伝説の勇者の伝説 第18話
『呪われた瞳』
≪あらすじ≫
ローランドから姿を消したライナは、隣国エスタブールへと移動していた。その情報を知ったフェリスは即座にライナの後を追って旅立つ。
一方、ライナ捜しをフェリスに任せたシオンは軍を率いて魔眼保持者の討伐へと赴く。
その魔眼保持者ティーア・ルミブルは、自分と同じ『神の眼』を持つライナの前に姿を見せると、自分と一緒に来ないかと誘いをかける。そこへ、討伐の為に出陣したシオン率いるローランド軍が到着。ティーア対策として、魔力を施していない物理的な矢でのみ討伐を仕掛けるシオンの策にハマってしまい、ティーアはエネルギー切れ。
ティーアは、ライナに自分へ魔法を撃つように頼む。そうすれば力は回復し、仲間の下へ連れて行ける、と。
耳を貸すなと声をかけるシオンやフェリスだったが、ライナは―――
≪感想≫
シオン・アスタールの決断
執政者、ことその地位と権力が高くなればなるほど滅私奉公を問われる。もっと簡単に言えば、執政者とは自分の欲望ではなく万人が望む欲望を叶える為に動かないといけない。保身なんてもっとのほかだ。その為には、親友であったとしても、名目上であったとしても討伐許可書を出すことはしなければならないわけだ。
ライナとフェリスが口にしたようにシオンは悪くない。シオンは、王なのだから、王として収める国があり、生活を支えている国民たちがいる以上、国益を求めないといけない。ライナの存在は、暴走と言うリスクが孕む以上、国益に成る部分と国益を害する部分がある。シオンはきっと前者を高く評価していたのだろうが、それでも後者に対する対策を施さないわけにはいかず、ライナを討てないであろうミルク・カラードを部隊長とすることで事実上大して機能しない忌破り隊を結成したのだ。
ルークに出した指令書がどういう意図だったのかは、シオンの口から語られない以上なんとも言えない。暴走したライナにルーク一人では太刀打ち出来ないと踏んで出したのか、それともミラン・フロワードすら圧倒したルークなら暴走したライナにも太刀打ち可能で、暴走したライナが被害を拡大してライナがこれ以上心を傷つける前に安楽死を望んだ為の命令だったのか。
どちらにせよ、国として必要な措置であったわけで、それをシオンはもちろんライナだってフェリスだって理解している。
でも、事実上自分に『死ね』と言う命令書を出す友人の行動を、果たして納得出来るだろうか?
「とある魔術の禁書目録 4話」の記事でも書いたが、理解と納得は違う。理解出来ることが納得出来ることかどうかは違うのだ。どう違うのかと言えば、頭で論理的に解ることが理解、心で感情的に解ることが納得だと私は考えている(あくまで持論なので、深くは気になさらず)。だから、頭で理解出来ることと心で納得出来ることは違う。
ライナからすれば、シオンの行動は頭の中では理解出来る当然の行動であっても、心の中では納得し切れない部分のある行動だ。まして、シオンは違うタイプの魔眼保持者であるティーアを『化け物』と呼称したことも大きいのだろう。
シオンは気付かなかったかもしれないけれど、シオンがライナを化け物と呼ぶことを躊躇えても、ティーアを化け物と呼ぶことに躊躇わないと言うことは、シオンと言う個人がライナを人として認識していても、シオン・アスタールと言う王とその王が従える国家は、客観的に彼らを化け物と認識している、と認めているようなものだ。
当人たちが最も望まないであろうが、周囲の人々(特にシオンの周り)が望んでやまなかった展開となった二人の別れ。ライナはややふっ切れた感じに見えたが、果たしてシオンはどうなのだろうか。シオンは事あるごとに自分の心の支えとしてライナを頼ってきた。支えを失ったシオンは、どうなってしまうのだろうか。
フェリス・エリスの旅立ち
この手の話は、主人公や中核人物たちに二者択一を迫られることが多い。
それは、例えば10の定量があって、全てを救えない時に「9」を救う為に「1」を切り捨てるかどうか、と言う選択だ。あるいは、何かを救う為、あるいは得る為に何かを犠牲に出来るか、とも言えるかもしれない。こと、主人公格たちが大きな権限を持てば持つほど、この葛藤に悩むケースが多い。
さらに言えば、ただの数字上の「9:1」ではなく、その「1」がその者にとってかけがえの無い大切な人だった場合、この葛藤は混迷を極めると言って良い。どういうことかと言えば、数字上の「1」が価値上の「1」ではないと言うこと。同じ人間でも、見知った人間1人と、顔も名前も知らない9人で、どっちの手助けをしたいかと問われれば前者と答える人も少なくないのではないだろうか?
