新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop キャラクター図鑑・タ行
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[新機動戦記ガンダムW]
文字通り、キャラクター図鑑・タ行です。ネタバレ、憶測などを含みますので、それを容認できる方のみ、先へお進み下さいませ。
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最終更新日:2015年07月05日
新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop キャラクター図鑑
太字がタイトル、()内は私の憶測である。
青字が最新更新部分である(初回は無効にしています)。
説明文では、『Frozen Teardrop』を本作、『ガンダムW TV版』を本編、『Endless Waltz』をOVAないしEWと記す。
-タ行-
-タ-
ダイゴ・オネゲル
不明-AC195。地球圏統一連合軍ルクセンブルク基地司令官。AC146年1月19日にサンクキングダム・反乱軍連合軍によって敗退した連合海軍第三艦隊司令官だったシェーシチ・オネゲルの子。トレーズの最古参の教え子であるエルヴ・オネゲルの父親にあたる。
かつてAC182年に軍を率いて完全平和主義を掲げたサンクキングダム王国へ侵攻。国王の死、王族の離散、何より王国の崩壊を招いた。息子のエルヴは「心底サンクキングダムを憎んでいた」と語っているが、彼は同じトレーズの教え子であり戦友でもあったゼクスの正体を決して父親であるダイゴには伝えなかったようである。
AC195年、OZが地球圏統一連合軍を武力を持って併合する際、ゼクス・マーキスと名を変えたピースクラフト王の実子ミリアルドがルクセンブルク基地へと侵攻、彼自身の手により復讐され死亡している。
-チ-
チック・パーガン
本編に登場したドーリアン家の執事。その後はサンクキングダム復興からリリーナがクィーンリリーナとしてロームフェラ財団代表となるまでの間、彼女の優秀な側近として働いていた。当初からリリーナ付きの執事であるという説もある。
性格は青年期から比較的温厚だった言われ、戦場でものんびりした口調で敵兵に投降を呼びかけるシーンがある。
AC146年5月には、《シャーウッドの森》に参加していた。当時は同組織の中では最も若い青年兵で実戦経験がなかったものの、射撃シミュレーションの腕は同組織で一番の成績であった。マルティクスは彼を高く評価しており、自らを平気で「小僧」と言うパーガンに「だから君はまだまだチック(ひよこ)なんだよ」と発破をかけた(このことから、もしかしたら「チック」の名は偽名の可能性もある)。
AC146年5月26日のレルネー湖での戦闘では、戦車隊の先頭車両を任されており、のんびりとした口調とは裏腹に《ジャック・オ・ランタン》の砲撃能力を「デモンストレーション」と称して披露し、連合陸軍兵士を誰ひとり殺さずに戦意喪失させた。時期は不明だが《ジャック・オ・ランタン》に乗っていた頃に重傷を負い、サンクキングダムのナノマシン治療を受けたこともある。
その後、サンクキングダム王となったマルティクスは彼を重用し、優秀な側近として傍に置いたとされる。マルティクスの息子であったミリアルドとは、彼が幼少期(サンクキングダムが健在の時)にフェンシングを教えていた回想シーンもあり、射撃能力だけでなく剣術にも長けていた節がある(TV本編)。
そんなサンクキングダム滅亡時に死亡したマルティクスの最期を看取ったのも彼であったとされる。
