世紀末オカルト学院 第06話
『文明の道程(みちのり)』
≪あらすじ≫
こずえの人格が仮死世界に囚われてしまい、現実世界に帰ってきたのはオカルトへの執着も知識も喪った、マヤたちから見れば抜け殻のようなこずえであった。
オカルトをバカにして、あれほど大切にしていた星の王子様の一文を切り捨てるこずえ。
そんな彼女を観て、マヤは死後の世界に置き忘れられたこずえのオカルトに対する人格を取り戻すことを決意するのだが、そんな彼女の前に現れたのは文明だった―――
≪感想≫
この作品ほど、サブタイが的確だと思うこともないだろう。正しく今回は、こずえ回でありながら、「文明が歩んできた道程」だった。
こずえの抱える心理を臨死体験を通して表現する話……としか捉えていなかった自分が浅はかだと思った。これはこずえの抱える心理を臨死体験を通して表現しながら、死の間際に観ると言う「走馬灯」を臨死体験で疑似再現することで、マヤと視聴者に“内田文明”と言う人物が本当に1999年の内田文明と同一人物であり、そして地球は宇宙人の侵略を受けたのだ、と言うことを証明したわけだ。
このストーリー演出には本当に脱帽するしかない。まさか見始めた時は、こんな展開になるとは思わなかった。それだけ30分の中での演出は極めて巧みだったと言えるだろう。
物語の中心は変わらず文明。ある意味、文明は予想した通りの幼少期だった。超能力が使えることでマスコミから持て囃され、それによって多大な収入と栄誉を得た母親は次第に文明ではなく、文明の能力だけを愛するようになった。文明の心は置き去りにされ、仕事ばかりになってクラスに友人はいなくなり、彼の中でも優しかった母と優しくなかった母とで母親像が乖離していく。
その結果が顕著に現れるのはやはり、カレーライスに対するトラウマなのだろう。
カレーライスは優しかった母の象徴であり、そして必ず添えられるスプーンは優しくなかった母の象徴なのだ。だから、彼はカレーライスがメニューにあると優しかった母の面影に惹かれるように注文するが、母親の面影をイメージしている時にそれに添えられて出されるスプーンを観て優しくなかった母の面影に突き離されて、箸でカレーライスを食す。
さて、散々ヘタレと言われた文明だが、彼の中でやっぱり少しずつ本来の姿が見え隠れし始める。
本当の彼は、きっとどこにでもいる普通の、やや感情に善悪が流されてしまいがちの人間なのだ。幼い子らしく、珍しい流星群や満天の星々に、他のみんなと同じように憧れを抱く。自分の(超能力者としての)力に自信があった時は、その力と責務に誇りを持っていたが、逆に力を喪い自信をなくすとそれらはまるでなくなってしまう、恋した相手に盲目になってしまうなど感情に流され易い側面を強く持つ。
こうして彼の性格の一部をこうして羅列すると、意外と普通の人間だと解る。モスマンに対して逃げたのは人として恐怖心が先立てば、命の危険を回避するために逃げ出す行動はある意味生物として当然だし、少なくとも今回のマヤとの臨死体験前までのやり取りは、ぶっちゃけマヤの方に比がある面も多かった。
普通過ぎて主人公として的確かどうかと問われれば、それはそれで確かに悩みどころだ。まして、題材がオカルトなので、恐怖心が先立つような主人公が主人公としての適性があるのかと言われると、ぶっちゃけ否なのだけど(笑
それでも、今回は授業中に手紙のやり取りと言う学生らしい行為をしていたマヤたちを叱り(ビビっていたが)、自らマヤに電話をし、そしてこずえの為にひと肌脱いだ(脱ぎ過ぎてしまったがwww)。
あの学園でも、臨死体験だって、色々科学的に証明されているし、実験機材があるとはいえ危険なことに変わりはない。
それでも、文明は自分からやると名乗り出たのだ。
それは、彼が自信を持っていた頃(超能力最盛期だった頃)のような自信と責任感を持つ本質の欠片が、ほんの少しだけ見えた瞬間なのだろう。
(余談だが、文明が抱く恐怖はノストラダムスの予言による宇宙人襲来の経験から、物理的なモノに限られるのかもしれない。だから物理的な恐怖(まぁ、ハッキリ言えばモンスターみたいな存在)がいないオカルトに対しては普段より強気に出れる)
そうして、何時か彼は超能力に頼らず、自信と責任感を身につける日が来るのかもしれない。なるほど、自分で書いていてアレだが、確かにそんな展開になれば、下手に超能力を取り戻すような展開よりもずっと“主人公の成長譚”としては申し分がないのかもしれない。
話題を少し、マヤへと向けてみよう。
マヤからすれば、思いがけないことが臨死体験によって起こってしまったわけだ。
1つは、内田文明の過去から彼が1999年の内田文明と同一人物だと証明されたこと
1つは、内田文明の過去から彼の口にした宇宙人侵略が本当だったと証明されたこと
そして、内田文明の過去そのものを知ってしまったこと
だ。
