AFCアジアカップ2011 日本1-1ヨルダン
サッカーの記事なんていつ以来だろうと思って振り返ったらW杯だったので半年ぶりだった。まぁ、Jリーグも欧州リーグも地上波しか観ていない私にとってはなかなか観れないものなので(スカパーとかBSとか観れないから)、まぁ半年ぶりならそんな久しぶりでもないのか、とも思ったり。
さて、2011年初の公式戦となったザックジャパンだが、ドローでの決着。スコアだけ見ればドローかと思うかもしれないが、後半ロスタイムまで0-1で負けていたことを考えれば、本当に奇跡と執念と意地の結晶だった。
FIFAランク104位のチームではあるものの、所詮ランクはランク。スポーツ――こと流動的に攻守が入れ替わるサッカーは、それこそ蓋を開けてみなければわからない。戦前予想ほど当てにならないものはないのだと言うことを、改めて痛感したのではないだろうか?
気になる(?)続きは、追記へどうぞ☆
さて、ヨルダンは戦前予想通り、鉄壁の守りからのカウンター一閃に特化しており、その試合運びが2010W杯の岡田ジャパンのスタイルに近いのはザックジャパンにとって皮肉なのか。アジア杯では決勝Tに進むまで、サウジアラビア以外の強豪とぶつかることがなく他の国も比較的この戦法を狙ってくることを考えれば、日本にとってこれ以上ない試合となるはずだった。というか、しなければいけなかった。
徹底的に守備を固める相手をどう崩すのか?
それは、現代サッカーにおいては一つの大きな課題とも言えるだろう。日本が組織力によるディフェンス力でW杯で躍進し世界を驚かせたように、守備を固めたチームを破ることは難しい。それこそ、世界トップクラスのチームといえども同じことだ。サッカーが実は守ることよりも攻めることの方が難しいスポーツだと、現代サッカーは証明している。そして、だからこそその守備を華麗なパスワークとテクニックで突破して行きW杯で優勝をもぎ取ったスペインは凄過ぎるチームなのだが。
話が逸れたが、今日のヨルダン戦。日本がW杯で見せつけ、今後の日本スタイルとして確立すべきだと誰もが確信した組織力は、ものの見事になりを潜めたと言えるだろう。欧州で活躍する若者たちは良くも悪くも我が強い。それがプラスに働ければもちろん良いのだが、今回はマイナスに働いてしまった感じだ。
前半はまだプラスだったとは思う。幾度となくあった決定機を外してしまう辺りはもうお約束といった具合だが、確実にチャンスを作り上げていた。だが、後半は誰もが「自分が」「自分が」と個の力での突破を試みては、引いて守るヨルダンのディフェンスに跳ね返され、カットされて攻撃チャンスを自滅で終わらせてしまう始末。
解説の松木安太郎氏が珍しく苦言を呈し続けていたが、正にその通りであったと言える。日本がW杯でベスト8に行けなかったのはもしかしたらあと一歩のところでの個の力が足りなかったからかもしれない。だが、それは組織力という土台の上にあってこそ光るもの。そのことを忘れ、土台の方をおざなりにすれば、これは必然の結果だったのかもしれない。
今日の試合、ワンツーパスやダイレクトパス、あるいは3人以上の連携での突破やフリーランがどれだけあっただろうか? 前半はあっただろうが、後半(特に時間が経つにつれて)のあの激減っぷり。
失点に関しては致し方ない部分があるだろう。あれをGKに反応しろという方が酷だし、DF吉田もカウンターであの場面ならボールに喰いつくのが普通だろう。
だが、問題はそこではない。
攻撃もそうだが守備だってDFとGKだけでやるわけじゃない。サッカーは流動的に攻守が入れ替わるのが特徴のスポーツで、だからこそ面白く、流動的に動くスポーツだからこそある意味全員サッカーが基本なのだ。攻撃の際にはDFがしっかりとラインをコントロールして押し上げることが必要だし、守備の際には高い位置からのプレスが重要になる。
今回の失点は前がかりになり過ぎて、カウンターで攻めて来ることが解っていながらカウンターを許したチーム全体の意識の甘さと組織力の欠落が問題なのだ。この1失点は、半年前にW杯までで築き上げた組織力の崩壊を物語っていたようにさえ感じる。
これで13日のシリア戦は勝利(出来れば大差)が決勝T進出への事実上の絶対条件となる。出来るなら、ヨルダン、シリアで確実に勝って、アジアのサッカー大国のひとつ・サウジアラビア戦に備えたかったのだが、過ぎてしまったものは仕方ない。
勝ち点1をヨルダンと引き分けた以上、今後グループの順位争いは得失点差にまで及ぶ可能性が高く、いかにシリア戦に点差をつけて勝てるかが肝だ。もちろん、勝つことが絶対条件であるが。
シリア戦まで約3日。果たしてそれまでに日本の組織力が立て直せるのかに注目したい。
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