サンクキングダム滅亡後はドーリアン家へ亡命し、マルティクスの娘であるリリーナの側近として上記のように彼女がドーリアン姓を名乗っていた頃から、王国復興、再度の滅亡後まで側近として彼女を支え、財団代表クィーンリリーナの座をトレーズによって追われその座を失った時にも、密かに彼がリリーナを迎えに来たエピソードもある。
EWには登場していないため、TV本編以後の動向は不明だったが、AC197年4月7日におきた『「次の政府(エピオン・ド・テロス)」事件』の際には、ドーリアン家の執事長を務めており、リリーナとその母・マリーネを護り切ることを『最期のご奉公』と考えていたようで、命を賭して二人を逃がす決意を固めていたようだが、他にも人質がいたことでその案はリリーナに却下された。
ヒイロが加わってのテロリストでの戦いで前歯を数本折り負傷するも、リリーナが危篤の際には自ら過去にサンクキングダムのナノマシン治療を行ったことを明かし、リリーナを救うため自らの体内のナノマシンを提供した。
彼はカテリナに始まり、マルティクス、ミリアルド、リリーナとピースクラフト家の人々とサンクキングダムと言う国に振り回され続けた人生を歩んだと言っても過言ではないが、そんな人生を不幸だったと一度として口にしたことは無く、むしろ「充実した日々だった」と晩年語ったとされている。
張 五飛
AC180-存命(MC-0022時)
本編・EWに登場したシェンロンガンダム、アルトロンガンダム(ガンダムナタク)のガンダムパイロット。マリーメイア軍に従軍した後、サリィ・ポォに誘われて大統領直属部隊であるプリベンターに参加。そのまま本作では老師・張として登場する。
キャラクターの詳細や搭乗機についてはこちらを参照⇒張 五飛
-ツ-
ツバロフ・ビルモン
不明-AC195(享年不明)
OZに属している技術士官。
ヒイロ・ユイ暗殺事件後、モビルスーツ開発を行っていた科学者五人が逃亡した後、残されたトールギスを研究し、大幅にコストダウンした量産型の建造を任された一人。
AC176年8月、初期型陸戦用MSリーオーをロールアウトすると10月中旬には実戦配備。同時期に中距離支援・間接攻撃に特化させたトラゴスを開発し、年末までに量産出来る形とした。
しかしながら、担当していたマリウス・プラントで労働者に無理をさせて反乱を誘発させたとして、その後開発担当からはずされる。この左遷による苦渋と辛酸が、後のツバロフの根強い人間不信に陥り、その感覚と嫉妬、復讐という負の精神と執念で、人類にとって最も忌むべき無人兵器と呼ばれる『モビルドール』を開発することになる。
AC195年、長年の集大成とも言うべきモビルドールを完成させるとOZがその勢力図を一気に伸ばす足掛かりを作るが、同時にトレーズ派とデルマイユ(ロームフェラ)派の分断を招く。最後は、月面基地を強襲したホワイトファングに捕縛されるも、モビルドールを起動させ反撃を試みるが、同じく月面基地を強襲した張五飛のアルトロンガンダムの攻撃を受けて死亡している。
-テ-
テール・ヒコトリィ
VOYAGEの操舵手。階級は大尉。
ディズヌフ・ノイエンハイム
不明-MC-0021年FIRST WINTER(享年不明)
ノイエンハイム・コンツェルンの代表取締役社長であり、ルクレッツィア・ノインの年の離れた実兄。ヴァン・クシュリナーダが暗殺された病院にアストリアという愛していた人が入院しており、その爆発によって死亡。その時の憎悪が行動原理となっており、高重力である木星の劣悪環境タイプのアストロサイバネティックを使用、四肢は高性能・多機能な義肢へと改造しているほど。
もともとは父ノーヴェからトマス・カラントが開発した《P4》というソフトウェアの修復・改良、起動しろと命令されたところから彼の人生は大きく変わり始める。五十年近く前のソフトウェアだったため、いくら優秀なプログラマーたちでチームを組んでも作業は一向に進まず、それでも何とかプログラムの修復をしても起動は出来なかった。
