GOSICK 第4話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[GOSICK(ゴシック)]
『金色の糸はつかのまを切り裂く』
≪あらすじ≫
「春に来る死神」と呼ばれてしまう久城一弥は、またしても殺人事件に巻き込まれ、さらにグレヴィールの安易な推理によって自身に殺人容疑がかかってしまう。何とか無実を証明しようと一弥が訪れたのは、「金色の妖精」と呼ばれる図書館最上階にいるヴィクトリカの下だった。
彼女の力を借りてあっさり嫌疑から逃れた一弥だったが、互いに意地を張ってしまい、少しだけ想いがすれ違ってしまう。
「仲直りをしなくちゃ」と思っていた矢先、一弥のクラスに新しい留学生アブリル・ブラッドリーが編入されてきた。彼女の片腕には、一弥がつい先日巻き込まれた殺人事件の容疑者を思わせる包帯が巻かれ、容疑者と同じ明るい金髪に目を奪われる。
留学生同士仲良くしたいと言う気持ちと、逮捕されたはずの先日の殺人事件の容疑者を思わせる要素に複雑な感情を抱く一弥の前で、今度はミイラ化した死体が現れて――
≪感想≫
グレヴィールの複雑な胸中と“灰色狼”とは
グレヴィールとヴィクトリカは腹違いの兄妹である。その関係と、グレヴィールの胸中は実に複雑であることが暗示されている。
グレヴィールは自分からヴィクトリカに話しかけることはない。一弥が来るまでどうしていたかは解らないが(おそらく1話のように、図書館最上階を訪れては“独りごと”の建前で話していたのだろうが)、一弥が来てからは一弥に話しかける体裁で、ヴィクトリカの助言を得ている。
直接話しかけることがないのは、やはり“灰色狼”と言うキーワードが大きな要素を担っているのだろう。「忌まわしき“灰色狼”」と言う捨て台詞からも、グレヴィール自身は“灰色狼”と言う存在かあるいは血統のヴィクトリカの存在を疎ましく感じている。
後述の“灰色狼”の存在が中世西欧文化の影響もあるのかもしれない。第一次世界大戦後の世界観だと分類としては近代に当たるが、グレヴィールとヴィクトリカの実家が貴族ならば、そう言う古から伝わるモノに過敏に、そして固執していてもおかしくない。
しかし、グレヴィールがそんな古くからの伝統や風習だけに固執しているようには思えない。そうでなければ、彼は(一弥からせがまれ、「ヴィクトリカが解決したと公表する」と半ば脅し染みていたとはいえ)ヴィクトリカの外出許可を認めはしないだろう。
牢獄のような場所での生活を強いられた腹違いの妹・ヴィクトリカ。彼は彼なりにそんな彼女の運命を少しでも解き放とう、兄として誇り高い行動をしようと思っているに違いない。だが、彼が刑事であることもあって、現実として彼は些細なことまで気付く優れた洞察力と卓越した鋭い推理力を持つ妹ヴィクトリカのおかげで事件を解決し、今の名声を得ている。
直近では『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』でも描かれていたが、兄よりも優秀な妹(や弟と言った年下の存在。それが後輩というよりも、自らの身内ならばなおさら)と言う存在は、兄と言う年長者の立場からするととても疎ましいものだ(作品によっては逆に年長者が優秀過ぎて、年下や末っ子たちが苦労するケースも描かれることも多いが)。
偏見であるが、兄としては年下の妹や弟の見本になり、困ったことがあれば手を差し伸べて助けてやりたいと言うのが健全な精神ではないだろうか? そしてグレヴィールにも当然そういう感情があったが、本来手を差し伸べなくてはいけない自分が、幽閉に近い軟禁状態の妹に手を差しのべられている現実。
考えただけで胸中の複雑さは少なからず理解出来るのではないだろうか?
優秀過ぎる妹。もし、今の軟禁・幽閉と言う形さえ取っていなければ得られた名声は全てヴィクトリカへと向けられるものであり、それこそグレヴィールが口にする“灰色狼”と言うファクターさえなければ、ブロワ家で可愛がられ、愛情を一身に受けたのは自分ではなくヴィクトリカだったのではないか。そう言う不安、あるいはその明晰過ぎる頭脳で、いつか自分ともどもブロワ家が復讐に遭うのではないかと言う恐怖。
兄としての妹ヴィクトリカ、刑事として頼りになる名探偵ヴィクトリカ、ブロワ家嫡男としての厄介者ヴィクトリカ。
生まれ、立場、地位、そう言うものが複雑に絡み合って今のグレヴィールの胸中があるのだと認識出来た回だった。願わくは、いつかこの二人が兄と妹としての立場で接し合える日々が来ることを祈るばかり……。
“灰色狼”とは?
さすがに狼の生態学や文化的に担う役割なんてのは専門家ではないので、さっぱり解らない。ただ、調べずにもいられないのでwikiさんを参考にさせてもらった(wikipedia-オオカミ)。
灰色狼(ハイイロオオカミ)とは、タイリクオオカミと呼ばれる一般的な狼の別称みたいなもののようである。
ただ、ここで重要なのはその生態よりも、中世西欧圏における狼と言う存在がどのように扱われてきたか、と言うことだ。
中世西欧文化において狼は、死や恐怖の対象として描かれることが多かったようである。北欧神話に登場する巨大狼フェンリルの影響が大きいようであるが、狼が死や恐怖の対象として描かれていたことと、わざわざその狼に纏わる因縁がヴィクトリカにあって、それ故にグレヴィールが直接接触を拒んでいる様子から考えれば、おおよそ劇中で“灰色狼”というのがどういう存在かは理解出来る。
おそらくブロワ家ないし貴族や古くからの伝統を重んじる家々では、“灰色狼”は何らかの血統を意味するものと考えられる。例えば、かつて死や恐怖の対象の代名詞であった疫病を運んできた家系、あるいは血塗られた運命や呪い染みた“何か”を持つ家系などである。グレヴィールが直接話をしようとしないのが、直接話をすることで自身が汚れる(古で、灰色狼が空気感染の疫病を患っていた)と考えると自然かもしれない。また、国家としてヴィクトリカの母親は危険視されていたと言うヴィクトリカの発言があるように、そういう“厄介者=灰色狼”という一種のあだ名なのかもしれない。
重要なのはブロワ家嫡男であるグレヴィールとヴィクトリカが腹違いであると言うこと。そうなると、そう言う家系や血統はグレヴィールたちの父方家系であるブロワ家ではなく、ヴィクトリカの母親あるいは母方の家系が“灰色狼”としての血統を持っていたものと思われる。
そうなると、今後重要なのはその生死すら明かされていないヴィクトリカの母親の存在か。その辺りも注目して行きたい。
次回『廃倉庫には謎の幽霊がいる』
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