伝説の勇者の伝説 第17話
『殲滅眼(イーノ・ドゥーエ)』
≪あらすじ≫
ルシルの言葉、シオンの出したライナ抹殺許可の命令書。
その二つによって改めて自分の存在を思い返したライナは、自分の為に宛がわれた武具なども全て置いて一人ローランドから失踪する。
ライナの失踪を直感で、いつもの冗談などではないと感じ取ったフェリスはライナ探索を決意。シオンはそれを許可する一方で、エスタブールに出現した新たな複写眼の持ち主対策へ自ら動くことを決めた。
その頃、シオンに複写眼保持者の報告書を送ったクラウ・クロムの前に複写眼保持者と噂される黒尽くめの男ティーア・ルミブルが姿を現す。ティーアは、クラウにとって因縁の相手。絶好の好機と見て全軍へ攻撃を命じるクラウだが、ティーアが宿す魔眼は複写眼とは性質が異なっていて―――
≪感想≫
魔眼の伝承
アルファ・スティグマとは異なる魔眼イーノ・ドゥーエ。殲滅眼と言う言葉が割り当てられているように、どうやら魔眼によって読み取った魔法、さらには人体を分解し吸収する魔眼なのだろう。そうして吸収したエネルギーを自らの身体能力へと転化出来るようだ。
素直にこれは強い。
魔法が戦術の大部分を占めているこの手の世界に置いて、まずその魔法が通用しない、と言う点において相手のアドバンテージを奪える。さらに、その魔法を使うと相手に吸収されて相手を強化するエサになってしまうと言う点において、対魔導師戦における強みを握る。
ライナの複写眼が、相手の魔法の構成を読み取り理解してしまう魔導師泣かせの魔眼だとすれば、相手の魔法を吸収してパワーアップしてしまう殲滅眼は魔導師殺しの魔眼と言えよう。
もちろん、魔法を使わない戦士タイプの兵士もいる。だが、戦って相手を分解・吸収すればするほど強くなる殲滅眼を持つティーアは長期戦にも対応出来る。さらに、吸収転化によるパワーアップが生半可なレベルではない。元々、フェリスやクラウと言った一部の異常な(笑)スペックを持つ者を除けば、魔法を使った身体強化の方が生身の兵士よりも強いのに、それすら上回る身体能力への強化となるのだ。
魔導師殺しの特性を持つ戦士以上の身体能力を持つ者。
これが殲滅眼を持つ者の強さを現す部分だ。純粋な魔眼としての能力だけならば複写眼など遥かに超えるスペックを有している。それゆえの反動はないものか、とも想うが、今のところその傾向もなさそうだ。
さてはて、魔眼の分析はここまでとして、面白いのはこうした魔眼に関する知識や文献と言ったモノがまずローランドと言う大国に存在せず、ガスタークと言う小国に存在すると言う部分だ。もちろん、積み重ねて来た文化や歴史の違いがあるのだろうが、長年の経験と蓄積ならローランドだって魔眼保持者が表れているはず。にも、関わらずローランドには、魔眼に対してちゃんとした記述や歴史書は残されていない。
あるのは、単純に複写眼を持つ者は悪魔だ、と言う根拠のない宗教的な先入観だけだ。
これは魔眼に限ったことではない。ライナたちが勇者の遺物と呼んだソレも、ガスタークでは忘却欠片(ルール・フラグメ)と言う如何にも正式名称的な要素で呼ばれ、さらに収集・利用も進んでいるように見える。
つまるところ、ローランドと言う国には決定的に魔眼や忘却欠片と言った絶大な力や能力を持つ存在に対する記述や記載のある文献が欠けているのだ。お伽噺や伝記ではなく、実際に存在している能力や武具なのだ。魔法もローランド特有の魔法が存在するくらいにまで発展している癖に、それに対してまるで記述がないなど、大国としては考えられないほどあり得ない。
そこにやはりローランドと言う国の異質さを感じずにはいられない。ハッキリ言えば異常。おそらく、情報統制によって外部から入るその手の情報をシャットアウトしていたのだろう。そして、ルシルのようにローランド内部に置いて絶対な力を発揮する力によって王を守護し、王はそれによって国を統治する。都合の悪い、強大な力を持つ情報に対して蓋をしたわけだ。
例えばトランプで、「強い数字を出した方が勝ち」と言うゲームをするとしよう。そこでローランドと言う国は、最初からトランプと言うのは1~10の数字札だけのモノだと国民に教えているのと同じなのだ。そして外部からの情報をシャットアウトする。そうすると、国民はそういうものだと理解し、そして国王はエリス家と言う「10」のカードを常に持ち続けることで国内に置いて強みを発揮する。
しかし、本当のトランプには絵札と言う10以上の価値を持つカードがあるわけだ。それこそが魔眼であり、忘却欠片である。その真相を知るガスタークは早くから、魔眼を結晶化して集めたり、忘却欠片を収集して戦力として利用する。ライナのレポートにより、絵札カードがあることに薄々気付いたシオンもまたその手札を集めようとライナたちを使う。
私にはそうした印象がある。
今、ガスタークと戦うことになれば、間違いなくローランドは不利だ。物理的な数の戦力数は解らないが、ローランドがほとんど所有しない価値の高い絵札カードの存在を知り保有しているわけだから。それでも、歴史は動いていく。実はカードをひっくり返してみたら、ライナはジョーカーと呼べるほどの存在かもしれなかったが、そのライナもローランドを離れた。
ガスタークに対して手札を失っていくシオンがどう動くのか。まずはここが最大の注目と言えよう。シオンも次回は前線に出張り、さらにそこにライナが居る。ライナがティーア側に立つ、と言う意図は今のところないので可能性として惹くそうだが、シオンの手を取る可能性も今のところ低いように感じる。
差しのべていつもは掴んでくれる手を振り払われた時、果たしてシオンはどうするのか? ライナ・リュートと言う存在に日々の執務の心身の疲労に対する支えとしているシオンは、その支えを失ったときにどうなってしまうのか。次回予告を見る限り、それを見ることが出来そうなので、今からワクワクする。
第18話『呪われた瞳』
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まだ出てない情報も多いので、間違ってる部分もありますが、100点中85点くらいは出したいですよ!
『ローランドという国は異質』と言えてるだけでも…むしろ『異常』なんですけどね。『何でこんな狂った国が(歴史の必然的に革命や改革で)滅んでないのか。』という点で。
是非その調子でどんどん考察していってください。