その原因に高難度のパスワードが施されていること、そのパスワードの内容がピースクラフト家の人間とAI《サム》を用意した上で、設定された文言を打ち込まないといけないと分かると、彼はミリアルド・ピースクラフトが火星のエルヴ・オネゲルに預け隠匿した《ガンダムエピオン》をエルヴを殺害し強奪。自身の顔をミリアルド・ピースクラフトそっくりに整形し、《ガンダムエピオン》の《ZEROシステム》に残されていた彼の残留思念をダウンロードするなど常軌を逸した、狂気の沙汰ともとれる行動を繰り返した(ちなみに彼がミリアルド・ピースクラフトになりすましても、システムは起動しなかった)。
量子コンピュータ型AI《サム》がサンクキングダム城のマルティクス・ピースクラフト王の肖像画に隠されていると知り、『「次の政府(エピオン・ド・テロス)」事件』を起こし雇ったテロリストを動かす裏で、《サム》を回収。初期化されていた《サム》に対し六十時間以上の学習と対人コミュニケーションを行い復元を試みたが、その《サム》にも彼はピースクラフト家の人間だと認識されることはなく、リリーナに協力を要請したのである。
エピオン・ド・テロス事件の際には自ら専用のビルゴIII《アステリア》に乗って逃亡。ヒイロの乗る《キャンサー》と海上戦を繰り広げるが、機体性能差を覆すヒイロの技術と決意に押し負けて敗北。しかし、MDモードの《ビルゴIII》によって何とかその場から逃げだした模様である。
その後の経緯は不明だが、『PPP』を起動させた彼はいつの段階からか本物のミリアルドに代わって「ミリアルド・ピースクラフト」を名乗り、営利企業の社長ながら政治家(大統領)を兼任するという違法行為を続けていた。
ミリアルド曰く「リリーナは人質」であり、そのためノインを大統領府に護衛として置いているらしく、リリーナの冷凍冬眠装置を人質に取られ、その座と名前を求められた可能性もある。
実際にディズヌフは、火星連邦初代大統領になり済ました際に火星移住の条件とした予防注射の中に数個のナノマシンを混入。リリーナが死ぬと発動する『PPP』を逆手に取り、リリーナの入った冷凍冬眠カプセルを手元に置くことで「いつでもこれ(『PPP』)を作動させられる」という強迫で火星の完全支配を目論んでいたとされる。
MC-0021年FIRST WINTER、名無し(演説中に後のトロワ・フォボス)に暗殺される。
デキム・バートン
不明-AC196(享年不明)
バートン財団のトップとして各地で暗躍しており、AC187年4月18日にはアディンにヴァン・クシュリナーダ暗殺を直接依頼していた。
AC-188年にはアディンにセプテム暗殺を依頼していたが、実際には指導者ヒイロ・ユイを殺したアディンへの復讐という裏の目的のための依頼だったとも言われており、実際この依頼の際に負傷したアディンに自らとどめを刺している。
EWにも登場したバートン財団総帥であり、カーンズと共に真のオペレーションメテオの考案者の一人である。その財力にものを言わせ、かつてはアディン・ロウにも幾つか仕事を依頼していた節もある。マリーメイアの反乱の事実上の首謀者であり、最後は元トレーズ派の側近によって銃殺された。
デュオ・マックスウェル[1]
AC180-存命(MC0022時)
本編・EWに登場したガンダムのパイロット。本作の「ファザー・マックスウェル」。自らを『死神』と呼び、「逃げも隠れもするが、嘘は言わないデュオ・マックスウェル」とは彼の代表的なセリフの一つとなっている。
主に《ガンダムデスサイズ》、《ガンダムデスサイズヘル》のパイロットを務め、本作においては現役を引退しオブザーバー・アドバイサーを務める。
キャラクターの詳細や搭乗機については参照こちらを参照⇒デュオ・マックスウェル
デュオ・マックスウェル[2]
不明-存命(MC-0022年時)
