Rio Rainbow Gate! 第8話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Rio Rainbow Gate!]
『エース』
≪あらすじ≫
カルティアが用意した三人目のゲートホルダー・キング。イカサマ使いのその男を、リオは一瞬で勝利を収め、リナの解放を求める。しかし、勝負が終わった時、そこにリナの姿はなかった。
総動員でリナを捜す中、度重なるゲートバトルの連戦で消耗し切ったリオだったが、それでも彼女を捜すため一人行動を開始する。
スカイリゾート内部の礼拝堂。そこで待っていたのはカルティアと、そしてカルティアが用意したエース・リナ。
だが、そこでリナはリオに敵意を剥き出しにし、自分が知り得た真実を口にする。それはリオとリナが母親違いの姉妹であることであり、リオの母・リサがリナの母から父親を奪ったと言うものだった。その真偽を確かめる暇すらなく、リナはリオに最後のゲートバトルを挑む――
≪感想≫
リオの脆弱さと利己的な側面
天性の才能と持ち前の明るさでディーラーとして、またこの物語の主人公兼ヒロインとして勝利を収めて来たリオの敗北。そこには彼女の心の脆弱さが改めて露呈することとなった。
リナは良くも悪くも、復讐心と言う他者に影響されない強い心で自立している。もし、この心を折って膝をつかせるならば、それこそ「(この手の物語にありがちな)リサは浮気なんてしておらず、それはカルティアが巧妙に吐いた嘘だった」という展開にでもならないと無理だろう。
だが、リオは自分の心の自立に必要以上に他者を依存する。それは、リナであり、母であるリサだ。ゲートバトルで疲労し安静を言われながら、危ういほどにリナを求める姿は、リナの身を案じると言うよりもリナと言う心の支えがなければ立てないほど脆弱な心を露呈した。またリナとのゲートバトルでリナのロールルーラーに呑み込まれたリオが最後に口にしたのは、母(リサ)に助けを求めるものであった。
もちろん人は独りでは生きていけないだろうし、ある程度の個人差があれど、人は他人を頼って、時に依存して生きている。だが、自分が立つため、あまりに必要以上に他者を必要とするリオ。だからこそ、彼女は他人に甘いと言われそうになるほど優しいのだ。幼い日、彼女がリナとの勝負にわざと負けて賞品のクッキーの数を同じにしたことも、実はリナのことを慮ったのではなく、先天的に独りでは立てない彼女が自分にとって都合のいい友人関係を維持するために行った利己的で保身に走った行動だったに違いない。
それを証明するかのように、リオが最後に口にしたのはリナの心配ではなく、この場にはいない母・リサへ助けを求める言葉だった。あそこで最後までリナを慮れるならまた違う印象を抱いたのかもしれない。しかし、最後の最後で口にしたのは、今の仲間でも、目をかけていた後輩でも、そして自分の身を二の次にしてでも救おうとしていたリナでもないのだ。最後に彼女が求めたのは、何年も音信不通の(きっと自分に味方してくれると信じている)母の名なのはあまりにも虚しい。
そこにリオと言うキャラクターの心の脆弱さと利己的な側面が見える。
今のリオには説得出来る要素がない?
利己的なリオ。今の彼女にリナを説得するための“カード”は一枚も持ち得ない。
この手の展開では、ライバルは過去に囚われていて、未来を向いている主人公が「過去に囚われてはだめだ! ボクたちは現在(いま)を生きて、未来を創っていくんだ」みたいな前向きなセリフが、安直な説得材料となる。だが、そう口にしたくても他ならないリオがリナ以上に過去に囚われている。
前項で記述したようにここ数話、リオが気に駆けるのはリナとリサだけだ。幼なじみで数年間も離れていたリナ、今や音信不通のリサを、今自分の周りにいる同僚や後輩よりも重視する彼女に、果たして未来を語ることが出来るだろうか?その資格があると言えるだろうか?
