黒執事II 総評
シエルは、自分の復讐を遂げてセバスチャンとの契約を履行し終え、その魂をセバスチャンにさし出した……はずだった。
だが、シエルの魂は、最後の戦いで契約の印がある腕を斬り落とされた一瞬、契約が無効になった瞬間に何者かに奪いさられてしまっていた。
セバスチャンはシエルの魂の在り処を見つけ出し、シエルの魂を復活させる。しかし、シエルの魂は奪われたショックから復讐を遂げ終えた記憶を失っていて―――
そんなの私の黒執事IIの評価ですが...
B
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
黒執事II 総評
放映日:2010年06月~2010年09月(全12話)
私が視聴した放映局:TBS
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:C
序盤から中盤にかけては、「これぞ黒執事!」と言う痛快さと爽快さを兼ね備えた話が続いた。シエルの精神力の強さ、セバスチャンの物理的な強さとぶっ飛び具合(主に次回予告)に毎回、楽しめたファンも多いのではないだろうか?
一転して終盤にかけては完全にシリアスに徹してしまった感じは否めない。グレルやクロードと言ったキャラクターと発言で笑いを誘っていたのかもしれないが、無理やり感が強い。
ラストの展開としても、スタッフの方々としては第一期をあんな終わり方をしてしまい二番煎じが出来ない中で捻りに捻った結末なのだろうが、生存していてもキャラクターとしての個性が死亡同然では意味がないように感じる。
よって手厳しいかもしれないがシナリオ構成はC。
演出 評価:C
バトルは質実剛健っぷりで、あまり派手な演出はなかったが、その分重要だったのは、アロイスであり、そしてシエルの心理描写だったのだろう。
と言うよりも、アロイスメインなのだろう。シエルに関しては、第一期である意味終わってしまったわけだから。
だが、その割にはシエルメインの話が序盤に完全に集中していて、アロイスの愛情に枯渇している様子があまり見られなかったかな。確かにクロード、ハンナ、シエル、セバスチャンと自分に愛情を向けてくれる可能性のあるものに対して色々頑張っていたみたいだけど、あまりに不器用過ぎてただの我儘坊ちゃんにしか見えない。
キャラクターとして被ってしまうかもしれないが、もう少しシエルくらいの実直さと言うか、強い精神で他人からの愛を求める様子がもっともっと初期から描かれて良かった気がする。
ここの描写不足は結果として第二期も、主役がシエルとセバスチャンに移行したと私を含め多くの視聴者に誤認させる結果となり(最後の勝者を考えれば、アロイスはyっぱり二期の主役だった)、最終話に対する賛否両論を生む原因となってしまった感じは否めない。
作画 評価:A
昨今のアニメは、インターネットとBlogの発達で視聴者が「崩壊、崩壊」と口にするせいか、妙に安定度が高い。本作もその一つで、特にデフォルメキャラなど登場せず、常時全員シリアス状態の顔だが、とても良く安定していたクオリティを保っていたと思う。
CAST 評価:A
キャスティングは申し分ない。主演の、小野大輔さんのセバスチャンでのハッチャけ具合や、坂本真綾さんのシエル役(特にアロイスに肉体を取って代わられてしまうシーンなど)は迫真の演技だったし、熱演だったと思う。
演技賞と言うモノが仮にあったとすれば、今季一番の演技賞は間違いなく坂本真綾さんだったと断言出来る。それくらい、素晴らしいもので、他の脇を固めた方々も素晴らしかった。
ただ、一つ言わせてもらえば、アロイスのキャスティングは私の中でミスキャストだった。別にアロイス役の水樹奈々さんが嫌いなわけでも、演技力がないというわけでもない(そもそも素人の私には、ベテランと新人くらいの違いは解っても、微妙な差異までは聞き分けられないし)。
しかし、決定的に声質がアロイスに合わないと思ってしまったのが敗因。
代役ならだれかと言われると、これまた厳しいのだが、坂本真綾さんみたいにもっと中性的な声質が出来る人の方が良かった気がする。奈々さんは良くも悪くも、とても“女の子”だから…。
OP/ED/BGM 評価:S
楽曲に関しては秀逸の一言。
EDも状況に応じて使い分ける凄みを見せた(製作Sideとしてはキツかっただろうに)。
総合 評価:B
内訳は、S評価(5点)+A評価(4点)×2+C評価(2点)×2=3.4点(B評価=3.4~2.5点)。個人的主観による加減は無し。
同時期に放送を終了したアニメに『終わり良ければ全て良し』と言う感想記事を書いたのだが、それと真逆のことが当てはまってしまった気がする終わり方が、やっぱり最大のネックだったのだろうか。
もちろん完全否定ではないが賛否両論あるラストなので、あれで良かったと思える方もいるだろうが、私が問題視したいのは、シエルとセバスチャンのキャラクター性がほぼ失われたと言っても過言ではない点だろう。
最終話の記事でも書いたが、あの終わり方では二度と昔のようなシエルとセバスチャンの関係は見られない。特にセバスチャンが痛快にシエルを皮肉ることも事件を解決することもない。
ただ形として一緒にいるだけの関係は、キャラクターとして死んだも同然で、私は残念ながらそれに納得することは出来なかった。
ただ、音楽のキャスティングも本当に素晴らしくて作品としてはしっかりと固まった作品だったと言える。だから、本当に問題視されるのはラストだけで、終わり方一つでもしかしたらこの作品は、ファンからもかなり高い評価を得られたかもしれない。
物語の締め括り方の大切さを良くも悪くも痛感してしまった作品だろう。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 セバスチャン・ミカエリス
やっぱりこの作品は彼あってこそ。クロードとのやり取りも良かったし、悪魔としての超人っぷりも良かった。やっぱりベストは次回予告?
2位 グレル・サトクリフ
登場頻度に似合わずインパクトの強いキャラDEATH★
3位 藍猫(ランマオ)
ゴメンナサイ、完全に趣味です(爆
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