ファザー・マックスウェルと共にプリベンター火星支局北極冠基地支局長室に姿を見せた少年で、“デュオ・マックスウェル”の名をファザーから継承したヤンチャで向う見ずな少年。敵対する勢力の中核人物の一人ナイナ・ピースクラフトと幼少期を共にし、浅からぬ縁を持ち、彼自身もナイナに固執する。
本作では『魔法使い(ワーロック)』の専任パイロットを務める。
キャラクターの詳細や搭乗機についてはこちらを参照⇒デュオ・マックスウェル
デルマイユ・カタロニア
不明-AC195(享年不明)
ロームフェラ財団の有力者。財団代表を務めたサンカントの娘と彼の息子が政略結婚したことからも、どれほど有力な家系だったかは伺える。
トレーズの叔父、ドロシーの祖父にあたる。
本編にも登場。登場時はロームフェラ財団総裁代行で公爵。影で財団と、財団と繋がるOZを巧みに操っていたが、リリーナ・ピースクラフトを財団に取り込んだところで、リリーナが和平派の貴族たちを逆に取り込んでしまうという誤算が生じる。
財団の実権をリリーナたち和平派に奪われて失脚後、再起を図るためにOZ宇宙軍との合流を目指すが、その途中でホワイトファングの襲撃を受けて死亡する。
-ト-
ドクターJ
《トールギス》や《ウイングガンダムゼロ》、《ウイングガンダム》を開発した天才科学者の一人。詳細はジェイ・ヌルを参照のこと。
詳細はこちら⇒ジェイ・ヌル
ドクトルS
不明-AC195?
《トールギス》や《ウイングガンダムゼロ》、《ガンダムヘビーアームズ》を開発した天才科学者の一人。「S」は以前から名乗っていた「ソルシエール」の略称である可能性が高い。
出自は不明だが、AC146年春(5月前後)に反乱軍の火器管制システムのエンジニアをしていた経緯から《シャーウッドの森》に参加している。
当時はロングヘアーの白衣姿の痩身の美女の女装をしていた。カテリナが本人から打ち明けられるまで本当に女性だと思っていたことから、もともとかなりの美形で一見すると女性に見えるほどの細見の体躯だったことが伺える。
また、AC146年当時は「ソルシエール」を名乗っており、周囲にもそう呼ばせていた。「ソルシエール」にどんな意味を込めていたかは不明だが、フランス語で『魔女』の意味があり、彼は「深い意味は無い。単に《天才》だと思って下されば結構」と名前の意味を語っている。ただAC187年にはその女装趣味を「飽きたから」という理由で辞めている。
技術者としては非常に優秀で、ありものの兵装で《シャーウッドの森》の防衛システムを完成させ、若いにも関わらず部下への指示も的確で無駄がなく上手かったとされ、さらにわずか一カ月で独自の新型大型重戦車《ジャック・オ・ランタン》を五台完成させたが、上記のようにやっぱりのちのドクターJやプロフェッサーG同様に変人である。
その後の動向は不明だが、《トールギス》開発中に指導者ヒイロ・ユイ暗殺されると連合軍を逃亡。ヒイロ・ユイ暗殺に反発すると同時に《トールギス》を超えるさらなるMS開発に取り組み、《ウイングガンダムゼロ》を設計するが、当時の技術では建造が不可能だったことと危険性が高過ぎるとして封印。その後、反乱軍の下で《プロトゼロ》に次ぐ試作一号機の一つ《プロメテウス(原型機)》の開発に携わったのち、L3コロニー群のバートン財団に身を寄せ、《ガンダムヘビーアームズ》を開発することになる。
本編には《ガンダムヘビーアームズ》の開発が終わり、AC195年にオペレーションメテオを実行する段階から登場。《トールギス》《ウイングガンダムゼロ》《ガンダムヘビーアームズ》を開発し、《ヴァイエイト》《メリクリウス》《リーブラ》の設計開発も行った。
オペレーション・メテオに際し、ガンダム開発のパトロンであったバートン一族のトロワ・バートンをガンダムパイロットに決めていたが、コロニーを地球に落とすと言うオペレーション・メテオに反発。地球に妻子がいる彼の部下がトロワ・バートンを殺害してしまうが、その場面を目撃した当時名無しの整備士の進言を承諾し彼に「トロワ・バートン」を名乗らせ、建造した《ガンダムヘビーアームズ》と共に地球へ降下させた。
