Rio Rainbow Gate! 第9話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Rio Rainbow Gate!]
『ジョーカー』
≪あらすじ≫
リナとのゲートバトルに敗れたリオ。スカイリゾートこそ手中に残ったものの、事実上そこに軟禁される旧ハワードリゾートのメンバー。代わってカルティアの組織がハワードリゾートを乗っ取って営業を再開する。
ディーラーも、スタッフも、そしてお客様もいないカジノホールで一人、メンテナンスをするリオ。なんとかリオを元気づけようとミントも頑張るのだが……
一方、カルティアの手によってリニューアルしたカジノだったが、そこの客たちはしきりに“勝利の女神”を求める。かつてリオに負けたエルビスとオーリンもそれは同様で、彼らは再びリオに勝負を挑む。
その頃、禁断の14番目“切り札”の存在がリオへと近づく――
≪感想≫
“切り札”
ゲートというカードは、トランプを模して造られている。それならA(エース)から2~10、J、Q、Kの13枚で良い。一人の人間が複数枚持つことが可能ならなおのこと奇数の方が都合が良い場合もある。
それでも敢えて造られた“切り札(ジョーカー)”。その持ち主と思われるピエロは、一瞬で街全体の世界を自らのロールルーラーで塗り替えるほどの圧倒的な実力差を見せつけてきた。その真意…を考えても良いのだが、それは来週のネタなので来週までとっておこう(笑
さて、ジョーカー(“切り札”)という今回のサブタイ。
リナにとって“切り札”は、自分とリオが異父姉妹である事実による精神攻撃。
カルティアにとって“切り札”は、リナという存在と仲間想いのリオの心情を逆手に取ったGM職の提案。
ハワードにとって“切り札”は、緊急用の電源遮断システム。
それぞれ“切り札”が有効に働いたケースと働かなかったケースがあるが、では「リオの“切り札”とは何だったのだろう?」と思う。
今回、視聴していて(リオの心情に憑依したつもりではなかったのだが)とても空虚な気分でこの作品を観ていた。こう、気持ちがスカスカの状態で「どうしてだろうか」と考えると、自然と隅々に描写された「負けたリオ」とその結果として映し出される閑散としたカジノの空気を敏感に感じ取っていたのだと思った。
“切り札”はある意味諸刃の剣だ。それが“切り札”である以上、それが通用しなかった時に窮地に陥ってしまうし、何より“切り札”は最終的なその人の心の拠り所だ。
リナにとって「リオと異父姉妹」という事実は“切り札”であると同時に、彼女がリオやリサに復讐するための原動力になった心の支え。ゲートを集めた先の『虹』を求めるカルティアにとって「リナの存在」は自らがディーラーではない分だけ必要不可欠であり、ある種の拠り所(もっともカルティアは拠り所を一つにせず分散させようとリオ自身を狙っているのだろうが)。ハワードに関しては言うまでもなく、“切り札”が通用しなかった時の無様さは言うまでもない。
そこで思い返した時「リオにとって“切り札”=心の拠り所」は何だっただろうか、と思い至った。前回記述したように、リオの精神はとても脆弱だ。勝負に負け、カジノという場とディーラーという役目を失ったリオの空虚さは語るまでもない。
同僚たちの励ましも、宿敵(?)との勝負も、カルティアも、リナの存在を前にしてすらリオの空虚さは変わらなかった。ハワードリゾートやゲート、そして親友リナの存在がリオにとって本当の心の拠り所だとすれば、この空虚さは逆におかしい。本当にそれらの存在がリオにとって拠り所だったとするなら、リオは二度と勝負の場には立てない――それこそ、拠り所としたものをガムシャラに取り戻したり、リナのように拠り所を奪った相手に復讐するくらいの憎悪の心にでも身を預けない限りは。
リオが本当に心の拠り所にしていたもの――それはきっと仲間でも、宿敵でも、憎い相手でも、幼なじみでも、母親でもない。彼女が心の拠り所としていた、彼女だけが持っていた“切り札”はきっと「お客様の笑顔」。宿敵はもちろん、客の中にも勝利の女神であるリオを求めている人が大勢いて、その笑顔の期待に応えるために彼女は自然とロールルーラーを使いこなし、勝利を呼び込む女神として君臨していたに違いない。
母が凄腕のディーラーだったから、というのも理由だろうが、そもそも「リサと同じ枚数が良いからわざと負けた」過去を持つリオがディーラーの道を選んだのか? 勝負である以上、そこに勝利があれば敗北もある。勝利だけならともかく、敗北を時として告げなければならないディーラーという職業を、それでもリオが選んだのは、あの眩く輝いているお客様の笑顔があったからではないだろうか。
そう考えれば、リオがリナに勝てないのは必然だったのかもしれない。
リオは私闘をしない。リオはいつだって「お客様がお望みならば」と勝負をしてきた。だが、リナとの勝負は「お客様の希望」ではなく「自分の願望(=私闘)」で戦っていた。それは本来のリオの精神からは大きく逸脱した戦いであり、彼女が本当に心の拠り所にしていた“切り札”である「お客様のため」という部分が一切ない状態。精神的に不安定で疲労困憊の状態でもあったが、自分がディーラーでいる根幹の理由を見失ったリオにはかなり勝率の低い戦いだったのだろう。
そういえば、復讐を果たしたリナ。リナは自分がカルティアに利用されていることを百も承知で、自分もリオからゲートを奪うために(奪うことで親子の絆を断つために)カルティアを利用していた構図だろう。
復讐を遂げた彼女は、笑うこともなければ、泣くこともない。「復讐の先には何もない」とはマンガやラノベで使い古された常套句の一つであるが、まさしくそんな具合である。リナの復讐の先に何もないことは目に見えていたのだから、ある意味必然か。それでもリナは、そうすることを望んだのだ。
その憎悪と復讐の心こそがリナにとっての“切り札”であり、心の拠り所。おそらく物語としてはリナとの再戦がクライマックスになりそうな予感もあるが、その時一度復讐を果たしてしまったリナの精神状態は、果たしてリオを超えられるのだろうか?
今回はカルティアとのやり取りのみだったリナ。そこからすべてを読み取るのは難しい。リオの話を拒んだシーンを私は「復讐の果ての虚脱・空虚感(復讐を果たしたキャラの心情を考えればごく普通の反応)」だと考えているが、人によっては「(前回コメントもいただいたが)リナがリオに対して憎悪以外の感情を持っていた」とも取るだろう(その場合は「リオが悪くないって解ってた。でも、それでも母様を失った私は誰かを恨まなくちゃ生きていけなかった」みたいな展開になるだろう)。
リナに関してはリオとは真逆で今後の能力のほうが心配である。さすがにリオがそこまで見抜いてすれ違うシーンであの言葉をかけたとは考えづらいが、実はちゃっかり的を射ているのだからそこはリサ・ロリンズの娘なのかもしれない。
(余談だがこのシーンで立ち止った状態からリオから歩き出し、すれ違いざまに言葉を残す展開を見てリオのリナへの依存度が想定よりも低く感じ、そこから上記の記事が出来上がった)。
次回予告を視聴していない、あるいはNGにしている方は予告をネタにして申し訳ない。
次回予告でジョーカーとの戦いで涙するリオ。はたして彼女はどうして涙を流したのか? その涙の先に、リナの復讐心を救い乗り越えて行けるだけの“答え”がどんな形で待っているのか、本当に来週こそ楽しみにしていたいと思う。
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- [アニメ(放送終了):Rio Rainbow Gate!]
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