新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 贖罪の輪舞III
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[新機動戦記ガンダムW]
贖罪の輪舞III
≪あらすじ≫
トレーズ・クシュリナーダが絶対的なカリスマを内外に確立するに至った第一次月面戦争。その結末とは?
一方、MC0022、目覚めたヒイロはかつての仲間である老師張とファザーからオペレーション・ミュートスの内容を聞かされていた。その最大の目的は、リリーナ・ピースクラフトの暗殺!?
ヒイロは静かに決意する。
「了解した。リリーナ・ピースクラフトを殺す」
≪感想≫
物語としては、ヒイロの復活とリリーナがプリベンターのターゲットにしてオペレーション・ミュートス最大の敵である、ということ。AC195年~AC196年を描いた、映像化されたガンダムWではトレーズやミリアルドに負けぬカリスマ性とピースクラフトの系譜である完全平和主義を掲げるヒロインであったはずが、どうなってしまったのか? そもそも、ヒイロと同じように年老いていないリリーナはヒイロと同じように冷凍冬眠していたのか、あるいはクローンなのか?
原作を知っていると本当にワクワクしてくるような気持ちが湧いて出てくる。また、ヒイロの言い回しも口煩い新しい“デュオ”がファザーの息子だと知ると「それなら仕方ないな」と納得したり、あるいはサリィの娘であるキャシィを「劣化サリィ」と言ったり(=ということは、ヒイロはサリィをかなり評価していたことになる)と随所に、細かなサービスも忘れていない。
だが、今回の最大の魅力は、第一次月面戦争だろう。
トレーズ・クシュリナーダとアルテミス・セディッチという二人の策略家・指揮官の駆け引きは、絶妙であった。数で勝る反連合を率いるアルテミスと、質で勝るスペシャルズ率いるトレーズがどう立ち向かうのか。もちろん、やや予定調和的にトレーズの手の上で転がされる部分があるのだが、それにしても月面という独特の球形空間を利用した策略や、無駄一つのない戦略は読んでいて十分に読み応えのある内容だ。
過去編には、中にコードネーム“ヒイロ・ユイ”の両親が明らかになったりと原作ファンなら見逃せない部分も多い。別にそれに合わせたわけではないだろうが、ガンダムエース記念すべき100号に相応しい中身になっている。
先月号から、『ガンダムW ENDLESS WALTZ 敗者たちの栄光』が始まっています。今回はEWでも描かれたデュオがデスサイズを盗むシーンからAC195.4.7のオペレーションメテオ開始が描かれています。
美麗なコミックですので、これはこれで楽しめると思いますよ。
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