しかし、OZに居場所を察知されると捕獲され、その後はOZに捕らわれながらMSや戦艦の建造を手伝わされる。《ガンダムデスサイズヘル》《アルトロンガンダム》へのバージョンアップでOZへの反抗を試みるも、OZ月面基地を掌握したホワイトファングに今度は捕えられてしまう。そこで《リーブラ》の開発や《ヴァイエイト》《メリクリウス》のMD化を手伝わされるが、逆に《リーブラ》の主砲やモビルドールシステムに大きな欠陥を意図的に残すといった抵抗も見せた。
最後はEVE WARSの際にデュオ・マックスウェルの手を借り、地球への落下軌道を取り始めた《リーブラ》を《ピースミリオン》の動力を暴走させることで回避させるため乗り込む。カーンズの妨害を受けるも見事成功したが、暴走の際の爆発に巻き込まれた。その後の生死は不明。
ドクトルT
ドクトル・トリトン。その正体は、かつてガンダムヘビーアームズ、ヘビーアームズ改のガンダムパイロットを務めていたコードネーム・トロワ・バートンを名乗った人物である。
劇中では、『プロメテウス』と『シェヘラザード』の開発・製造をしているらしく、その一方でデュオやカトルのように自らの後継者を選出していた。
キャラクターの詳細や搭乗機については参照こちらを参照⇒トロワ・バートン
トマス・カラント
不明-AC145年冬(10月下旬)
ヒイロ・ユイ、ジェイ・ヌルと同じカレッジに通っていた友人。後のカーンズの兄である。
ジェイ・ヌルと同じチームを組んでいたようで、直近の研究課題は『量子コンピュータで遺伝的アルゴリズムを拡張した初期プログラムの開発』だったようだ。その中で『周囲の状況を即座に判断して高速演算処理する』人工知能(後のZEROシステム)の完成を目指しており、この名を付けたのも彼である。
(厳密に言えばこの時のZEROシステムは、AC195年に歴史の表舞台に出て来る、『パイロットに勝利を見せるシステム』であるZEROシステムとは、微妙に異なるものと思われる)
また『P4(プロトタイプ・パーフェクト・ピース・プログラム)』を完成直前にこぎつけており、その後のMC歴で登場する『PPP(パーフェクト・ピース・プログラム)』は大本をたどれば彼が作ったプログラムであると思われる。
しかし、ヒイロも参加していた学生運動の集会直後、連合の特殊工作員による時限爆弾に巻き込まれ、腹部を深く抉られてしまい、出血多量で死亡した。
トラント・クラーク
不明-AC195(享年不明)。
リーオーおよびエアリーズを設計・開発したセイス・クラークの末弟。OZの技術特尉(AC195年時)。
AC195年、カトル・ラバーバ・ウィナーが暴走して造り上げた『ZERO』システム搭載のウイングガンダムゼロに異常な執着を見せた。生死不明だが、コミック版では死亡が確定しており、『ZERO』システムによって精神が破壊されて死亡したものと思われる。
トレーズ・クシュリナーダ
AC171-AC195(享年24歳)。ミルの推察では左利きだったようである。
プリベンターの記録には以下のように記されている人物である。
『ロームフェラ財団の幹部にして、秘密結社OZを統括する若き総帥。
祖父はロームフェラ財団総帥であり、生まれながらのエリートであった。更に強大なカリスマ性と卓越した政治手腕で多くの支持者・信奉者を集める。
すべての行動は、独自の哲学と美学に裏付けされており、レディ・アンやトレーズ派と名乗る部下からの信頼は絶大であった。
また、戦争に対する罪の意識も高く、今回の戦争で散っていった人間の数と名前をすべて記憶していた。
OZの連合へのクーデター後、ロームフェラ財団の方針に公然と異を唱えた為、一度は失脚、反逆者として幽閉されるが、デルマイユ侯爵の死後、再び、OZ総帥へ返り咲いた。
