おとめ妖怪 ざくろ 第7話
『うち、猫々と』
≪あらすじ≫
突然、妖人省を訪ねて来たのはタエと言う、総角家に仕える女性だった。散々家に顔を見せることを拒んできた景だったが、致し方なく一度実家に顔を見せることに。景は、帰宅に際してざくろに頼み込んで彼女にもついてきてもらう。
西洋風の家に、洋服、洋食、そして妖人嫌いの景の父親と言うざくろにとっては最悪のフィールドではあるが、景の顔を立てるように振る舞う。
そんな折、ざくろは景から昔飼っていた猫とその猫が妖人に連れ去られたと言う、彼が妖人嫌いになった背景を語る―――
≪感想≫
景の妖人嫌いの背景
前回、ちょこっと景が妖人嫌いになった背景が描かれないものか、と感想を述べたが、まさかその次の週にこうして景の妖人嫌いの背景が描かれてくれたことは素直に嬉しい。
これまでずっとざくろとその出生の秘密を軸に話が進んできた。きっとこれからもその方針は変わらないのだろうが、ざくろと景の恋物語である以上、景のバックボーンについても描かないわけにはいかないと思ってきたが、今回はそれを実に心温まるエピソードで描いてくれた。
尤も、景が妖人嫌いなのは大部分が彼自身の弱気・ヘタれさが原因であって、妖人嫌いの父親からの影響や幼いころに飼っていた猫のイツエの要素はあくまで、そうした原因を助長させる部分でしか無かったのは、半分肩すかし、半分良かったと思っているところ。
肩すかしだと思ったのは、あそこまで妖人嫌いがあるのならば、かつて妖人に襲われたとか妖人に大切な人を奪われたとか、そんなエピソードの一つや二つあるのかもと思っていたから。
逆に良かったと思ったのは、あくまで妖人嫌いが景の精神構造にあるのならば、今の彼が少しずつ妖人嫌いを克服しているように、これから先も彼の努力次第で幾らでも克服出来ると言う要素に成るから。
イツエと言う名の猫と妖人の関係。(最速で記事を書いてアップしていることもあるので)ネタバレを避けるために、ここでの詳細は割愛させてもらうが、その存在を使って各所に良い伏線が張り巡らされていた。その存在そのものはもちろん、それを可愛がっている組子、景の話を巧く使う千代子が妖人嫌いの父親と最終的に対称的になることで、ちょっとした“救い”を感じる。
その“救い”が何かと問われれば、それはやっぱりざくろにとって。
本作に置いて、人間が観る妖人や半妖への視線や言動は、例えそれがフィクションと解っていてもやり切れない重々しさを感じる。大衆の前での、蔭口や蔑むような視線は正しくソレで、物語として必要だと理解しても気持ちのいいものではない。
そんな中で、総角家の当主である今の景の父親が妖人嫌いを具現化させたようなキャラクターであり、家や食事も洋風かぶれ(ざくろ風に言えばバテレンかぶれ)。なので、またしてもざくろにとって総角家は厳しいフィールドに見えてしまうわけだが、実際には景の母である千代子や景の妹である組子は霊感が極めて強いのか、ざくろの正体を見抜いて、さらに好意的に受け入れる描写が目立つ。
妖人省以外の人間で妖人や半妖を受け入れるケースが極めてレアな本作において、そのレアケースが景の母と妹と言う立場のキャラクターで見せてくれるのが、景とざくろの恋愛劇の要素が強いこの作品の中に置いて、視聴者にとってもざくろにとっても“救い”なのではないか、と思う。
三角関係にはならずに進む恋愛劇
ざくろSideだと景・花楯中尉と言う三角関係を形成することで、ざくろの持つキャラクター性の引き出しと、景の立ち位置を鮮明に浮かび上がらせているわけだが、今回は景Sideでざくろ・タエの三角関係になる……かと思いきや、必ずしもそうにはならなかった。
理由としてはいくつかあるだろうが、そうした理由はともかくとして、単純に恋愛劇として観た時に、三角関係にならないのは良いことだろう。恋愛劇としての要素は、ざくろSideで十分に表現されているわけだし、これで景Sideでも似たようなことになると、ドロドロしそうな印象もあって、それは本作の恋愛要素とはそぐわない気がする。
もちろん、ざくろが敏感に感じ取ったようにタエが景に対して仕えるべき相手として以上の感情を抱いているのは間違いないし、それを考えれば相関図としては三角関係なのだけれど、景にとっては(こう言う言い方が正しいのか解らないが)あくまでタエも大勢居る使用人の一人に過ぎない。
また、景は「ざくろ君にだけは隠し事をしたくない」と妖人嫌いで西洋かぶれの父親と逢わせ、過去の話もした。秘密の共有と隠し事の告白によって二人の距離が縮むことは前回にも記載したので割愛するが、これまではざくろが景に秘密や隠し事の告白をしたのに対して、今回はその逆だった。
私は男なので女性心と言うモノを完全に正確に把握しているわけではないが、こう言う状況においても景がざくろだけを異性として、パートナーとして特別視して言葉で表してくれるのは嬉しいのではないだろうか?(誰かに特別視されることの嬉しさは男女に限ったことではないが、そうした部分を恋愛劇で描くのは少女漫画系の本作ならではだと思う)
1話1話、それぞれに置いてメインは薄蛍ペアだったり雪洞・鬼灯ペアだったりするのだが、その裏で彼女たちはメインで無いところでもしっかりとパートナーとして、あるいは異性として関係を深めていた部分だけをとにかく追ってきた私にとって、こうした展開は素直に喜ばしい。
物語として重厚でヘヴィな側面が多々ある本作だし、花楯中尉と言う存在もあるが、景とざくろの恋愛劇だけはそんな重厚な展開とは裏腹に、どこかスッと入ってくる清涼飲料水のような爽やかさがある。今後、この二人の恋愛劇が物語の重厚さに引っ張られてしまうのかもしれないが、出来れば二人の恋愛劇にはいつまでもこうした爽やかさが残ってくれると嬉しいな、と思う。
余談
もしかしたら、景が妖人省担当に選ばれたのは、家系の影響が強いのか? 妖人を見抜いた千代子と、常人には見えないモノを観れる霊感の強い組子。景にはどうやら霊感は遺伝していないようだが、軍人家系として裕福な家の家系として、そしてそれ以上に霊感の強い人間を輩出する家系としての素質を見出されたのかもしれない、と思ってみたりw
第8話『ああ、徒々と』
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