神のみぞ知るセカイ 第5話
『IDOL BOMB!!』
≪あらすじ≫
中川かのん。
音楽業界で名立たる有望株を抑えて新人賞を受賞した、古き良き時代の流れを継承する正統派アイドル。同性のエルシィでさえも虜になってしまうほどの存在なのだが、相変わらず三次元の存在にまるで興味を示さない桂馬は、実は同じ学校でしかもクラスメイトでもあったかのん相手にも「誰?」と我関せずの姿勢を崩さない。
そんな桂馬の姿勢が、どこかかのんの琴線に触れてしまったのか、かのんは自分の存在を認知しない桂馬を「倒す!」と宣言するのだが―――
≪感想≫
アイドルとは?
言葉の語源などの意味から行けば、それは桂馬が口にしたように『偶像』だ。人々が、「こう言う人が居て欲しい」と想う願いの結晶、その結晶が幻想となり、その幻想を投影したのが“アイドル”と呼ばれる存在に違いはないだろう(二次元・三次元問わず)。
アイドルが人々の理想と幻想によって積み上げられた偶像である以上、そのアイドルは誰のものでもなく、敢えて言うならばファンのものである必要がある。その為に、かつての80年代前後のアイドルたちや、そして現在高い人気を誇るAKB48においても、『恋愛御法度』と言うあまりにも有名なルールが敷かれているのは、そうした偶像としての存在故の措置と言えるだろう。
だが、私たち人間は生きている以上、いろいろな意味で変化せざるを得ない。成長し、衰退し、上達し、劣化し、それをひたすらに繰り返す。そして、その結果、アイドルと呼べた方々も年齢を重ね、人としてアイドルで居続けることがいろいろな意味で難しくなっていく。そうでなくても、熱愛が報じられたり、不祥事を暴露されたりして、その存在は雲の上の偶像であり虚像であったはずなのに、途端に落下して地表のどこにでもある実像になってしまうケースが多々あるのだ。
桂馬のように二次元と三次元における是非を語るつもりはないのだが、確かに三次元におけるアイドルはこうした要素を持つ。一方で、二次元のアイドルにも限界はある。それはあくまで作品(ゲーム)であると言う点。それを問題視しない人もいるかもしれないが、ゲームである以上『終わり』があってしまう。これは誰もが否定しきれない部分だろう。
二次元のアイドルは劣化しないが、積み重ねることが出来る時間がきわめて限定的である。そういう部分が二次元の限界はあったはずなのだが、それを打ち破ろうとする一つの指針と言うか方向性が、『ラブプラス』シリーズと言う作品なのだろう。実はやったことはないのだが、散々ゲーム雑誌に載っているのでさすがにどういったゲームかは把握している。あのシステム、方向性を打ち上げられたコナミと言う会社や製作スタッフには本当に凄い。
話はそれたが、つまるところ二次元アイドルは確かに桂馬の言う通り、進化を続けているのかもしれない。二次元の中のアイドルたちは、それぞれの設定した名前で呼んでくれ、会話が出来、さらに終わりのない恋愛ゲームと言う前例が設立された。TV業界に続いて、ゲーム業界でも間違いなく3Dと言う流れは来るだろう。いずれ、恋愛ゲームの要素にも3Dの要素が取り込まれる。二次元のアイドルが三次元へと大きく侵食を始めるのだ。
一方で、昨今人気のAKB48。彼女たちが新時代のアイドル像の一つとして取り上げられているのは、設立当初のコンセプトである、『身近に逢いに行けるアイドル』として売り出され、実際に劇場に足を運べばステージを観ることが出来る(? 言ったこと無いので解らないが)と言う部分にあるのだろう。つまり、もう雲の上の存在で、TVや雑誌の中にだけいる存在と言うだけではアイドルはやり切れないかもしれない、と言うことなのだ。
本来、偶像で雲の上の存在であったはずのアイドルを、敢えてそれを信仰するファンたちの身近なところまで降ろしてきたのが、AKB48。もちろん降ろしてはきたが、上記のように偶像・虚像としての形を作り一線を画すために敢えて80年代アイドルたちと変わらない規則やルールも彼女たちの中にあったりする。
