俺の妹がこんなに可愛いわけがない 総評
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[俺の妹がこんなに可愛いわけがない]
平凡な高校生・高坂京介。彼には中学生の妹がいる。文武両道、容姿端麗、読者モデルとしてすでに仕事をしている高坂桐乃。だが、兄妹仲は冷えに冷え切っており、最悪であった。
そんなある日、京介は家の中で子供が観るようなアニメのDVDを発見する。それが桐乃のものだと解ると、京介は桐乃から“人生相談”を受けることになる――
そんな俺の妹がこんなに可愛いわけがないの私の評価ですが...
A
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない 総評
放映日:2010年10月~2010年12月(TV放映12話+ネット配信3話、全15話※予定)
私が視聴した放映局:東京MXテレビ
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:A
各話ごとに見て本当に良かったと思う。
批評で目についたのは、シリーズを通しての整合性が低いとかそんなもので、特に麻奈実回の浮きっぷりを指摘する声が目立った。確かにそれは一理ある批評だと思う。
だが、本作はアニメである。小説のように一貫して長編を描けるとは限らない。むしろ、昨今のアニメだと(特に1クールという短い作品だと)幾つかの小編を組み合わせて1本の作品とする傾向が強い。そうなると一貫して描くことが逆に難しい。12話ずっと桐乃と問題にだけ着目するのは、小説では出来るかもしれないが、アニメではマンネリを招きやすく、どうしても難しい。そのための麻奈実回だったと思うし、10話もまたそうした要素だったと思う。
演出 評価:A
京介視点のため、京介以外の心理描写が描きにくいことを逆手にとって、敢えてヒロインたちの心理描写を見せないような演出は巧かった。
ただ、欲を言えば全話通したシリーズとしての心理描写はもっと練って欲しかったかもしれない。
作画 評価:B
可もなく不可もなく。日常系のアニメだと工夫も難しいので致し方ないが。
CAST 評価:S
おそらく評価の分かれるのは、メインヒロイン候補である桐乃役が竹達さんだったことだろう。初見ならぬ初聴では、正直平野綾さんかと思うような声質に驚いたものだし、私の感性も私独自のものというよりも割と普遍的に多くの方が思った事実のようだ。
そうなると、劣化やら何やら心ない声も耳にするが、逆に私はその声質と演技を評価したい。この業界に置いて声は唯一最大の武器であり商売道具であるわけだから、その幅が広いことは竹達さんにとって不利なことではないし、その声が唯一無二ではなく近似の人が複数いるのであれば、(偉そうな目線で申し訳ないが)その方たちで切磋琢磨出来、さらに高いクオリティを期待出来ると考えるからだ。
不安要素の残る竹達さんを、京介役の中村悠一さん、黒猫役の花澤香菜さんなど中堅からベテランの人気・実力ともに第一線の方々で脇を固めることで盤石な布陣を敷いたと思う。
OP/ED/BGM 評価:B
OPはとても印象に残る一曲で、OP曲というよりは主題歌・イメージソングに近い印象を受けた。逆にEDは毎回変わる工夫があったものの、その工夫が良くも悪くも視聴者としては印象を薄れさせ、それに対する評価は人それぞれになってしまうだろう。
多数の変化ある曲よりも、私はたった一曲の印象に残る楽曲を求めたいのでやや評価は低いが、ニコ動との連動など企画やアイディアとしてはとても面白いものだと思う。
総合 評価:A
内訳:S評価(5点)×1+A評価(4点)×2+B評価(3点)×2=3.8点。A評価=4.4~3.5点)。
作品事態は、オタクな妹とその願いをかなえるよう奔走する兄と言う構図のある、(特に私たち試聴からすれば)極めて日常に近い非日常を取り扱った作品。原作がそうなのだから仕方ないが、そこから描けるものや描きだすもの、伝えたいものは極めて限られるが、ちょっとアニメ作品としてこの作品が私たちに何を訴えかけたかったのか、と言うものは少し見えづらかったように思う。
ただ、桐乃、黒猫、沙織、あやせ、麻奈実といったヒロインたちの個性の強いキャラクターはもちろん、京介、大介(京介・桐乃の父)など男性キャラクターも個性と魅力に溢れたキャラクターに恵まれたアニメだったようにも感じる。
まだネット配信版が3話残っているらしく、どうやらこちらはTV放映版とは違うTURE ENDを目指すものになりそうだ。本来ならそちらを含めた評価をすべきなのかもしれないが、TV放映はTV放映と一つの区切りをつけるべきとも考えるので、ここで一つの区切りをつけておく。
幾つか最後に。
◇原作通りが良作?
今思い返すと、某作品で「メディアの違いを理解せよ!」と言う言葉が凄く胸に響いている。
本作ほど、概ね原作既読者と原作未読者との間で大きく評価が分かれている作品もなかなか存在しない。ただ、原作未読者の立場から言わせてもらうと、原作がどうこうと言うのは私たち未読者にとって大した問題ではない。原作がこうだからこうあるべきとは思っていない。
もちろん8話の記事で書いたように、原作を有する作品として原作の雰囲気や設定に誠実さを以って向き合って製作すべきだと思う。でも、原作をそのまま再現することが原作に誠実ではない。原作をそのまま再現するのは、原作に忠実であるかもしれないが、誠実かどうかはまた別問題である。
私は原作未読者なので、このアニメ作品が原作に誠実に作られたかどうか、と言う批評をすることは出来ない。逆に言えば、そういう批評する観点を持たず(持てず)、アニメ作品単発と向き合うことが出来た。だからこそ、上記で「原作がどうこうと言うのは私たち未読者にとって大した問題ではない」と書いたのである。
アニメ作品単発として向き合うことが出来た者として、面白い作品だと思った。原作通りに作られたものと比較することは当然出来ないのでどっちの手法が良かったとは言えないが、シナリオ構成で評価したようにアニメ版は各話ごとに独立していて、アニメ作品としてこのやり方の方が面白かったように思える。
◇12話はGOOD END? NORMAL END?
12話はGOOD ENDじゃなくてNORMAL ENDじゃないか。
こんな12話の感想をよく目にした。これは、正直感性による部分が大きいと思う。私はGOOD ENDだと思っていることだし。
そもそも、私の中でENDの基準って
・TRUE END=キャラの幸福は二の次。とにかく真相を明らかにし決着をつける。
・GOOD END=真相や決着は二の次。私たちが幸福感を感じられるキャラの幸せを優先。
・NORMAL END=キャラの人間関係に変化なく終了=スタート時と大して変わらない状況
・BAD END=真相すら明らかにならず、決着すらつかなず、絶望するようなEND。
・DEAD END=死亡END。
こんな具合。
だから、私の中では『俺妹』はGOOD END。桐乃の留学は、彼女が口にしたように高校進学の際に再発する可能性が高く、桐乃にとって、そして京介にとってこの問題は根本的な解決や決着は観ていない。
だが、かと言って京介と桐乃の関係は人生相談を経て一歩も二歩も歩み寄れた。それは、NORMAL ENDではないだろう。
また、問題は先送りになったが、京介と桐乃にとって少なくともあと一年はずっと一緒に居られる。京介の笑顔が、桐乃の表情が、二人の兄妹が幸せそうだった。やっぱりGOOD ENDだと思う。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 黒猫
やっぱり、黒猫は可愛いw 最終話のEDはやり過ぎじゃね、とか思ったが可愛いので良いwww
2位 高坂 大介
親父、可愛いよ、親父w
3位 高坂 京介
理想の兄としての京介がやっぱりカッコよかった。
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