上二つに関して言えば、マヤからすればまだ疑心暗鬼な部分があったはずだ。超能力が使えなくなった内田文明を当人として信用しろ、と言う方が普通は難しいし、そんな人物の口から出るのが宇宙人侵略などと途方もないことならばそれを理解するのはさらに難しい。
しかし、走馬灯と言うツールによって文明の過去が明らかになる。
他のメンツは電波だとか、機械の故障だとか言っているが、マヤだけはそれが走馬灯であり、それが文明の記憶なのだと理解する。記憶だった場合、どうして文明の過去の記憶に文明が映り込んでいるのか、と言う疑問もあるが、それは演出の都合と(笑)、走馬灯が良く映画などのフィルムのように場面場面を映し出す切り抜き画のように描かれる為だろう。自分で自分の過去を観るときに、自分が映ることでそれが過去だと理解する。そうしたオカルト的な力が、死の直前には働くのだと、私は勝手に解釈した(汗
まぁ、それはともかくとして、文明の過去の記憶から上記二つを理解したマヤ。だが、何より彼女にとって以外だったのは3番目の、文明としての過去そのものだろう。
母親が大好きだったのに、そんな母親が仕事に執着すると、
自分は次第に愛されなくなり、そして頬を叩かれて突き離されて―――
それは、母親と父親の違いはあれどマヤと同じ。
前回の記事では、マヤの文明に対する異常な敵意は「実は文明はマヤと同じでオカルト嫌いで、その本質をくみ取ったマヤが同族嫌悪しているのではないか?」と推論立てたが、ある意味これは当たらずも遠からずだった。
オカルトのせいで大好きだった親が豹変し突き離された過去を持つ者同士。
マヤが直感的にその部分を薄々感じ取っていたのだとすれば、それは同族嫌悪だ。だって、文明の姿は、言ってみればマヤの姿でもあるのだから。
自分の姿が目の前にあって、醜い部分が見えてしまうのであれば遠ざけてしまいたいと思うのは人の常。
でも、そうした直感で感じ取るモノではなく、彼女が自分の目で文明の記憶を観ることによって同族嫌悪は反転するわけだ。だって、あくまで自分と彼は“同族”なのだから、そもそも敵対する理由がない。
同族嫌悪はある意味、同族と心の中で理解しながらそれを認めたくないが故に突き離し嫌悪をすることだ。だから、マヤの中で文明の過去から彼と自分が同族であることを理解し、それを認められれば嫌悪する必要がなくなる。
個人的には、そこから一気に手を取り合うまでのスピード和解は、やや拍子抜けと言うか肩すかしではあった。確かに彼の過去はマヤにとって自分と極めて似たモノで同情の余地があるものかもしれないが、対モスマンで逃げ出したことは変わらないし、そこに対する謝罪はやっぱりあるべきだと思うから。
それでももしかしたら、マヤと言う少女の精神はこんな私なんかよりもずっと大きな器で、対モスマンでの卑劣な行為は、自ら危険を冒してこずえを助けに行った事実とこずえを無事連れ帰ってきた成果で帳消しになっているのかもしれない。
結局、物事に対して許容出来る・出来ないはその人の持つ器次第な部分も大きいから、そうなると(ノストラダムスの予言が真実で時間がなく協力体制をしかないと危ないとは言え)あそこでスピード和解出来るマヤの器の大きさには、感服するしかないのかもしれない。
小ネタ少々。
こずえに関して言えば、最後がギャグで終わったのは、この後にまだ彼女のお当番回ないし活躍する場が残っているから敢えて答えを、ギャグ風味で終わらせたのだろうか? 大事な物は近くにあって……それはたぶん、彼女が持つ情熱だったり、彼女の為に命をかけてくれる友人たちだったりと思うんだけどね。
ぶっちゃけ最後のワゴン販売はダメだと思うんだ、車のボンネットの中じゃ衛生上問題あるだろwww そしてひそかに手伝っている文明へのマヤの鉄拳制裁。協力体制でもマヤが上で、文明が下と言う力関係が変わらないところは笑えたし、ホッとした。
でも、一番凄いのは扉をダウジング棒で解錠出来るJKだけどね(笑
次回予告は『HOT LIMIT(高垣彩陽)』 なるほど、TMRの歌をまさか高垣さんが歌うとは。
そろそろ子安さん、唄ってくれないかな(ぉ
第7話『マヤの亜美~ご』 すげー、サブタイwww
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NoTitle
いつもTBでお世話になっております。
>最後がギャグで終わったのは、この後にまだ彼女のお当番回ないし活躍する場が残っているから敢えて答えを、ギャグ風味で終わらせたのだろうか?
私個人の考えですが、ここを重くする(オカルトを絡める)と、
30分で描ききれなくなったり、
一番見せたかったであろう「文明の物語」が
ブレてしまうとスタッフが考えたから
なんじゃないかなと思っています。
>一番凄いのは扉をダウジング棒で解錠出来るJKだけどね
そうですねw
あの後、教頭のポエムはちゃんと読んだんでしょうかねwww
それでは、今後とも宜しくお願い致します。
ながながと失礼しました。