DOG DAYS EPISODE 10
『勇者と姫と希望の光』
≪あらすじ≫
グラナ浮遊砦上空に出現した“魔物”。その魔物が放つ攻撃によってミルヒオーレは倒れ、魔物に取り込まれてしまう。星詠みと同じ結果を目の当たりにして激昂するレオンミシェリは圧倒的な武力で魔物を屠ろうするが、無限再生する触手と輝力による攻撃でレオンミシェリも屈してしまう。
ようやく天空闘技場に辿り着いたシンクとエクレールは事の顛末を聞いて、なんとかミルヒオーレを救出しようとフロニャ力による守護力の弱った戦場を最短距離で魔物へと追撃する。
一方、“魔物”に取り込まれたミルヒオーレは魔物の意識の中で、その魔物の母親と対面する。彼女の口から語られる真実。そしてもう止められなくなってしまった我が子を楽にして欲しいと言う母の願いにミルヒオーレは――
≪感想≫
◆理想論に終始する作品性(もちろん良い意味でw)
今回の見どころは、ミルヒオーレの全裸。いやー、実に『DOG DAYS』らしいお色気シーン&シンクとのやり取りはニヤニヤ出来る……じゃない! まぁ、それも見どころかもしれないが(ノ∀`*)アイター
本来の見どころは、ミルヒオーレが魔物の母親から我が子の首を聖剣で断って欲しいと言う申し出を断るシーンだろう。あの時点でミルヒオーレは察知していないから致し方ないとはいえ、魔物はビスコッティに近づき、その民に危険が及び、シンクは傷を負っていた。
魔物の気持ちを考えて優先した結果、もしそれで国が滅び、異世界のシンクが死ぬ結末になっても、ミルヒオーレは自分の決断が間違っていなかったと言えただろうか?
国を背負う領主という立場の人間の下す決断として、本当にそれで良かったのか? 自国の民と魔物の気持ちを天秤にかけた結果、(無論ミルヒオーレにその気はなかったとしても)魔物の気持ちを選ぶ選択は正しいのか?
そんなことを三次元に生きる私なんかは考えてしまうわけだ。あるいは、同じ立場であったとしてもレオンミシェリならば魔物の母親の願いを聞き入れて「いっそ楽にしてやることが手向けだ」と首をはねたかもしれない。
でも、そんな苦渋の決断を二次元の創作物で描いて楽しいのか? というのが都築氏はじめこのスタッフたちが私たちに向けて送る今話のメッセージなのかもしれない。
ぶっちゃけ私はそんなのはつまらないと思う。私たちの生きる現実という名の三次元の世界は、甘っちょろい理想論なんて通用しない場面が多くて、堅実で世知辛い現実論で世渡りをしていかないといけない場面が圧倒的に多い。
無論、そうした世知辛さや自分の思い通りにならない展開に苦悩する様子を描くことで好評を得ている作品があることも知っているし、私だってそういう作品を「面白い」と思うことだってある。
でも、作り物のお話の中でくらい理想論が通用して物語の終わりには主人公を中心に多くのキャラが笑顔で迎えられるようなハッピーエンドを望みたい。
辛いことが多い現実をそのまま投影するような作品はリアリティの重みがあって面白いかもしれない。そうした現実と、現実に投影出来る苦悩を描くことで「より丁寧で綿密で、本当に生きているかのような」キャラクターを描くための一つの手法だとも理解する。
それでも、楽しいことだけじゃなくて辛いことも多い現実に生きる私たちが娯楽・エンターテイメントとしての側面を持って観るアニメーションだからこそ、その中にはフィクションならではの理想像とハッピーエンドがあって欲しいな、と切に願うわけだ。
本当に本音を漏らせば、前回(私の中で)株を上げたミルヒオーレの今回の発言は最初は萎えたのだ。国よりも魔物を優先するのか、と。でも、終わってみればそういう気持ちはほとんどなくなっていた。
あれはアニメの中だからこそ許される理想論。でも、それならアニメの中でこそ使われるべき理想論ということだ。
都築氏は、いろいろなものをオマージュして自作品に取り込むのが巧いと言う記事を読んだことがある。特に前回初お披露目となったミルヒオーレの鎧は、某人気PC原作ゲームのヒロインそっくりだと多くのBlog様でも取り上げていた。
(失われた何か 『DOG DAYS 9話 「リコッタとベールが剥け、エクレールのパンチラがありました」(感想) 』)。
今回も、「本来は土地神だったものに何かが刺さって悪しきものになる」というのは『もののけ姫』の展開に似ているな、と思わされた。
では、都築氏は目に見えるようなオマージュの形を取り入れるのか。それは単純にアニメ(に限らず漫画やラノベ含めた二次元創作物)に、娯楽やエンターテイメントとしての側面があることを理解していらっしゃるからではないだろうか?
