ディール(バトル)の結果現実世界がどう変わるかは私たちの想像からかけ離れるケースが多く、これもまた「結末がどうなるのか」解らず楽しめる部分ではないだろうか。


これはシナリオではないが、設定という面でも金融街という存在や経済をベースにして「現在を繋ぎとめるために未来を犠牲にするか」「未来を保つために現在を犠牲にするか」という明確なメッセージ性をより解りやすい形で打ちだせたのは良かったと思っている。


演出 評価:S
公麿と壮一郎。この二人が何を考え、どうしてそれぞれの結論に至ったのか。その経緯を丁寧に描かれており、とりあえず最低限必要な心理描写は外していないところは、ホッとしている。

その上でディールというSFあるいはファンタジー要素のあるバトル展開は、バトルそのものの中身よりも演出を軸に構築されており、金融街・ミダスマネーという設定を活かした演出も多かったのは良かった。


作画 評価:A
キャラデザは完全に好みが分かれてしまう部分だろうか。これはこれで非常に味があって、製作プロダクションが「竜の子プロダクション」と聞けば、「あー、うん、なんかそれっぽい」と納得出来る方も多いのではないだろうか。

作画自体は『あの花』同様にフラクタル枠ならこれくらいは出来るだろう、という感じ。


CAST 評価:S
堅実に実力派を集めた『あの花』とは対照的に、キャラクターやそのキャラデザが持つイメージを最大限に考慮したキャスティングだったと言う印象がある(三國壮一郎約に舞台役者などが中心の細見さんをキャスティングする辺りなど)。

またどのような都合かは不明だが、まだあまり名前を目にしないような比較的伸び盛りの新人声優、さらには番組内でオーディションをするなど、後々の業界も考慮したキャスティングはむしろ『あの花』よりも評価している点。作品としての芸術性を高めるため実力派で固めることを否定はしないが、それでもやはりどんな作品であろうと次世代育成・発掘を考慮したキャスティングは大切だと思っている。


OP/ED/BGM 評価:B
同期の『あの花』とは同じフラクタル枠ながら良い意味で対極にある作品だと思っているが、この部分だけは『あの花』に分があるなと思ってしまう。もう少し、処刑用BGMではないが一つずば抜けたBGMでもあれば……。


総合 評価:S
内訳:S評価(5点)×3+A評価(4点)×1+B評価(3点)×1+=S(4.5点※4.4点+0.1)、個人的主観の点につき0.1点加点
先にも挙げたがフラクタル枠でしかも同期である本作。一般的には『あの花』が受けているのだろうが、個人的に言わせてもらえれば『あの花』よりもずっと楽しんで見れた作品だった。

公麿と壮一郎。ダブル主人公制が取られた意味がしっかりとあったと感じさせてくれる久々の作品ではないだろうか。彼らの関係は多様だった。人生において後輩と先輩であり、金融街において同志であり、そして一人の人間の主義主張としてはライバルであった。

『未来のためならば現在を犠牲にすることも厭わない』公麿と、『現在を維持する為ならば未来を食い潰すことさえ構わない』壮一郎。両者の意見が相容れることは最後まで無かった。それもまた一つの美学として美しいものがあった。

これらは一概にどちらが正しいと言えるような問題ではないが、今の日本社会を如実に示しているように見える点が、実は私が最も面白く感じていた部分である。以前書いた記事でも述べたが、今の日本はどちらかと言えば壮一郎の主張の通りに進む世界だ。今の私たちが生きながらえるために、返済出来る計画も目途もないまま未来の子孫に多額の借金を押し付けている。この現状で、これを否定することは出来ないだろう。

そうすると公麿が正しいように思えるが今の世界を生きるのは未来の子孫ではなく私たちなのである。そう考えれば壮一郎の主義にも一理あるわけだ。

どちらも間違っているように見えてどちらも正しい。そんなどちらかが正しいか解ってしまう状況ではなく、それが解らないどちらも正しいように聞こえる主義主張がぶつかり合うことこそ、やはりバトル要素がある作品の醍醐味だと思うし、熱い王道な展開だと思う。


この作品は明確に私たちに「貴方たちならどちらの主張を選択しますか? それとも第三の意見を出せますか?」というメッセージだと思う。だから、その答えは私たちが個人個人で見出していかないといけない。


アニメーションはその多くがフィクションである。だが、フィクションはそれを視聴したり読んだりすることで、現実に置き換えて捉え直すためのものでもあると考える。

以前「Rio 13話」の記事でも書いたが、機動戦士ガンダムUCの福井晴敏氏がこんなコメントを残している。

『本来“フィクション”というものは、それを観ることによって“現実”を捉え直すために元々あるんじゃないかと思っている』

賛否両論あるだろうが、私はフィクションにそういう側面があるものなのだろうと思っている。現実で伝えたいけれど伝えきれないメッセージや想い、あるいは現実とはどういうものなのかという主張や主義をフィクションと言う媒介を使うことで、伝えやすい形に世界やキャラクター、ストーリーを再構築して発信しているものだと思っている。

そういう意味で本作は、フィクションのアニメーションではあるが、現実に置き換え現実に捉え直すことを前提に作られたとても良い作品だと実感している。






おまけ
ベストキャラTOP3
1位 真朱
角が生えているし、ビジュアル的には羽奈日に見えるが、少しずつ可愛く見えて来る不思議w 


2位 余賀公麿
この主人公の成長していく要素はとても楽しめた。多くの人と触れ合い、主義主張を耳にし、ディールをすることで自分が目指すべき世界がどんなものなのか自分で答えを得た点は良かった。


3位 ジェニファー・サトウ
てっきりサブキャラだと思っていたのだが、堅実に出番のあったレギュラーキャラだったのが意外。

Comment

NoTitle 

まさか、このアニメで描かれた欧州金融危機が現実のものになろうとは・・・。
少し先の未来を予見させる内容のアニメだったと思います。
  • posted by  
  • URL 
  • 2012.02/14 18:43分 
  • [Edit]
  • [Res]

>匿名希望さん 

こんばんは。

まぁ、この作品がそこまで見通していたかどうかはともかくとして、お金(経済)というものを題材にして世界を構築した世界観はとても面白い作品だったと思っています。

その先に、二人の主人公が異なる考え方を最後まで貫きとおせたのも大きいですね。
  • posted by 月詠 
  • URL 
  • 2012.02/14 22:46分 
  • [Edit]
  • [Res]

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