アマガミSS 第22話
『絢辻詞編・第二章“ウラガワ”』
≪あらすじ≫
詞の黒い手帳を拾ってしまった純一だったが、実は詞が知られたくなかったページを純一は見ていないことが発覚する。しかし、自分の“ウラガワ”を見せてしまった詞は、秘密を知られた側であるにも関わらず、強気に純一に「このことは誰にも言わないように」と脅迫してくる。
詞のウラの顔を知った純一は、今まで以上に創設祭実行委員として詞にコキ使われる日々。そんな中で、純一は必要以上に学校に残って、自宅に帰りたがらない詞に違和感を覚える。
翌日、詞が過労で倒れたと聞いた純一は、放課後見舞いに行くことにしたのだが――
≪感想≫
スタッフの誠意が感じられる丁寧な作り
原作既プレイ者である私にとっても、申し分の無い話だった。と言うか、普通に正統派恋愛アニメとしても面白かった第二章じゃないかと思う。
秘密を知った純一が、秘密を知られた詞に脅迫されると言う展開で、とにかく詞が純一をイジってイビり倒すような展開。ただ、そこに『えむえむっ!』のような暴力はない。ああした直接的なSとMな展開ではなく、もっと間接的に攻める形が取られる。例えば、純一が詞を背負ったシーンで詞が「ここに変態がいますよー」と大声を上げたり、響の水着姿を妄想しようとする純一を詞が足を踏んで嫉妬を焼いたり。
これこそが、アマガミの真髄じゃないだろうか?
直接的に甘噛む行為をしたのは薫だけで、それは原作でも変わらない。ただ、アマガミってそういう意味じゃないと思う。もっとこう、小さな動物の兄妹たちが、歯も揃わぬうちに互いにじゃれあってアマガムような、どことなくこそばゆくて、見ている方が微笑ましく、可愛らしく思える行為が、アマガミであって、それこそが本作のタイトルに込められた想いなのではないか、といまさらながらに感じてしまう。
映像としての出来も非常に良い。細かな作りも丁寧だ。特に、純一と詞が実行委員でパソコンではなくワープロを使っていたシーンを覚えているだろうか? アマガミの世界設定は、前作キミキスよりもさらに古いと言われており、その世界観は1990年代後半だと言う。
90年代後半に一般的な高校に生徒が自由に使えるパソコンが配備されていたかと言えば、おそらくかなり少数だろうし、それを考慮してパソコンではなくワープロを二人が使うと言う描写だった。また、思い返してもらえれば解るように、本作には携帯電話が一度も出てこない。90年代後半、携帯電話は高校生が持つようなものではなかった(携帯電話が普及したのは2000年前後だと記憶しており、携帯電話と言う存在はあっただろうが、高校生が手に出来るほど普及はしていなかったと思う)。
スタッフはちゃんとその原作を知る者ですら忘れてしまいがちな世界観を忠実に守っており、そこにスタッフの原作に対する誠意や愛が感じられるから、とても好感が持てるのである。
申し分の無いストーリー構成
さて、いよいよウラの顔を見せた詞。ただこれは(言葉遊びになってしまうかもしれないが)本性ではない。
「絢辻さんは裏表の無いステキな人です!」
とは、純一が劇中で復唱させられたセリフ。アレが詞の本性ではない、と言うよりも、詞は本当は厳密に言えば仮面と本性と言う使い分けをしているわけではなく、文字通り同じコインにも表と裏があるように、見せている面が違うだけ。ただ、そのウラの面を誰にも――それこそ家族にすら見せないから、本性とか言われてしまうのだが。
家族にすらそうした顔を見せていないと言うのは、彼女の姉・縁が、見舞いに来た純一に妹の病状を訊く、と言う複雑に捻じれている家族関係を暗示しているところからも読み解ける。
他にも、実行委員と言う名目を振りかざして遅くまで公然と学校に残り続け、家に帰らないようにしている点や、黒い手帳に「学校に居られなくなるほどの内容を」書きなぐったと言う点もそれを示しているだろう。
絢辻詞は完璧を目指す人間だけど、完璧な人間ではない。だから、優等生のオモテの顔を見せている時に蓄積されるストレスを巧く自分の中だけで消化し切れないから、それを吐き出す先を求めている。それが、あの黒い手帳と言うことになるのだろう。書きなぐったと言う点から見ても、それは容易に想像出来る。
(ちなみに、黒い手帳の中身が具体的にどういう内容かは、原作でも明らかになっていなかったはずなので、アニメでも具体的にどういう内容かは期待しない方が良いかと)
『おとめ妖怪ざくろ』ではないが、自分の弱い面や醜い面をその人だけに見せる、と言うことは秘密の共有に等しい。そして純一は詞の秘密を知り、秘密を知られた詞は純一を意識する。意識して行く中で、計画的に打算的に動く自分とは正反対の行動原理・理念・価値観を持つ純一に、自分の秘密を喋るかもしれない監視対象としてではなく、本当に一人の異性として意識し始める。
秘密の共有から互いを意識し互いの距離が近づいていくと言うのは、王道的な恋愛劇の手法で、特に少女マンガ系で多く見られる(最近だと他に『会長はメイド様!』など)。純一と詞はそう言う意味で、正しく王道恋愛劇を展開したと言えるだろう。
書いていてアレだが、なるほどと思える。
全体として観れば、秘密を知られて本来立場が弱いはずの詞の方が強く、秘密を知った本来立場が強い側の純一が弱いと言う矛盾したような二人の関係の凹凸さと、それを可能にしてしまう詞の黒さに目が向いてしまうかもしれない。
でもそこには、少女マンガ的な王道的恋愛劇の手法が用いられ、それを土台にして親密になっていく二人は、昨今のアニメでは割と定番なライトSMではないが、主人公とヒロインのどちらかがどちらかを軽くイジめて子犬同士がアマガミしながらじゃれ合うような、そんな微笑ましさとラブコメっぽさが共存する。
パッケージヒロインは伊達ではないのだ。
第23話『絢辻詞編・第三章“プライド”』
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え?美也は?