DOG DAYS EPISODE 11
『夜空に花が舞うように』
≪あらすじ≫
“魔物”すら救ったシンクとミルヒ。リコッタとエクレールのおかげでその場を脱した二人。そんな二人を見送ったダルキアンとユキカゼは、己の役目――禍太刀(まがたち)の封印を果たす。
死亡者、行方不明者が出ないまま今回の一件を終わらせることが出来たレオンミシェリは己の非を詫びる緊急会見を開き、ミルヒは中止になった戦の穴埋めでコンサートを開くことになった。コンサート直前のミルヒの前に姿を見せたレオンミシェリは、自分が幼い頃から感じ続けてきた想いの内を告白する。
一方、獅子奮迅の如き活躍でミルヒも、ビスコッティも、ガレットも救って見せたシンク。そんな彼と短いながらも背中を預けて戦う間に、想いを寄せるようになったエクレール。そんな二人をユキカゼとリコッタは愉しみながら見守っていたのだが、学院からの“報告”にリコッタの顔は曇る――
≪感想≫
◆レオン×ミルヒ、そしてさり気なくシンク×エクレ
これはもうビスコッティとガレットという両国の問題が事実上解決し、フロニャルド編の終了を宣言しても良いのではないだろうか。ガウルの説明が全てを物語っていたように、レオンミシェリは憑き物が落ちたように清々しいようだし、以前私が予想したようにミルヒとの関係も以前の状態に戻りつつある。それはビスコッティとガレットという両国の友好の継続と安定を意味する。これで残されたのはシンクの地球帰還編になるわけだが、果たしてどうなるか……。
以前からコメント欄ではこんな内容のやり取りはしていたのだが、この作品におけるヒーローはレオンミシェリであり、ヒロインはミルヒオーレであったように思える。武勇に優れたレオンミシェリが、実はずっとミルヒオーレの優しさに救われ支えられてきたという展開は、正しくそんな感じだと言えるだろう。
そうなると、必然的に主人公であるはずのシンクの立場がなくなってしまう。
だが、それはそれで冷静に考えてみれば問題はなかったわけだ。シンクはシンクで、ちゃんとヒーローをしていて彼とカップリングを組むヒロインだっていた。
それがエクレール。
レオンミシェリとミルヒオーレのカップリングが王道的なヒーローとヒロイン像の模範であるなら、シンクとエクレールのカップリングは現代的なヒーローとヒロイン像の典型だと言える。
昔からあったことは承知しているが、それでも特に現在において数多く台頭してきた「戦うヒロイン」は、王道的な「守られるヒロイン」と並ぶ代表的なヒロイン像となっていると言えるだろう。だが「戦うヒロイン」は「守られるヒロイン」とは、恋に落ちるタイミングや展開が微妙に異なるのである(『神のみ』の桂馬風に言えば「攻略方法が違う」)。
「戦うヒロイン」は主人公と比べて引けを取らない戦闘力を持つため、守り守られることで絆を確かめ合うのではなく、必然的に一緒に戦ってその中で絆を深めていくものだ。考えてみれば初陣からここずっとシンクとエクレはいつも一緒の戦場に立ち、互いに互いの背中を預け、信頼し、絆を深めてきた。
シンクのラッキースケベも最初がエクレだったことを考えれば、シンクをヒーローとした時のヒロインが実は「守られるヒロイン」であるミルヒオーレではなく、「戦うヒロイン」であるエクレであることは明白だったのかもしれない。
(※「ミルヒだって前回・前々回と戦った」と思うかもしれないが、「戦うヒロイン」の認定として大切なのは互いに背中を預けて、一緒に戦場を渡り合うことである。それを考慮するとミルヒは「守られるヒロイン」である)