こういうオマージュは原典となる作品を知っていればその分ニヤリと出来て楽しめる。(明確にこれがオマージュだと明言されたわけではないが)そういう楽しみ方の要素の一つとして、こういうものを取り入れたのではないだろうか?
都築氏の作品はこうした「アニメだから出来ること、アニメのキャラだから言えること」を踏まえているような気がする。もともと本作は“戦”という死人が出る可能性を極力排した理想的な戦いが構築され、負けて困るのは領土や資金ではなく「ガッカリ」し「ショボーン」となってしまうことという理想論のような認識がされており、作品の多くが理想論で成り立っていた。今回のミルヒオーレの決断もまた、そうした「アニメだから出来た理想論」として解釈したい。
◆余裕があれば書いてみたい-レオンミシェリの心境-
余裕があるのなら、今回倒れてから最後に美味しいところを持っていくような超長距離狙撃を成功して見せたレオンミシェリの心境をSSとして描いてみたいと言う気持ちがある(もちろん、次話以降に解説されなければ、という前提つきだが)。
それくらいあっさり終わらせてしまうには素材としては勿体ない。レオンミシェリの苦悩は物語の中盤からここまでかけて一本の軸として描かれてきただけに、倒れて目を覚まして側近に現状を聞いて決意を以って弓を取るまでの彼女の心境はどのようなものだっただろうか、と考えてしまう。
あれだけの決意。無論、星詠みで観た未来を現実にさせない決意であるだろうが、魔物は見た目上砂になって崩れ落ちた。それなのに、その直後のシンクの危機を弓で救った。ミルヒオーレやシンクのように事情を知らないレオンミシェリだが、彼女もまたガレットの聖剣の担い手。もしかしたらもしかしたら超現象を通じて事情を知って手助けした、というような裏事情があるとまた一層面白いな、と思ってしまう。
最後に、エクレールの後押しはこの手の作品の王道。勇者や主人公の道を切り拓くために自分が犠牲になると言う展開は胸アツだ(フロニャルドなのであの高度から落ちても死ぬことはないのだろうがw)。でも、エクレールはマジでどうなったのだろう? 展開を考えればレオンミシェリ同様、来週美味しいところで登場して良いところを持って行ってしまいそうだが(ノ∀`*)アイター
EPISODE 11『夜空に花が舞うように』
≪TB先 参照リンク(URLアルファベット順)≫
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
現在、nifty系、so-net系はほぼ全滅。livedoorは調子がいいと送れます。
・http://28903894.at.webry.info/201106/article_9.html
・http://3284allegro.blog38.fc2.com/blog-entry-2033.html
・http://ai-mugi.blog.eonet.jp/aimugi/2011/06/dog-days-
episod-86b1.html
・http://aircastle.blog11.fc2.com/blog-entry-2360.html
・http://alicetail904.blog42.fc2.com/blog-entry-738.html
・http://ameblo.jp/brook0316/entry-10910777257.html
(http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201106050000/)
・http://ameblo.jp/wv002524/entry-10914055734.html
・http://angel-teruteru.at.webry.info/201106/article_12.html
・http://animetureduregusa.blog65.fc2.com/blog-entry-975.html
・http://animumeso.blog101.fc2.com/blog-entry-2633.html
・http://aniponda.blog119.fc2.com/blog-entry-1024.html
・http://blog.crosschannel.jp/Entry/2718/
・http://blog.goo.ne.jp/gurimoe/e/6a7dc21a18156a408ce4622447afd
3ba
・http://blog.goo.ne.jp/jin-d/e/d7eb7b114a0bc25f98cfa2f64970c52
b
・http://blog.goo.ne.jp/mio793/e/1addc14e424c560098ddf9037b
c42013
(http://plaza.rakuten.co.jp/blackwidow/diary/201106050000/)
・http://blog.livedoor.jp/by_maria/archives/3476220.html
・http://blog.livedoor.jp/granzchesta/archives/51704616.html
・http://blog.livedoor.jp/katsux2/archives/51737591.html
・http://blog.livedoor.jp/mattari_6/archives/51749234.html
・http://blog.livedoor.jp/rin20064/archives/52186191.html
・http://blog.livedoor.jp/t_cherry398/archives/51601561.html
・http://blogs.yahoo.co.jp/geallza/62877976.html
・http://blogs.yahoo.co.jp/honeybear62444/28800422.html
・http://bosel.blog64.fc2.com/blog-entry-344.html