その後、世界統一国家のクィーン・リリーナから元首の地位を引き継ぎ、コロニー革命組織のホワイトファング代表となった身リアルド・ピースクラフトとの全面戦争を開始した。
EVE WARSにおいて決闘と言う形で巨大戦艦リーブラに決着を挑むが、身リアル度はこれを拒絶して主砲を発射。結果、人類史上最大のMS同士の宇宙戦がトレーズの号令によって開始された。
戦闘は混戦状態となり、トレーズに対して、最終的に相手をしたのはガンダム05のパイロットであり、そこで激戦の末、敗北し、命を落とした』
以上が、プリベンターの歴史上残るトレーズ・クシュリナーダと言う人物像である。
彼の両親はコロニーの伝説的指導者であるヒイロ・ユイの甥であるアイン・ユイとロームフェラ財団元代表サンカント・クシュリナーダの娘であるアンジェリーナ・クシュリナーダで、彼らの一人息子として生を受ける。二歳違いの異父弟にヴァン・クシュリナーダがおり、トレーズも周囲もヴァンがロームフェラ財団とクシュリナーダ家を継ぐと思っていた。
トレーズ最初の記憶は母親と異父弟とのスカンナディヴァ半島への旅行とされ、その日はちょうど、指導者ヒイロ・ユイと父アイン・ユイが暗殺された日であった。感受性が高く、母の悲しみを感じ取り、この時人生で最初で最後の涙を流したとされる。
少年期から成績優秀、フェンシング・馬術などスポーツ万能、リーダーシップに優れていた。
12歳の時、地球圏統一連合軍士官学校に入学。士官学校においても首席。そこでキーリア・カタロニア大佐に目をかけられ、最新のモビルスーツの操縦や戦略・戦術論を熱心に教えられており、以後のOZ総帥での基盤となる。
キーリアの授業の一環でコルシカ基地で『トールギス』を目撃。そこで技術指導員として残っていたハワードにトールギスと言う機体が「たった一機で数千の敵を相手にするものだ」と教えられ、そこでトレーズの英雄に対する強い思考は発現したと言われる。
トールギスを目にしたトレーズは「戦場に必要なのは機能不全になりがちな大部隊の兵士たちではなく、たった一人の英雄でいい」と結論付け、トールギスを「理想的な兵器」と評し、ハワードに「いずれ自分がトールギスに搭乗したい」と告げた。その時のやり取りがきっかけで、迷彩色だったトールギスは光り輝くような白い塗装が施されることとなった。
本編劇中で、トレーズは初めてトールギスを観たような言動があったが、それは隣にいたレディ・アン特佐がOZの全てを理解しておらず、そんな彼女に本当の心を見せなかったと言われる。士官学校から本音を隠す姿勢は一貫され、唯一心を開いていたのはキーリアの娘ドロシー・カタロニアだけだったとも言われる。
後にトレーズはキーリアとの出逢いで得た知識とハワードとの出逢いで得た感性でモビルスーツ部隊スペシャルズを結成、オペレーション・ディブレイクと言うクーデターにおいてたった数日間で地球圏統一連合軍の支配権を奪い取るなど、歴史的偉業とも言うべきモビルスーツの戦略的活用法を見い出し、確立させた。
彼の提唱したリーオー・トラゴス・エアリーズの三機編隊による基本戦闘システムは多大な戦果を挙げ、その後も対MS戦を想定した戦術運用やその理論を次々と提唱、アップデートし続けた。トレーズが戦争の天才と言われた所以として、この二律背判する旧態化した戦争概念と近代戦争のシステマチックな理論を併せたことにあるとも言われる。
AC186年、モガディシオ攻略戦をヴァンから任されて精鋭五人を選抜し自らも加えた六人で出撃。ゼクスと共に先陣を切るエアリーズに搭乗し、索敵による敵主要施設の情報送信と奇襲・撹乱と言う危険な役目を自ら負った。全ての機体を白く塗装したこと、対レーダー用チャフをしようしないなど、戦争に対して騎士道精神を持ち込む姿勢はこの頃からあった。