エクレがツンデレなことはもはや誰もが周知の事実。1クールという短い中ではあるが、序盤であそこまでツンケンしていたエクレが、この終盤に来て日常パートでもデレてくれるのは既定路線と言えばそうだが、やっぱり嬉しいしニヤニヤしてしまうし、周囲の盛り立て役(リコッタとユキカゼ)の存在が余計にそういう視聴者の感情を煽りたててくれる。
ただレオンミシェリとミルヒオーレと異なり、シンクは異世界人(地球人)でエクレはフロニャルド人という人種の違いがあるため、この恋愛が悲恋で終わってしまいそうな予感を覚えてしまうのがやや切ない。もちろんシンクもミルヒもその周囲の人たちも人種を気にしないだろうが、シンクは地球に帰ることを願ってきた。
ずっとシンクとエクレ一本で作品が描かれてきた恋愛劇なら土壇場でシンクがフロニャルドに留まる展開もなくはないだろうが、現段階だとその選択肢はまだ希望的観測の余地を出ないだろう。
リコッタが受け取った報告の内容が「(せっかく仲良くなれたのに)帰れてしまう」なのか、「(あんなにビスコッティのために頑張ってくれたのに)帰れない」なのか。それぞれのパターンを予測してみるのも良いのかもしれないが、それは各々がヤキモキ・モヤモヤしながら1週間待ってみるのも、週刊アニメの醍醐味ではないだろうか。
◆ダルキアンとユキカゼ
彼らが探し求めたのは510本目の禍太刀(まがたち)だったようだ。まぁ、何本目かはあまり関係ないのだろう。こうして魔物を生み出す禍々しい力を宿した武器を封じていくことが、少なくともユキカゼの使命だ。
ユキカゼの詠唱シーン。本当は全文耳コピして一つ一つ意味を解読したいくらいなのだが、まぁさすがにそれはアレなので印象的な単語だけ取り出して、そこから登場キャラクターの中でも特に謎の多いダルキアンとユキカゼという二人のキャラクターを少し掘り下げて考えてみよう。
・天古の土地神 ユキカゼ
その前の詠唱は確か「大地を渡り幾千年、浮世を巡って幾百年」だった。つまり、ユキカゼは誕生してから千年以上を生きてきた土地神ということ。今回魔物と化してしまった狐の子供を「同朋」と呼ぶのも、ユキカゼが土地神だからである。
ただ彼女がビスコッティやガレットの土地神というよりは、今は滅んでしまった集落の土地神で、今は禍太刀の回収と封印を自らの使命に課している流浪の土地神と考えるのが妥当か。
まぁ、普通に考えればあの外見年齢で510本(今回の禍太刀入れて)も集められるわけがない(数か月ダルキアンと旅に出ても一本も回収出来ないケースがあるなら、運が良くて年に1~2本集められれば良い方なのだろう。そう考えれば、その数を集めるだけでも200~400年以上は軽くかかる)。
天古(てんこ)の当て字がこれで正しいかどうかは解らないが、上記の詠唱(幾千年~)がユキカゼ自身を指すのであればおそらくこの当て字ではないかと思う。「天の古」と呼称するほど彼女は永い年月を巡り巡ってきたのだろう。
そういえば以前コメントで「ユキカゼ流って我流?」というものを頂いたことがあるが、これでおそらく我流であることがほぼ確定したのではないだろうか。ユキカゼが、通常では数えられない年月を生きているのであれば複数の得物や体術に精通する我流を構築することも可能なはずだ。
例外的に、「実はフロニャルドの住人の平均寿命は数百年単位です」ということになると話は変わってくるが(ノ∀`*)アイター
そういえば、ユキカゼが以前封じたたくさんの太刀を具現化させるシーンは『Fate』の固有結界“アンリミテッド・ブレイド・ワークス(UBW)”や『ブリーチ』の“千本桜(だっけ?)”を彷彿とさせるなと思う。ミルヒの鎧の前例を考えれば、元ネタはUBWなのかな?
