GOSICK 第18話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[GOSICK(ゴシック)]
『漆黒の列車はいくつかの嘘を運ぶ』
≪あらすじ≫
崩落する「ベルゼブブの頭蓋」を後にし、水没寸前で汽車・マスカレイド号に乗り込み脱出を果たした一弥とヴィクトリカ。彼らと相席するのは、一弥が「ベルゼブブの頭蓋」に来る際にも出逢った少女と中年の女性、さらに髭を蓄えた屈強な男性と金髪の御曹司のような青年。
彼らは本名を名乗らず少女が《孤児》、女性が《かかし》、屈強な男性が《騎士》、青年が《木こり》を名乗る。それに倣い、ヴィクトリカは《灰色狼》、一弥は《その家来》を名乗ることに。
マスカレイド号で始まる仮面武道会。それはソヴュールのオカルト省と科学アカデミーの抗争で――
≪感想≫
『GOSICK』らしいと言えば、らしいのかもしれないが、せっかくの列車という密室状態での殺人事件を一瞬で解決してしまい、サスペンスというよりもアクションやキャラクターの魅力に重点を置く姿勢はヴィクトリカと一弥の二人の物語としてはとても面白い。
確かに推理作品としての側面を少なからず持つ本作にとって、そうしたせっかくのサスペンスの舞台を活かし切れなかったのは惜しいとは思う。だが、サスペンスとしての要素が本作にとって“主役”ではないことはもはや明白だろう。
原作作品がどうなのかは分からないが、少なくともアニメ版『GOSICK』はヴィクトリカと一弥の成長と友情と、そして愛情の物語。だから、アニメ版『GOSICK』にとってサスペンスとしての要素も、ミステリーとしての要素もそんな主役を際立たせ、鮮やかに飾るためのアクセントに過ぎないと言うわけだ。
(追記)
実際に今回の話、他の感想Blogを巡って見ると原作で一巻分ほどある部分を30分にしたらしく、事実上アニメオリジナルに近い内容であるらしい。そしてそのことを監督もtwiiter上でそのことを事前に通告していたようだ。原作一巻分を(アニメオリジナルに再構築したとはいえ)30分で消化するとか無茶だと思うが、長い目で観た時にここから先に時間をかけてアニメ版『GOSICK』として描きたいシーンがあるならそれでも良いかなと思う。
私は原作作品を知らないので、今のアニメ版『GOSICK』の在り方が原作に対してどういう立ち位置なのかは判断出来ないが、少なくとも原作に対して誠実な作りになっていそうだし、その上でアニメ版『GOSCIK』としてのスタンスを貫いているので良いのではと思っている。
(追記 ここまで)
そういう意味では、サスペンス要素(殺人事件の推理)やミステリー要素(“形見箱”という存在やその中身)という部分が誰の目から見ても脇役に収まり、主役二人がしっかりと活躍出来た今回は本作の良い意味の縮図として現れている回なのかもしれない。
◆そこはもはや鳥籠に非ず -帰るべき場所、聖マルグリット学園-
ヴィクトリカと一弥が協力して列車の脱線を防いだシーン。正直、この当時の拳銃の威力は知らないがあの線の細いヴィクトリカが片手打ちして反動ゼロというのは、非常に観ていて違和感があった(苦笑 ※拳銃の反動は私たちが思っているよりも重く衝撃的で、拳銃でも一定以上の火薬量が込められた大口径用の銃は片手で撃てば成人男性でも肩が外れると言われるほどのものもある)。
まぁ、その辺は演出の都合なので何とも言えないのだが、最後はヴィクトリカと一弥の共同作業(w 灰色狼として不可能はないと明言し、銃も決定的に不足している経験値を知識で全て補うと言う荒業はある意味ヴィクトリカらしい。(リアルでは経験値を知識で全て補うなんて不可能である。でも、そこはアニメという特異な媒体だからこそ出来た芸当だとも言える)
そして、そんなヴィクトリカの後ろから折り重なるように覆いかぶさった一弥。ヴィクトリカでは到底受け止めきれないであろう銃の反動を受けとめながら、ヴィクトリカが持つ銃がブレないよう力強く彼女を受けとめると言う姿勢そのものが大きな意味がある。
それは銃の発射という意味でもそうだし、二人の関係性という意味でもそうだろう。何だかんだでやっぱり全ての中心にはヴィクトリカがいる。出生も、その頭脳も、能力も、全てにおいて彼女は今や欧州の騒乱の中心におかれようとしている、と言っても過言ではない。そしてヴィクトリカもその状況にめげず前を必死で見つめ歩いていく。
そんなヴィクトリカの背中を守るのが一弥。本当ならヴィクトリカの前に立って盾として戦いたいのだろうが、やっぱりその頭脳が決定的な武器になる以上、実は物語としての前衛はヴィクトリカ以外に務まらない。だから、一弥はそんなヴィクトリカの背中を守る。不意打ちを受けないよう、前に歩き続ける彼女が疲れた時によりかかれるよう、いざという時に逃げ込める道を残すように。
ヴィクトリカにとってそうやって背中を守ってくれる一弥が居てくれる。おそらく傍にいてくれれば彼女にとってどこだってかまわないのだろうが、それでもやっぱり二人にとって聖マルグリット学園が帰るべき場所として扱われているところに、積み重ねられてきたモノを感じずにはいられない。
ヴィクトリカにとって聖マルグリット学園は自分を捕らえておくための鳥籠であり、一弥にとって聖マルグリット学園は家族から逃げ出した先の避難所でしかなかった。ヴィクトリカは学園には通わずほとんど独りぼっちで過ごし、一弥は「黒い死神」と恐れられアブリル以外では真っ当な友人すらいなさそう。だから、二人にとってずっと聖マルグリット学園はネガティヴな存在でしかなかった。
でも、今は違う。
ヴィクトリカにとっても一弥にとっても、ここまで積み重ね積み上げてきたモノがあるからこそ、二人で聖マルグリット学園に帰りたいと願う。二人が出逢い、知り合い、時に喧嘩をし、友情や愛情を育んだあの場所へ。
そうした流れが、古典的でご都合主義だと断ずるならそれでも良いだろう。でも、私にはそうしてバッサリと切り捨てるにはあまりに惜しいだけの、月日が劇中でしっかりと積み重ねられた結果だと思える。それこそ、これで無事に聖マルグリット学園に帰れたならそれで最終回にしても良いくらい(笑
二人にとって共通の帰れる場所、帰りたいと強く願える場所が出来たのはいろいろな意味で良かったなと切実に思える。
にしても、フリルたくさんのドレスも良いけどシックなメイド服も良いよね、ヴィクトリカ(笑
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- at 14:29
- [アニメ(放送終了):GOSICK-ゴシック-]
- TB(34) |
- CO(2)
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NoTitle
学園は一弥とヴィクトリカにとって鳥籠ではなく
帰るべき場所になったのですか。
この作品ミステリーはおまけで一弥とヴィクトリカの
絆や成長を描いているのですね。
メイド服のヴィクトリカ可愛かったです。
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