この作戦後、トレーズはゼクスに対してその正体を看破していることを告白し、彼を以後友達と呼び続けた。トレーズはゼクス(ミリアルド)を同志のように捉えたのかもしれないが、この時からトレーズとゼクスの方向性は全く違っていたとも言われる。
モガディシオ攻略戦の功績、その後に次々と提唱されるMS運用理論などが評価されクシュリナーダ家の兄弟は高く評価されていく。
AC186年夏、マリウス・プラントにおける第一次月面戦争にスペシャルズを率いてグレイフで参加することになり、当時さしものトレーズも死を覚悟していた。部下たちには、すでに戦略的に敗北が決まっている状態であることを伝えることで、月面での初戦闘に対する緊張感を緩和して見せた。
反乱軍を率いるアルテミスとの駆け引きの中で、自身を意識するアルテミスを知ってか知らずか、トレーズはアルテミスを意識せずに自分の部下を最大限に信頼し、作戦に臨む。その成果に「良い生徒に恵まれた」と口にしており、いかにトレーズがゼクスらスペシャルズの部下を信頼していたかが窺い知れる。また、この戦闘における勝利が、トレーズをOZにおける絶対的なカリスマ性を持つ存在として決定的に確立された。
第一次月面戦争の鎮圧に成功した後、義父フンデルト、母アンジェリーナと相次いで再会しているものの、フンデルトはもちろんアンジェリーナにも関心は特に示さず、逆にアンジェリーナに「ヴァンをもっと見てあげてください」と口にするほどであった。また、母の介護をしていた男性介護士に対してもヴァンに代わって謝罪し、ヴァンを窘めるなどの面も見せている。
AC187年にはゼクスからパスワードが解除された『ZEROシステム』の起動ボックスユニットを託されたが、彼自身はこんなものよりもゼクスらに帰ってきて欲しいと願っていた。
アルテミスらによるバルジ奇襲の際には自らを囮にし、自分ごとヴァンに反乱軍をバルジ砲で撃たせたものの、トレーズのみノインら最古参の教え子に助けられる。結果として、ヴァンは兄こそ手にかけなかったが20機のグライフごと20人の命を一瞬にして奪ってしまい、それがヴァンをより冷徹にさせてしまったと嘆く。
これまでどんな作戦であってもトレーズ自身は死者一人出さない戦いを続けていたものの、ヴァンの冷徹さが彼と母の爆弾テロを引き起こし、それを引き起こした原因は自分だと責め、以後トレーズは自分の手を血で穢すことを躊躇わなくなった。
AC193年OZ総帥になるまで歴史の表舞台に立つことを拒んでいたといい、それまでの間ずっと一教官であったという。そしてOZ総帥就任後、彼は彼のために尊い命を奪われてしまった人々の名前を心に深く刻み続けた。
彼はこの時から、「支配という抑圧しか残さぬ惨めな勝利者」になるよりも「美しくも己に厳しい栄光ある敗者」になることを望んでいたのではないかとも言われるが、その真意は不明。
晩年、モビルスーツ開発・発展にも力を注ぎ、後にトールギスの後継機であるトールギスII、トールギIII、そしてハワードが話した設計思想を完全に再現した史上最強の機体ガンダムエピオンを設計から製造、完成させ世に送り出す偉業も合わせて成し遂げている。
本作においては、AC195 SUMMERに記した彼の書面データファイルが、オペレーション・ミュートス発動のカギの一つとなる。
ドロシー・T・カタロニア(ドロシー・カタロニア)
AC180-存命(MC-0022時)
地球圏統一国家大統領。『ネオ・チタニュウムの女』と渾名される。水面下で第二代火星連邦政府大統領となったリリーナからヒイロの覚醒とヒイロを自分に協力させるようにと打診を受けていた。それを肯定するためか、否定するためかは不明だが、結果としてプリベンターに命じてオペレーション・ミュートスを発動させる。
(ガンダムW本編に、ドロシー・カタロニアの名で登場した。ロームフェラ財団の元代表孫娘。その地位を考えれば、大統領になっていてもおかしくなく、やはり同一人物か?)