・http://cristal1102.blog84.fc2.com/blog-entry-899.html
・http://disorellan.blog61.fc2.com/blog-entry-1060.html
・http://e102128.blog54.fc2.com/blog-entry-1753.html
・http://fanblogs.jp/gyobayashi/archive/2287/0
・http://fovsaikou.blog129.fc2.com/blog-entry-1048.html
・http://hakuheisen914.blog6.fc2.com/blog-entry-1978.html
・http://hamajijun.blog114.fc2.com/blog-entry-2.html
・http://hibikidgs.blog.fc2.com/blog-entry-742.html
・http://hienkyaku.blog50.fc2.com/blog-entry-1990.html
・http://hyumablog.blog70.fc2.com/blog-entry-2333.html
・http://kakioki60.blog129.fc2.com/blog-entry-775.html
・http://keycafe.blog27.fc2.com/blog-entry-1301.html
・http://kira47.blog58.fc2.com/blog-entry-899.html
・http://kouyanoblog.blog61.fc2.com/blog-entry-3853.html
・http://maguni.com/index.php/view/1394
・http://mapsotyo419.blog65.fc2.com/blog-entry-153.html
・http://moon12.blog.so-net.ne.jp/2011-06-05
・http://najigo.blog31.fc2.com/blog-entry-491.html
・http://nextsociety.blog102.fc2.com/blog-entry-1454.html
・http://norarincasa.blog98.fc2.com/blog-entry-275.html
・http://nounein983.blog130.fc2.com/blog-entry-236.html
・http://oozoraxx.blog134.fc2.com/blog-entry-565.html
・http://rabiko.blog13.fc2.com/blog-entry-2522.html
・http://reilove.blog51.fc2.com/blog-entry-4990.html
・http://ren.anime-japan.net/Entry/1055/
・http://sagaturedure.blog31.fc2.com/blog-entry-4839.html
・http://sakanouenokumo819.blog46.fc2.com/blog-entry-741.html
・http://scriptor.blog54.fc2.com/blog-entry-886.html
・http://seraraku2.blog59.fc2.com/blog-entry-5729.html
・http://shino134.blog22.fc2.com/blog-entry-1504.html
・http://shirokuro585.blog109.fc2.com/blog-entry-692.html
・http://shirousausa.blog106.fc2.com/blog-entry-357.html
・http://spadea.jugem.jp/?eid=11109
・http://subcul.jugem.jp/?eid=2013
・http://takotakotakoyaki.blog52.fc2.com/blog-entry-3516.html
・http://tenmasanblog.blog112.fc2.com/blog-entry-1210.html
・http://tori-toki.at.webry.info/201106/article_4.html
・http://vnr2034.blog133.fc2.com/blog-entry-996.html
・http://wendykai.blog60.fc2.com/blog-entry-1439.html
・http://yasu92349.at.webry.info/201106/article_6.html
・http://yuima.blog6.fc2.com/blog-entry-1264.html
もしよろしければ、拍手ボタンをポチッと押して下さいm(_ _)m 管理人のモチベーションが上がります(ぉ
Web拍手に頂いたコメントは後日『雑記』にてお返事させていただきます。
- at 00:40
- [アニメ(放送終了):DOG DAYSシリーズ]
- TB(63) |
- CO(4)
- [Edit]
記事毎回楽しませて貰ってます。確かにレオンミシェリの感情は気になりますね。でも彼女の行動によってミルヒの領主としての覚悟が固まり、星詠みの結果を覆す一因になったのなら少しは報われたかと。
シンクは痛いのや怖いのよりも、期待に応えられないほうが、悲しい想いをさせるほうが辛いという理由で頑張りましたが、普通の人はどっちも怖いと身動きが取れなくなるものだと思います。
そこで躊躇わず行動に移せるからこその勇者・物語の主人公なんですよね。観ていて気分がいいです。
そして今週のユッキー…。(´Д`)
土地神が狐様で先週の回想と似てるとか、「拙者らが先行して危険を排除して参る」とはなんだったのか!まさか来週以降活躍しないなんてないよね…?