伝説の勇者の伝説 第15話
『きる・ざ・きんぐ』
≪あらすじ≫
ローランドに帰ってきたライナとフェリス。忌破りとして自分たちを追うミルクたちともなぜか合流した中で、ライナとフェリスは自分たちの欲望の為、シオンをイジめに皇宮へ行くことを決める。
てっきりライナが、最近噂になっているシオン暗殺を企てている人物と早とちりしたミルクたちも全力でライナを追う中、ライナとシオンは久しぶりに対面を果たす―――
≪感想≫
てっきりギャグ回で終わるのかと思いきや、そうは問屋がおろさないのがこの作品たる所以なのか。
シオンの持つ心の弱さ。
それは酷く人間味があります。
寄せられる期待に応えたい、大切な人の力になりたい。
それは幼い頃、市井の出の母親を持って生まれ、周囲から蔑まれ必要とされなかったシオンだからこそ、人一倍強く強く願い持つモノ。そして、だからこそ、そうしたモノに応えられなかった時、シオンはまた自分が幼少期のように人々に捨てられるのではないか、と言う恐怖を内在の奥底に抱えている。
寄せられる期待に応えられなかったら、大切な人の力になれなかったら。
その恐怖は、人の理想に応え続ける限り誰にだってあるもの。でも、シオンが応えているモノは規模が違い過ぎる。あまりに大きな規模、数だ。最後にミランが危惧したように、シオンと言う一人の人間が抱えられるキャパシティを超えることは、もう誰の目にも明らか。
それでも、シオンはある意味、捨てられるの怖さに、それを人々の理想と言う看板に縋って立ち上がり、震えながらも前に進み続ける。
人々の痛みが解るからこそ、その痛みを取り除く為の執政をしようとしている。
確かに、シオンは理想の王なのかもしれません。でも、王もまた人であることを、おそらくこの世界のほとんどの人間が理解していない。それこそ、シオンの周りにいるライナやミラン含めてごくわずかな人間しか、シオンが人間であると言う認識を持っていない。
それをシオンも理解出来るほど聡明だからこそ、シオンはさらに頑張ってしまう。完全な悪循環の中にいるシオンが、魅せた笑顔。それはライナの前でしか魅せられない笑顔なのかもしれません。
国王として微笑むわけでもなく、社交辞令乃笑顔でもない。屈託のない心の底からの笑顔。
それを今、この世界で唯一シオンから引き出せるのがきっとライナただ一人。ライナはそれを知っているから、シオンが疲れていることを見抜きながらバカやって見せて、シオンもまたそれを知っているからライナだけは失いたくないと感じている。
ミルクはやっぱりライナがローランドに残り続ける為の“クサビ”でした。フェリスも実力行使としてきっとライナに対する抑止力となる。
シオンは考え得る、ライナに極力気付かれない形でライナに対して有効な戦力を全てライナに投じていると言っていい。
それくらい、シオンはライナを失いたくない。
その裏付けでもある。でも、王として立ったひとりを寵愛することは出来ない。それは、ミランが言ったように、シオンが理想の王であり続けるから。理想から逸脱すれば、ライナ一人を特別扱いすることも出来るでしょう。ライナが複写眼を持っていようが、関係なく自分のそばに置いておくことだって出来るでしょう。
でも、理想の王として立ち上がったシオンにはそれが出来ない、許されない。
こうしてこの1話をかけて振り返るととてつもなくシオンと言う人物を切なく感じてしまう。ライナが人として扱われることがなかったのとは真逆のベクトルで、シオンもまた人と言う枠から逸脱を始めている。
それでも、心に人間味を残すからこそ、そこに想像を絶する苦悩と葛藤がある。
それを想うと、こう胸が張り裂けそうと言うか、切なくなってくる。
もし、疲れているシオンを観てライナが自ら進んでシオンの傍に就くような形になれば、また違った未来が待っているのでしょうかね。物語として、ライナとシオンは友人でありながら対極に位置する存在として描かれていくので、いつかは対立することが目に見えている。
少なくともシオンが理想の王で有り続けようとする限り、ライナとの距離感は一生埋まらない。
ライナの徴用は複写眼持ちと言うことで問題を孕む。その問題を含めて清濁併せのむことが出来れば、ある意味人種差別を無くす国家にローランドは成れる。ライナ・リュートと言う前例が出来るわけだから。
そうなると魔眼持ちは、こぞってローランドを目指す。魔眼持ちがローランドの戦力になればそれは大きいが、同時に治安面などに大きな爆弾を抱えることになる。
シオンがライナを徴用出来ないのは、こうしたリスクマネージメントの結果でもあると思う。抱える爆弾が大き過ぎると思うのだ、一つの国家としては。まぁ、ライナが望まないっていうのもあるのだろうけれど。
互いに互いを悪口を言い合いながらも尊敬し、信頼している二人。友人としては理想的な関係かもしれないが、王と魔導師としての関係が絡んでどこまで続けていけるのか。原作未読ですが、CMとか聞いたり、あるいは普通に設定とここまでの展開を考えれば推察出来てしまう部分もあるのだが、願わくは、せめてアニメではあの二人の笑顔がずっと続きますように…。
第16話『いりす・れぽ~と』 まさか総集編?
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NoTitle
コメントありがとうございました♪
シオン、心配ですよね~(´;ω;`)
月詠さんの丁寧な文章読んだら、ますます切なくなりました。
シオンの笑顔が印象的でしたね。
2人が協力することができたらいいのに、やっぱり対立しちゃうんでしょうか・・・
ほんとにこの笑顔がずっと続いてほしいです><
これからも深い考察楽しみにしてます♪