旧名はおそらくドロシー・カタロニアと思われる(以下、ドロシー・カタロニアとしての記述)。
ドロシー・カタロニアはロームフェラ財団の変わり者キーリア・カタロニア大佐の一人娘。
二歳の時、トレーズと遠い親戚筋にあったこともあって、良く士官学校に遊びに来ていた彼女はトレーズと知り合いになっている。幼少期から利発な子で、笑顔に特徴があったと言われ、「トレーズさまの、オヨメさんになってあげる」と口にしていた。ドロシーは、トレーズのことを兄のように慕い、トレーズもまた、ドロシーのことを本当の妹のように可愛がっていた。
六歳の時、バルジの完成パーティに出席。そこで、後のヒイロ・ユイとなる少年と偶然出会っている(ただし一瞬であったため、双方覚えていないと言われる)。
AC195年、ミリアルドを追うようにしてホワイトファング副司令官になっていたことが本作にて明言された。
AC196年、マリーメイア事変の際には一般市民に発破をかけ、平和への意思を呼び覚ました彼らをチャーターしてきた大型トラックに乗せてブリュッセル大統領府へと移送し、この先の平和への足がかりを作ったともいえる。
AC197年4月7日から始まっていたリリーナの誕生日会に出席していたため、『「次の政府(エピオン・ド・テロス)」事件』に巻き込まれ、人質となった。AC197年に人質にとられた際には、レディ・アンが外部と通信するため、自分たちを見張るテロリストたちを前に人質全員で自害するようを促す演説をして注意を惹き付けるなど活躍し、高い話術や論述能力を見せつけた。
ドロシーと同じ思考を持つとされるAIドロシーの考えでは、リリーナ・ピースクラフトは早々に討たれることで平和に殉じて火星圏の完全平和の希望を残しつつ、早期に戦争が終結することで火星圏だけではなく数十年かけてせっかく衰退させた地球圏の軍需産業を再起させないことを目論んでいるらしいが、AIドロシーがAIゼクスのZEROシステムによってプログラムを意図的に改ざんされていないとは言えないため、本当に同一の考えを本物のドロシーが持っているかは不明。
また囚われたリリーナの前に姿を見せたAIドロシーは、リリーナの完全平和主義があまりに未熟である上に甘い考えで敵と和解出来ると本気で信じている彼女を痛烈に非難した。
トロワ・バートン
AC180前後-存命(MC-0022時)
本編・EWに登場した《ガンダムヘビーアームズ》《ガンダムヘビーアームズ改》のガンダムパイロット。MC-0014年頃に火星へ移住。当初は地球圏にいた時同様サーカスをしていたが、火星圏にマーズスーツが配備されるようになるとその現状を憂い、“ボランティア”と称してマーズスーツへの対抗手段を模索。W教授を名乗るカトル、老師張となった五飛と共にドクトルTを名乗り、現役を引退するとMS開発や後進の育成に尽力している。
キャラクターの詳細や搭乗機については参照こちらを参照⇒トロワ・バートン
トロワ・フォボス
不明-存命(MC-0022年時)
新たに開発されたMSを任されることになった名無しの少年。年齢、出身などは一切不明。その経歴や生い立ちなどから、かつてのトロワ・バートンにそっくりであり、そう言うこともあってドクトルT(トロワ・バートン)は自らの後継者に彼を指名した。
キャラクターの詳細や搭乗機については参照こちらを参照⇒トロワ・フォボス
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