伝説の勇者の伝説 第24話(最終話)
『遠い日の約束』
≪あらすじ≫
堕ちた黒い勇者と寂しがりの悪魔
両者の運命が、互いに互いを必要とし感謝していた親友の二人を引き裂く運命へとすり替わる。
ライナを殺さなければライナを永遠の地獄の苦しみに葬ることになるシオンは、いよいよライナ殺害を決意する。一方、ライナは―――
≪感想≫
絶望のシオンと希望のライナ
実は、以前の記事で書いてしまったことなので、どうしようかと悩んだのだが、一応最終話なので書いておこう。
傍から見れば、上の小見出しは正しくない。英雄王として家臣や民衆から絶大なる信頼と国王として偉大な権力を有するシオンこそが希望の象徴であり、誰からも疎まれる複写眼を持ち周囲で大切な者たちが死んでいくライナこそが絶望の象徴であるべきだ。
だが、画面を通してこの物語を観る私たち視聴者にとって、やっぱり絶望とはシオンのことで、希望とはライナのことであると、感じはしないだろうか?
こと最終話に至っては、ライナを殺さなければならないと言う事実と、それでもやっぱり殺せなかったと言う結果と、(どういう経緯かは不明だが)他国民を皆殺しにしながら侵略戦争を続けると言う答えを出したシオンの絶望っぷり。それとは対照的に、これから先の未来を少しでも明るいものにしようと青空の下、親友を助けるために「面倒くせぇ」が口癖だった“あの”ライナが旅立つシーンは、淡くか細いものだったかもしれないが確かに希望が溢れていた。
『アンチヒロイックサーガ』と銘打たれている本作の根本が、そこに垣間見える。傍から見れば英雄であるシオンが実は絶望していて、傍から見れば悪魔のようなライナが希望を持って生きている。もちろん、ライナも最初は自分の人生や生にさえ絶望し諦めていたが、最終話に至るまでに大きく変わった。
だからこそ、本作はこれから続く壮大な物語の序章として位置付けられているのだろう。主人公であるライナが、アンチヒロイックサーガを形成するために希望を抱き、四方八方手を尽くしてそれでも絶望を選択せざるを得ないシオンの現状こそが、この物語に必要不可欠な土台であり、本作はようやくその土台が完成したのだ。
さて、終わり方自体は、ある程度予想の範疇。物語として完結性が薄いことも、原作が続いている(しかも本作『伝説の勇者の伝説』の後にあるシリーズ作の方がメインとも言われ、ここまでは長大なプロローグとさえ言われる)こともあって、この程度は予想の範囲内。
こうなることは、誰もが予想できたことであって、それでも製作者、スポンサーらはこの作品のアニメ化に踏み切ったわけだから、そこには当然第二期、第三期を想定しているのだろう、と今は信じたい。
改めて総括もするが、本作はとても面白かった。昨今の、気軽に観れるような作品ではなくじっくり腰を据えて観ても、重いストーリー性には毎回考えさせられる要素が多い。それ故に、観る人を選ぶ作品だと思うが、それでも最終話まで見事駆け抜けてくれた気がする。
出来ることなら、夕方六時枠で一年くらいかけて放映されて欲しかったと思ってしまうほどだ。それくらい重厚で壮大な作品を、ぜひ深夜と言う観る人が限定される枠ではなく、小中学生含め多くの子供たちが観れる枠で流してほしいし、観て欲しい。教育的に宜しいとか有意義だとかではなく、単純なヒロイックストーリーではなく、アンチヒロイックサーガからきっと子供たちが感じ取れるようなものがあるんじゃないかな。
監督、スタッフ、キャストの方々、2クールの間、大変お疲れさまでしたm(_ _)m
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アニメ伝説の勇者の伝説最終回感想に寄せまして
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「観る人を選ぶアニメ」
この一言に、謎が解けた思いでした。
個人的には、私はこのアニメは「アニメとして」非常に良いものと思っているのですが、不思議なほど、感想が観る方によって賛否両論に分かれ、かつ、どちらかというともろもろに「不評が目立つ」のは何故だろうか? と、思っていたのですが、確かにご指摘の通りかと、胸のつかえが落ちる思いでした。
絶望のシオンと希望のライナ
ここもとても納得のいくご指摘でした。
そして、実は自分がそのラストだったからこそ、このアニメ伝勇伝が好きだったのだと気付かせていただきました。
はい。遠い伝説から今に至るまで、実は常に「世界のためという重しのせいで絶望に苦しんでいる勇者」は「寂しがりの悪魔という友」という希望との出会いと別れで、永遠に苦しんできたのかなとも。(あくまでアニメだけでの感想ですけれど、そう見えました)
だから、その伝説の二人の具象化のようなシオンとライナも苦しむのだけれども、でも、ライナという希望に全てを託したアニメは、見事に走り抜けたと拍手を送りたいと思いつつ、素晴らしい感想を管理人様に心から感謝を捧げたいと思います。
ありがとうございました。