アマガミSS 第23話
『絢辻詞編・第二章“プライド”』
≪あらすじ≫
詞が過労でダウンしている間に、創設祭の準備は当初のスケジュールから大幅に遅れてしまった。教師たちからは、「『クリスマスツリーの装飾中止』『イベントの削減』で遅れを取り戻そう」と打診されるが、詞は断固としてこれを拒否する。
しかし、スケジュールが遅れていることは事実。そこでクラスから実行委員以外にも有志で手伝いを求めることにしたのだが、その途中でクラスの女子と詞は対立。思わず、普段は優等生で隠していた部分を露わにしクラスの女子の一部を罵倒してしまった。
クラスから孤立して行く詞。純一や薫が何とかフォローするものの、さすがに手が回らない。詞は独り、徹夜も辞さない覚悟を示すが、一度過労で倒れている彼女を心配して純一は、「謝ってもう一度クラスのみんなの手伝いを借りないか」と提案するが――
≪感想≫
原作既プレイ者としては、とても次週が気になる盛り上がり方をしており、さすがに最終章が終わるまでは迂闊なことは言えないので、アニメ本編における感想は少し置いておくとしよう。ただ一つ感じたことは、物凄いねじ込み方をしてきたな、という印象である。ただ、それが原作から外れているかと問われればそうでもないのだ、これが。
その秘密は、原作ゲームの性質にある。結論から言えば、アニメで描かれない別ルートからイベントを持ってきているため、原作ゲームとはちょっと違う改変になっているのだが、そこに感じる違和感が薄いのだ。
絢辻詞というヒロインで言えば、『裏の顔』『黒い手帳』『神社』『創設祭』『クラスの女子』『突如、豹変』『ビンタ』という今週のキーワードは全部絢辻詞というヒロインのルートの中にあるキーワード。ただし、それは原作では複数のルートに分散して置かれている。本来分散されて置かれていたものを採ってきて一つに繋げているから、原作とは違うのだけど原作と比べても違和感が少ないのである。
もう少し突っ込んで(アニメの本筋に触れるようなネタバレがしない範囲で)解説をすると、原作がゲームの場合、複数のルートとエンディングがあることが(特に恋愛SLGでは)普通だ。もちろん、本作の原作になるPS2用ゲーム『アマガミ』にも同じことが言える。『アマガミ』は、(キャラによってやや増減があるが)1ヒロインに対して3つの主要ルートと(BADEND含め)5つのエンディングがある。
通常、この手の恋愛SLGがアニメ化すると大抵1ヒロインの1つのルートを主軸に置いて他のヒロインたちが1話くらいピックアップされるようなエピソードをそれぞれのヒロインから拾ってきて描くわけだが、『アマガミSS』の場合は少し違う。たくさんあるルートとエンディングから、それぞれパーツを切り取ってきて繋ぎ合わせる形で各ヒロインの30分×4話のオムニバスアニメを作り上げているのが『アマガミSS』である。
前例がないわけではないと思うが、最近の恋愛SLG原作アニメと比較して『アマガミSS』には2点の特徴がある。
1)メインヒロイン6人(+隠しヒロイン1人)が、それぞれ文字通りの“ヒロイン”になれる短編120分を割り振られているオムニバス形式を採っていること。
2)主要ルート数3、エンディング数5という豊富な原作から幾つかのエピソードをピックアップして一つに繋ぎ合わせるシナリオ構築をしていること。
1つ目の特徴は、もはや説明するまでも無いだろう。恋愛SLG原作アニメというと、先述のようにメインヒロインを1人決めて置いて、その人物と主人公を中核に作られる。
2つ目の特徴は、1)を採用したことによってヒロインたちが原作で持つ固有ルートイベントを繋ぎ合わせることが出来ること。
どういうことかと言えば、通常の作り方の場合、他のヒロインたちにも見せ場を作らないといけない手前、原作で多様なルートがあっても時間の都合やシナリオの整合性の問題などから、たいてい1ヒロイン1ルート1エンディングが基本になってしまう。
だが、オムニバス形式を採用した『アマガミSS』では、他ヒロインについて“登場”はさせるが“見せ場”を作る必要性が無い(そもそも他にちゃんとヒロインたちは自分が主役の編を持っているから)。その分、『アマガミSS』では、1人のヒロインが持つ全てのルート・イベント・エンディングを使って1本のシナリオに集中出来る。
例えば、七咲逢編最終章は、(もう放映が終わっているので言ってしまうが)Aパートのおでん屋台はナカヨシルートと呼ばれるルートの最終イベントのものだし、Bパートの露天風呂はスキルートと呼ばれるルートのBEST END最終イベント~ENDに至るまでの2つのルートのエンディング(ないしエンディング直前の最終イベント)を持ってきている。
今放映中の絢辻詞編も『(以下ネタバレ 反転させています。上記のように原作のどの部分にあたるかを明示しているだけで大したネタバレではありませんが、自己責任でお願いします)基本的にはスキルートをベースに進んでいるのだが、今週最後に魅せた突如豹変し昨日までの絢辻詞は居なくなった、という展開はスキBADと呼ばれるENDの展開であるのように複数のルートをすでに組み合わせる』形でお話を作っている。
無論、通常の作り方でも複数のルートからイベントやエンディングを引っ張ってくることも出来ようが、それはとてつもなく難しいことになるだろう。週1で放映しないといけないアニメだともしかしたら厳しいレベルかもしれないが、複数ルートでも同一ヒロインに限定されれば、共通項がたくさん出て来る分だけその難易度は大幅に下がるのではなかろうか。
原作があるアニメにおいて、原作との対比はもはや避けようの無い宿命である。その中に置いて、原作ゲーム作品のアニメ化で、複数のルートからイベント・エンディングを使って1本のお話を作ると言う形には大きなメリットと可能性を感じる。
1)原作未プレイ者には、原作イベントを通じて良さを伝えられる。
(⇒基本的に原作ゲームのイベントを流用しているので、原作をプレイすると「あ、ここはアニメに出てた」と感じることが出来る)
2)原作既プレイ者には、原作に限りなく近いアニメオリジナルルートを提供出来る。
(⇒アニメオリジナルルートでも先述のように、原作のルートを組み合わせただけなので違和感は少ない)
もちろん、デメリットもあることだろうし、『アマガミSS』も全部この手法で作られたわけではなく、完全オリジナルと呼んでも差し支えないような編も正直に言えばある。
ただ、こうした作り方を実践し、それによって作られたアニメがこうして放映されていることは、今後の恋愛SLGを原作としたアニメ制作に、一つ大きな前例として残るのではないだろうか、と感じている。
※うっすら聞いた話だと今期『ヨスガノソラ』も似たようなパターンで作っているようである。試聴していないのでなんとも言えないが、そうであったなら、それはそれで今期は恋愛SLG原作アニメに一石を投じられる1クールになったと言うことだ。
第24話『絢辻詞編・最終章“ヤクソク”』
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NoTitle
アマガミのヒロイン別でのオムニバスは、ヒロインが割りを食わないからそう発表された時は結構嬉しかったです。ルートの統合も難しいものかと思いましたが、最後まで見てしまえば、良いとこ取りだった気もします(梨穂子以外)。
とはいえ、まさかアニメの絢辻ルートで○○○○○の要素を見せられるとは思いませんでした。ただ壊れた理由的にアニメはここから挽回できるのかな。最終話の来週に期待します。
ヨスガノソラも過去の場面に戻って他の子を、って感じでしたっけ。でも向こうはいまいち主人公に好感が持てないですね。