神のみぞ知るセカイII FLAG 2.0
『一挙落着』
≪あらすじ≫
強さを追い求める女子武道家・春日楠(かすが・くすのき)。彼女の中に入り込んだ駆け魂は、彼女の中にあるもう一つの感情――女らしく生きたい、と言う想いを具現化し、もう一人の彼女を生み出そうとしていた。
楠曰く「軟弱なこと」である女の子が喜びそうなデートをしながら、遂に桂馬は楠と楠の中にある女の子らしく生きたいと願う楠を分裂させることに成功した。春日流を潰したくないと言う楠の想いと、女の子らしくしたいと言う楠の想いのぶつかり合い。
そんな二人の戦いに、桂馬は「そもそも戦う必要なんてない」と一蹴する。彼が観たエンディングまでの道のりとは――
≪感想≫
何かを犠牲にするということは諦めるということ――桂馬の想い
割とテンプレ的というか、比較的誰しもが想像した展開で収まった春日楠編。結局のところ、楠が武道を極める自分と女の子らしくしたいと言う自分の二つを受け入れなければならないのは、おおよそ誰もが予想した通りだろう。
ドッペルゲンカー的に分裂した自分同士でぶつかり合う姿も、『自分自身と向き合う』ということをイメージさせるのに最適な演出だったと思う。
ならば、今回の見どころは「どう楠にそれを理解させるか」と言う過程であり、桂馬の戦略であり、桂馬の想いであったはずだ。
桂馬は楠を攻略(説得)するために割と混雑した説得をしたと思ってる。こう、統一感がないというか、「可愛くて強い武道家を目指せばいい」「猫を可愛がることは弱いことなのか(それは偏見じゃないのか)」「自分の限界を自分でつけるな」「結局、偉そうなこといって両立できないのか」etc...ってこう文字として羅列すると、やっぱり統一感がちょっと薄い感じがしない?
この統一感の無さは、ある意味無数のギャルゲーから「この場をなんとか攻略出来そうなセリフ」をチョイスして口にしているだけな感じがあって、桂馬らしいといえば桂馬らしい。が、一期の桂馬ならその辺りはもっと上手く立ち回っていた印象もあるので、そこがちょっと不満と言えば不満か。
だが、それでも外してはいけないところで外さないのはさすがだと思う。
セリフでいえば「偉そうなこと言って両立できないのか」が今回の肝だったと思っている。このセリフは相手に対する失望を示すもので、本来「師匠」と「弟子」の関係で楠の方が上だった立場がこのセリフ一つであっさり逆転する。もちろん、楠としては“桂馬ごとき”に上からモノを言われればカチンと来るわけだが、桂馬はそうした感情の起伏を利用して一気に攻略完了へ駒を進める辺り、桂馬らしいギャルゲーをベースにしているっぽさが出てて良かった。本音を言えば、そこで勉学とギャルゲーを両立させている自身を例に挙げてくれればもっと良かったのだが(苦笑
それはさて置き、桂馬が口にしたセリフはもちろん攻略が念頭に置かれているのだが、今回ばかりは彼の生きざまも入り混じっていた気がする。
何かを極めるには、何かを犠牲にしなくてはいけない。
武道を目指す楠にも、女の子らしい生きざまを目指す楠にも共通していた部分だ。おそらく、それに対して桂馬は例え攻略中であったとしても「否」を突き返すだろう。それを認めることは、桂馬にとって今の自分の否定に等しい。
桂馬は何かを極めるのに、何かを犠牲にしない……少なくとも自分の心だけは絶対に犠牲にしない。
ギャルゲーの道を極めるために、彼は勉学を犠牲にしなかった。
むしろ勉学ですらしっかりと高得点を叩き出す。
ギャルゲーの道を極めるために、彼は自分の命を犠牲にしなかった。
もちろん死にたくないと言うものあるだろうが、エルシィと駆け魂集めとギャルゲーを両立させている。
ギャルゲーの道を極めるために、彼はギャルゲーを犠牲にしなかった。
どれだけの数のギャルゲーが出ようが、彼は同時に攻略出来る数を増やすことで全てのギャルゲーを網羅した。
ギャルゲーの道を極めるために、彼は自分の心を犠牲にしなかった。