それがAKB48、つまるところ身近なアイドル、と言うスタイルなのである。
“学園のアイドル”“職場のアイドル”と言うように、限定領域内の言葉にも使われるように、“身近なアイドル”と言うスタイルこそが、三次元のアイドルがCD不況と呼ばれる現状の中で見出した数少ない活路の一つ。
二次元(主にゲーム)のアイドルは、プレイヤーがいる三次元へと歩み寄る進化を見せている。一方で、三次元のアイドルは、『手の届かない存在』であることに見切りをつけて、ファンのいるもっと身近な三次元へと近付いてきている。プレイヤーとファンは、同じ人間で同じ三次元の存在であるわけだから、アイドルと言うのは、二次元・三次元問わず、如何に身近な存在として感じることが出来るか、と言うのが今後の進化の方向性なのかもしれない。
追記
Blog巡りをしていて、似たようにラブプラスやAKB48を引き合いに出して考察されている方がいる。
失われた何か 神のみぞ知るセカイ 5話「IDOL BOMB!!」感想(東山奈央)
もちろんやや視点や観点、結論が違うものの、似たような題材を引き合いに私よりも簡潔に纏められているので気になった方は、ぜひリンクから飛んで一読してみて欲しい。
中川かのん
これまた掴みどころが難しいキャラクターが新しい攻略ヒロインとして選ばれたものだと思う。ちょっと上の項目で長々と語ったので、簡潔にまとめていくと、そもそもこれまでの『桂馬がヒロインを攻略する』と言う立場が逆転して『ヒロインが桂馬を倒そうとしている』と言う点で、これまでのヒロインたちと一線を画す(こうした手法は今期、ちょうど放映中のアマガミSSの桜井梨穂子編にも言える)。
もう一つは、誰もが思うその性格だろう。自分の存在を認知しない桂馬に対してスタンガンを使って攻撃する荒々しさがある一方で、そうしたヒロインらしい“らしさ”と言うものがまるでない。
アイドルで、自分を認知する(自分に興味を持つ)と言うことを色々な意味で基準としているキャラクターって、たいてい自我が強い。性格が良いような表面を見せながら、その裏ではそれらは全てしたたかな演技であって、唯我独尊的な思考を持つ。
だが、中川かのんにはまるでソレがないのだ。自分の存在を他者に認めてもらうことを快感や存在意義として見出しているのに、自我が弱く、唯我独尊的な部分がまるでない。
前々回のヒロインであった青山美生は、かのんとはまるで逆だった。美生は、お嬢様としての環境が整っていなかったものの、自分の中には“お嬢様”としての確固たる自我が存在した。逆にかのんは、アイドルとしての環境が文句なしに整っているのに、自分の中には“アイドル”としての確固たる自我が存在しない(もしくは薄い)。
両者が共通しているのは、自分の存在を如何に相手に認めさせるか、という点か。
現在、桂馬はかけ魂狩りには熱心ではないみたいだが、ここからどうやってかのん攻略に乗り出すのだろうか。過去二回のヒロイン(空以外)は、桂馬はゲームで得ている知識を使って、『出会い方』と言うものを非常に重要視していた。それは、スタートラインに立った時点で、ゴールしやすいレーンを事前に取っていたことになるだろう。
だが、今回の桂馬は最悪の出会い方をある意味してしまった。自己を認めて欲しいと願う少女に対して、その存在を否定するように認知しないところから入ったのだから。だからこそ、ここからどうやって攻略に繋げていくのかは、見物と言えよう。
余談

OPの『God only Knows』を購入してきました。今期始まったアニメだとたぶんテーマ曲を買ってきたのは、坂本真綾さんのカバーCD(それ町の主題歌)とコレだけですね。実はOPの曲、原曲だと8分近くありましたw 驚きだけど、やっぱりカッコ良い楽曲です。
第6話『ワタシ平凡?』
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