それと一緒だ。数字で見れば1人と9人なのだが、選択を迫られている当人からするとそれは単純な1人:9人ではない。
そうした選択を今まさに迫られているのが、シオン・アスタールであり、フェリス・エリスだ。シオンは上記のように王として、大切な者であっても9を救う為にその者の「1」を切り捨てた。
だが、フェリスは違う。元々の立場が違うことももちろんある。フェリスは王ではないし、守るべき抱えているモノだってシオンに比べればきっと少ない。
でも、一人の人間として決断することに変わりはない。
劇中、フェリスは、シオンの行為に理解を示しながらシオンから遠ざかって行った。それは物理的な距離が遠ざかっただけでなく、精神的な距離も彼女の方からシオンを遠ざけたことの暗示に他ならない。シオンを手伝うことは、ルシルからの命だったはず。そのシオンから、自分から離れると言う行為はシオンやルシルを敵に回しかねない行為だろう。でも、フェリスに躊躇いはなかった。
今のフェリスならきっと、仮にシオンやルシルを敵に回しても、もし全世界の人々の「9」を犠牲にしてもライナ・リュートと言う「1」を選ぶだろう。
(ちなみにライナは選ぶことすら放棄しているのが、今の現状。敢えて言うなら、選ばないと言う選択こそが多くのものを救うと考えているので、シオンに近いのか)
その是非はまた別問題として置いておくとして、全てを敵に回しても大切な「1」を選べるフェリスの強さ。それこそ、団子とライナの二者択一でも、「バカ(ライナ)を捜すための旅」と断言しているし、ライナを選びそうな勢い(笑
悲壮さが強く濃く漂い始めた本作において、その強さはライナにとっても視聴者にとっても大きな救いになるのだと信じたい。
ライナ・リュートの出生
思えば、主要三役の中で出生が割れていないのはライナだけだ。シオンはローランド国王と市井出の娘との間の子であり、だからこそ幼少から辛酸を舐めながらも、今は正統なローランド国王として成っている。フェリスは、近親相姦によって一族を形成するエリス家の一世代前の兄妹から生まれたことが解っている。だが、ライナだけは幼少期に何をしていたのか、その後ローランドに来た青年期は解っていても出生や出身地はまるで解っていない。
ライナに出て来た夢の中の両親。ライナは起きた後にそれを否定していると言うことは、ライナ自身は出生が違うものと認識しているようだが、本当のところはどうなのだろうか。
他人の夢を観る、なんてどこかのエロゲーの主人公のような特殊能力を身につけているわけでもあるまいし、それはライナの幻想だったのか。はたまた、ライナの知らない本当の出生なのか。本当の出生だとすれば、どうしてライナは両親に対する記憶を失っているのか。記憶を失っているのだとすれば、記憶喪失と他とは違うライナの持つ複写眼に関係性があるのか。
わずか数分の映像であったが、よほど考察しがいがありそうな内容であるが、ぶっちゃけこれだけの情報で何かが解るわけでもないし、そもそもあの夢は本当にライナの希望と幻想でしかないかもしれないのだから。
(「俺がまるで望まれて生まれて来たみたいじゃねぇか」と口にしたように、ライナ自身は自分が望まれて生まれた存在じゃないと感じている。それは、アルアとアルアの父親を観れば決してそんなことはなく、確率は低いかもしれないがライナの両親もアルアの父親と同じように、かけがえのない実子として扱ってくれたかもしれないのだが、それは置いておくとして)
なのでネタバレコメントは極力避ける形でお願いしますσ(^◇^;)
第19話『行方知らずの恩知らず』
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