周囲に何を言われどう評価されても、自分がギャルゲーを愛していると言う心を見捨てなかった。
彼は道を極めるために何かを犠牲にしないし、犠牲を出すことを良しとはしてこなかった。しかし、頑張ってはいるものの残念過ぎる体力や人間関係(特に教師を中心に)を犠牲にしてしまった。それでも彼が最後まで絶対に捨てずに持ち続けたのは心であり、それがきっと最も大切な部分なのだろう。
もしも楠が武道の道を極めようとしても女の子らしくしたいという自分の心を無視する限り、楠は幾ら技を磨いても心までは極めることが出来ない。逆に、女の子らしく生きたとしても春日流を潰したくないと言う想いもまた楠の大切な想いだから、廃れ枯れ潰れていく道場を見るたびに彼女の心は悲鳴を上げ、その道もまた極められない。
春日流を潰したくないという楠の希望も、女の子らしく生きたいと願う楠も夢も、どちらも楠の心で、どちらも大切な願い。
そのどちらかを犠牲にするということはあってはならなず、どちらかを犠牲にしようとする限りどちらも極められない。「二兎を追う者一兎も得ず」ではないのだ、「二兎を追えない者一兎も得ず」なのだ。
それは、ギャルゲーと言う道を極めた達成者たる桂馬から贈る、これから道を極めようとする挑戦者である楠への最大限のアドバイスだったと思う。何かを極めるということは、その“何か”を心の底から愛せること。「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったものだと思う。つまり、そういうことなのだ。
そしてそれは同時に犠牲という精神の愚かさを語るものだろう。犠牲ありきという考えは、言いかえれば最初から犠牲を想定している諦めの精神に基づくとも言える。最初から諦めている者に可能性なんてない。桂馬が「自分で自分の限界を決めている」というのはそういうことだ。
さて、ここからはアニメではなく現実世界のことになるのだが…。
私たちは、大人になればなるほど「犠牲やむなし」な思考が多かれ少なかれ形成されてしまう。最小の犠牲で最大の救いや利益を生み出すことが、合理的で効率的だと知るからだ。だが、こうした桂馬の姿勢や言動を見ていると、そうした思考は合理的で効率的な反面、自分たちで自分たちの可能性を切り捨てているのだと思い知らされる。
もちろん、どの場面でも通用することではないのだろう。しかし、自分が打ち込める何かや大切にしたい何かくらいは、「犠牲ありき」の考え方ではなく犠牲なんて最初から考えずトコトン自分の可能性を信じ切り開いて、打ち込める何かや大切にしたい何かを極められるようになっても良いのではないだろうか?
桂馬「ギャルゲーは生きざまだ!」
エル「消防車は生きざまだヽ(≧▽≦)ノ」
桂馬「……オマエの生きざまはまだ何の役にも立ってないがな」
エル「そ、そんなぁ(´;ω;`)ウッ」
次回予告とはいえ、そんなことを全力で自信満々に言える桂馬が大好きです(笑 たくさんの女の子とキスする主人公の好感度がここまで高いのも異例。もちろん、「攻略後に記憶がリセットされる」「桂馬にとって恋愛感情が主体ではない」という要素が大きいのだろうけれど。
FLAG 3.0『地区長、来たる。』
いよいよお待たせの新キャラ・ハクア登場ですね。次回からはハクア編ってことで良いのかな。それにしてもセンサーが反応していたようにも見えただけど、まさか悪魔が駆け魂に入り込まれると言う、エルシィ以上のダメダメなドジッ娘なのか? あんまりそんな風には見えなかったけれど……。
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- at 02:54
- [アニメ(放送終了):神のみぞ知るセカイII]
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それでも口説き諭す神兄様は教師みたいですな