薬師寺涼子の怪奇事件簿 4・5巻
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[薬師寺涼子の怪奇事件簿]
『巴里・妖都変 前編・後編』


≪内容≫
フランス・パリへ二週間、出張することになった警視庁刑事部参事官・薬師寺涼子。そのお伴として選ばれたのは言うまでもなく、その参事官付き警部補である泉田準一郎。
パリの空港に到着すると待っていたのは、涼子が大株主で次期オーナーの父親が取締役社長を務める民間警備会社JACESの職員・北岡だった。だが、空港から出た途端、謎のサルようなリスのような不可思議な動物が一人の男性の耳から脳を吸い出し殺害するシーンを目撃してしまう。
またしても怪奇事件が向こうから寄って来た。
おまけにパリには別件で出張していた涼子のライバル・警視庁警備部参事官の室町由紀子と、その参事官付き警部補である岸本明までいる!? さらに、涼子の超側近パーフェクトメイドのマリアンヌとリュシエンヌも参戦!?
いつものメンバーが、パリで繰り広げる錬金術と大企業の間で巻き起こる怪奇事件に挑む―――
≪感想≫
「世紀末オカルト学院」が始まって、思い出したように見返した作品があります。それがこれ。
以前アニメ化した時にコミック版を購入してハマった作品です。その後も、ちょくちょく新刊が出る度に購入していたのですが、基本的に「前後編」な作品なので片方だけが出ても取り上げづらく記事にはしてきませんでしたけど、せっかくなので。
基本的に、私にとってオカルト系作品は、一つの分岐点でした。Blog開設当初に視聴・レビューしたことで、現在のBlogの路線である考察・推察路線を固めてくれたのが「ひぐらしのなく頃に」と「ゴーストハント」。特に後者の影響を受け、“怪奇事件簿”のタイトルだけでアニメを視聴したのが本作。
原作版はまだ目を通せていませんが、コミック版でも十分過ぎるほど面白い。荒唐無稽で破天荒なストーリーとキャラクター設定、オカルトや怪奇事件に関する設定も綿密と言うよりも当てはめ・ご都合主義的な側面が強いが、この手の作品は綿密な作品が多いだけにその他のこの手の作品とのギャップも含めて面白い作品と言えるだろう。
さて、そんな作品(コミカライズ版)の4・5巻は巴里・妖都変です。あらすじは、上に書いた通り。
毎度のことながら、お涼・泉田・お由紀・岸本のフォーマンセルで進むお話は、ぶっ飛んでいる。リアリティを追求するならこの手のぶっ飛びはきっとご法度なのだろうが、元々そうした作品であるので、これはこれで楽しめるわけだ。
傲岸不遜なお涼の態度も、権力とお金を武器に好き放題やるヒロインとして普段ならあまり好感を持てるキャラではないのだが、怪奇事件に対するある種の情熱であったり、あるいはその一辺倒ではなく読者には目に見えて分る泉田への彼女なりの不器用過ぎる好意や愛情だったりがあるから、この手のキャラとしては極めて珍しく好感を持っている。まぁ、リアルにいたら嫌な奴なんだろうけど(笑
基本は怪奇事件と、お涼と泉田の恋物語ではあるのだが、周囲を彩るサブキャラクターの魅力もこの作品だろう。読者として読んでいるとフツーに仕事だけでなくプライベートでもライバルになりそうなお由紀、オタクのキャリア官僚である岸本、そして読者のツボでも抑えるかのように登場した二人のメイド(爆
充実したキャラクターたち、そして在り来たりな特殊能力云々ではなく(あくまで)生身の人間が異形と立ち向かう姿は文字通り“現代ファンタジー”と呼ぶに相応しいようなストーリー展開で、素直に楽しめる要素だと思う。
- at 21:35
- [特集:薬師寺涼子の怪奇事件簿シリーズ]
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