リオは「リナの行方が分からないのに自分ひとり眠っていられない」と思って部屋を飛び出したのかもしれない。だが、それは裏を返せば「自分でなければリナは助けられない。上司も同僚も後輩も信頼出来ない」と言う現れだ。
もし、リオにとってリナが特別で、それこそ勝敗にかかわらずリナを想い遣れればまた違うのかもしれないが、これまた前述のようにリオは倒れる瞬間にリナではなく母の名を口にするのだから、そう言う要素での説得も不可能となった(まぁ、物語としてゴリ押しするかもしれないが)。
B級っぽさを全開にするアニメらしく、終盤手前にしてリオは初めての敗北を喫した。この後、リナへの挑戦権を得る為、ゲート最後の一枚(?)になるであろう「ジョーカー」を彼女は手に入れ、その過程で彼女なりの“答え”を見い出すことでロールルーラーがパワーアップ。最後には、リオなりの“答え”でリナに打ち勝つのが、定石の展開となるのだろう。
前回の記事でも記載したが、圧倒的にリオに非があるようにここまで描かれているわけだ。そこからどうドンデン返しを決めるのかは、素直に楽しみにしていよう。
余談
結局、リナはリオよりも弱いってこと。
リナにとって「リオとその母リサへの復讐」という大きな目標のため、まずは単純にリオからゲートを奪うこと(それによるリサとの繋がりを絶つこと)が目的であり、目標のための手段。
そもそも一番復讐したいのはリサだろう。リサが本当に浮気をそそのかしたとしても、それでリオにまで復讐心が向けられるのはリオのせいではないし、怒りの矛先もリサよりは軽いはずだ。
だが、リナにとって問題はリサの行方がつかめないこと。それはリオにとっても同じことだが、これでは復讐は果たせない。果たせない復讐の代理人としてリオは本来矛先が軽かった(あるいは矛先すら向かない)存在から、リサの代わりとして強い復讐心を向けられることになった。
そんなリオへの復讐として妥当だったのが、自分+母親と父親がリサによって引き裂かれたように、今度はリオと母親の間をリナが引き裂くと言う結末。ゲートはリオとリサを繋ぐ唯一の手掛かりであり絆だから、それを奪うことでその絆を裂こうと考えていた。
だから、リナとカルティアはそれこそスカイリゾートの掌握、ゲートバトルの連戦による体力・精神力の消耗、幼なじみの立場を利用してリオの心に取り入るなどの作戦を用いてでも、ゲートを奪取しようとした。
と、リナの目的はゲートを奪取することで絆を引き裂くことなので、それでも良いかと思うかもしれないのだけど、この展開は見方を変えればリナが、「自分はリオよりも弱い」ことを暗に認めていると言うことだ。
もし、リナがリオよりも強い自信があるならばリナの心に付け入る必要も、ゲートバトルの連戦で体力・精神力を消耗させる必要もない。もっと正々堂々正面からぶつかり合えば良いだけだ。
それが出来なかった、と言うことはリナは自分がリオよりも劣ることを認めるに他ならない。あるいは、大見得を切ったカルティアも、実はリオの方がリナよりも強いことを認めている、と言うことだ。
リナには目標(リオ・リサへの復讐)があり、そのための目的(手段を兼ねる)が親子の絆を引き裂くことであり、そのための手段(方法)がゲートを奪うこと。
これは「目的のためには手段を選ばない」と言う常套手段ではあるが、そのせいでライバルキャラとしてはややインパクトが弱いな、やっぱり。
ロールルーラーも、リオとは対照的。リオがプラスでポジティヴで明るく描かれることに対して、リナはマイナスでネガティヴで暗く描かれることで復讐心を表しているのだろう。これで、リオによって改心したリナのロールルーラーがリオのように明るいものに代わるのであれば、安直ながら王道な描写になるのだろうな、と思った。
(2011/02/23 コメントを頂いてキャラ名の誤字修正含め一部加筆)
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- [アニメ(放送終了):Rio Rainbow Gate!]
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NoTitle
この文章以下、何箇所か「リナ」のはずが「リサ」になっていますよ。
リオとリナの見方については、私と一致するところがほとんどありませんが(苦笑)、特に、
>単純にリオからゲートを奪うこと(それによるリサとの繋がりを絶つこと)が目的
リナの目的が本当にこれ一色かは大いに疑問のあるところ。
現時点では、ゲートを奪うというよりは、
リオにとにかく復讐したい苦しめたいというのが目的であるというのがまだ自然な見方なような。
次回以降でリナの目的というのはさらに変節をとげそうな予感もしています。