新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop 贖罪の輪舞-トレーズ・ファイル1-
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[新機動戦記ガンダムW]
≪あらすじ≫
いよいよ始まった『オーロラ姫』の覚醒。
その為に必要なのは、キャシィ・ポォが持ってきた三つのデータファイルと、そしてファザー・マックスウェルが持ってきた四つ目のデータファイルであった。
大統領から委任された権限でファザー・マックスウェルが持ってきたデータファイルを閲覧するキャシィ。それは、トレーズ・クシュリナーダの出生とその後の人生に関わるモノであった。
それによって目覚める『オーロラ姫』の正体。それは、かつての伝説的コロニーの指導者の名を冠したガンダムパイロットのヒイロ・ユイであった―――
≪感想≫
極力読んでいない人の為にネタバレを避けながら。
今回はトレーズの出生秘話。
クシュリナーダ家のトレーズとカタロニア家のドロシーが遠縁の従姪に当たると言う設定があったが、その理由が明らかになる。この辺りは、ガンダムWのシリーズ構成・脚本を担当した隅沢克之氏が担当しているからこそ、祖語の無い綿密な設定と言えるのだろう。
また、トレーズの実父がヒイロ・ユイの甥であるアンリ・ユイと言う人物である点も、実はトレーズ・クシュリナーダと言うキャラクターが如何に、『ガンダムW』と言う世界観の中で中核人物であったか、と言うのを改めて感じてしまう。
確かに主役は五人のガンダムパイロットたちであり、その視点から描かれたのが『ガンダムW』と言う物語なのだが、視点を変えてみた時、トレーズ・クシュリナーダは間違いなく『ガンダムW』の一主役であると感じられる。
後は、ヒイロ・ユイを暗殺したアンディ・ロゥと言う人物の登場も、小説版EWを読んでいるコアなファンからすれば、懐かしい名前に思わずニヤリとしてしまうことだろう。
また、今回から数シーンは小説と同じで挿絵が入っている。少ないがどれも美麗で、キャシィ・ポォの挿絵は母・サリィ・ポォを連想させ、ファザー・マックスウェルが育てた新たなデュオ・マックスウェルは、本当によく似た存在として描かれながらも、洋服の違いが上手く本編のデュオとの微妙な差異を表現している。
挿絵に、かつてのガンダムパイロットと思われるファザーや老師を出さないのは、本編ファンを想ってだろうか? いずれはどんな形に成長したのか観てみたいものである。
かつてのガンダムパイロットで言えば、『ドクトルT』『W教授』の名が出て来た。ドクトル・トロワ、ウィナー教授と言うかつてのガンダムパイロットの略称か? リリーナはどうやら何かあって大統領にはなれなかった模様。
そして、オーロラ姫はやっぱりヒイロだった? 人工冬眠からの目覚めには、記憶を喪い、記憶の喪失は人格の喪失と言う危険性を秘めるらしいが、果たして目覚めたヒイロは―――
『ZERO』と言う名の、普及した脳に直接データを送れる演算システムの登場や、『白雪姫(スノー・ホワイト)』『魔法使い(ワーロック)』と言うガンダムの名を暗示するかのような新型兵器っぽいコードネームなど、メカニック面でも面白い要素満載でした。
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