・討魔の剣聖 ダルキアン
かつて魔物に滅ぼされた集落出身で、それ故に魔物を討伐するために剣の腕を磨き当代随一の技術を会得した者。それがブリオッシュ・ダルキアンなのだろう。
思い返せば彼女はある意味レオンミシェリ以上に豪快な技を多用していた。通常の“戦”程度にしてはあまりに過剰で過激だ。だが、それもダルキアンが最初から“戦”ではなく“魔物”あるいは“禍太刀”の封印を前提にしていたのであれば頷ける。過剰なほどの攻撃力を持っていて当たり前だったのだ、最初から相手はフロニャルド人ではないのだから。
討魔の当て字はたぶんこれで確定だと思う。他に当て字が思い浮かばないが、強いて言えば「闘魔」や「刀魔」というものもなくはないが、意味としてベターなのはこれかな、と。
彼女は土地神なのだろうか。それとも普通のフロニャルド人? どちらのパターンもあるような気がしているが、まぁ普通のフロニャルド人であると考えるのが妥当なのかな。その剣の腕と魔に対する強い意思が、ユキカゼのパートナーとして選ばれた由縁だろう。
普通に考えればダルキアンの方がユキカゼに付き従いそうなもの(生きている年数や土地神という立場的に)だが、おそらくダルキアンにあの紋章術(刀に封じた太刀の力を付加し、禍太刀へ攻撃することでその能力を弱め封印しやすくするものだと思われる)を扱える適正があったために、ダルキアンが「お館様」と言われ慕われているのだろう。
もしくは、ユキカゼが知り合ったばかりのダルキアンに命を救われて心酔している、ということかもしれない。この辺の二人のエピソードも見てみたい、と思ってしまう。
◆余談 戦の裏の顔
子安騎士団長(笑)が語った“戦”の裏の顔。それは守護エリアを出れば今でも物騒なため、魔物といざという時の戦いに備えるためでもあると言う。それは一理ある。戦争がないから軍隊や兵士は訓練を積まなくていいのかと言えばそういうわけではないし、ただの訓練だけでなく実戦形式の演習だって行われるわけだ。それと一緒。ただ、それをフロニャルドはその守護力の特性を最大限に活かし、興行と結び付けていると言うだけ。
個人的に好きだったのは子安騎士団長が、兵士の力を「傷つける力」と認識していたことだろうか。力はしょせん力なのである。それを振るえば、どんな理由があったとしても振るわれた側は怪我をし、傷を負い、下手をすれば命を落とす。それを最初から「守るための力」だとか何だとかと誤魔化す展開は、個人的に言わせてもらえれば詭弁になっていて好きじゃない。
でも、力はしょせん力なのだから、その力が善となるか悪となるかは使い手次第なのである。子安騎士団長が語ったように、「傷つける力」も使い手次第では「守るための力」になる。
同じ「守るための力」という認識でも、最初から「守るための力だ」と力の本質から目をそむけているのか、それともその力が誰かを傷つけてしまうことを知りながらも、それを誤魔化すことなく事実として受け入れた上で使い方次第だと論じるのかでは結果は一緒でも過程は天と地ほどの差がある。
そういう形はとても好きだし、あの団長が団長として選ばれエクレールや部下たちから慕われる理由も頷けると言うものである。
え? 作画? あの程度の崩壊は前からあったわけなので今更だw それに崩壊した部分とは裏腹にダルキアンとユキカゼパートのクオリティが維持されていたし、エクレが可愛かったから個人的に問題ない。ミルヒファンは、……うん、かける言葉もないけれどwww
EPISODE 12『4つの条件』 次回予告はちょい失敗かな? もう少し、リコッタの得た情報が「シンクが帰れない」or「シンクが帰れてしまう」のどちらなのかを1週間引っ張っても良かった気がするけど(確定したわけではないけど、次回予告のやり取りを見るとだいたい、ね)。
ここで今更「4つの条件」とか……これがもし帰るための条件だとしたら、どうやって収集つけるんだろう? これ1クールだよね(ノ∀`*)アイター
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- [アニメ(放送終了):DOG DAYSシリーズ]
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>天古(てんこ)
ユキカゼが狐であることを考えるに「てんこ」の当て字は天狐なのでは?と思ってしまった。確か、我が家のお稲荷様にも居たと思ったです。だとするとユキカゼの歳ってあの見かけで数百年から下手すると数千年?
>ユキカゼが以前封じたたくさんの太刀を具現化させるシーン
私もブリーチの千年桜よりもTMのUBWをイメージしたですよ。太刀が横向きで光る描写と言い、まさしくUBWかと。
ユキカゼが土地神さまであるのであれば、彼女の腰の低さはいったい…。チョットした謎ですよね。これは逢うと再度ストーリーとして期待していいのではないかと。多分、要望があればきっと書いてくれるんじゃないかと…コミックか小説かは不明ですけど…。この二人のエピソードは私も読みたいです。