世紀末オカルト学院 第05話
『夏のこずえ』
≪あらすじ≫
天狗(モスマン)から救出されて以降、一層オカルトにのめり込むようになったこずえ。そんな彼女が持ってくるグッズを悉く、冷静に客観的に「オカルトではない」と一刀両断するマヤ。そこには、こずえなりの熱い想いがあった。
一方、文明は変わらず美風にゾッコンでまるでノストラダムスの鍵を探そうとしない。いよいよ、マヤからコンビ解消を言われる文明だが、その重大さにも気付かない。
そんな折、仮死状態での臨死体験実験が執り行われることになった。自ら、そのモニターに志願したこずえ。周囲の不安の中、彼女は仮死状態となって死後の世界を垣間見たのだが―――
≪感想≫
文明はヘタレ街道まっしぐら。
ただ、それだけであっさり済ませるべきではないでしょう。確かに彼はヘタレで、マヤに対して強く言えない気弱な人間ですが、Bパートでは一瞬それに対抗するように授業中に注意をしたり、あるいは美風絡みだけどワゴン販売の承認を得るまで帰らないと意思を示したり……。
もし、仮に1999年にいる文明と2012年の文明が同一人物だとしたら、私はその違いに注目したい。つまり、同一人物だった場合、文明は天性のヘタレではない、と言うこと。お調子者だった可能性は否めませんが(笑)、99年のテレビ放映されていた“内田文明”は自信とやる気に満ちていた。そうなると、やっぱり彼の人生で最大の挫折は「(99年当時の超能力が嘘か真か分らないが)超能力を使えなくなったこと」なのでしょう。
超能力で持て囃された彼は、使えなくなった途端に掌を返され地獄に突き落とされた。それは、彼がカレーライスを箸で食べるほどのトラウマになっているわけで、やっぱり今の『強い者に媚び、弱い者に強がる』性格は後天的なものではないか、と思うわけです。
彼は口にはしませんが、もしかしたらマヤと同じで自分の運命を弄んだ“オカルト(超能力)”が嫌いなのではないだろうか?
マヤが文明に対して多大な嫌悪感を抱いているのは、当然これまでの言動や信用に足らぬ部分もあるでしょうが、本質として「オカルトに裏切られた者同士」と言う部分に対して無意識に対して近親憎悪を示しているからなのかも。
と言うか、そういう展開だったら、心理描写は深いなぁ、と思ってしまう(笑
一方で、彼は成長している。AパートとBパートで似たようにあった教室のシーンや、こずえが一時行方不明になった際に彼はなんだかんだ言いながら、やっぱりマヤの後を追ったわけだ。
あの場で追わないのであれば、さすがにどうにも救いようがない展開だろうが、やっぱりあそこで追う辺りがリアル。つまるところ、前回と違って目に見えた恐怖もなければ、オカルト要素もないわけだ(ただし、文明がマヤを追った理由は、美風のワゴン販売承諾印を得るためだけ、と言う見方も捨てきれないが)。だから、彼はマヤの後を追えた。
この辺りにやっぱり人としてのリアルさを感じてしまう。人として自身の命が危険にさらされる恐怖は大きな判断材料の一つだろう。典型的なマンガやアニメの主人公なら、そこで自分の命の危険を平気で顧みないわけだが、それとはまた違った人間味が、この内田文明と言うキャラクターにはある気がする。
ちなみに余談だが、もし文明に超能力が蘇るとすればマヤ絡みではなく、美風絡みだと思う。ヘタれてしまった文明があそこまでマヤに強く出れるだけの意思の力と一途な想いならば、もしかして…と。
ただ、美風そのものの怪しさが回を増すごとに増していきますが(笑
話は今回、そしておそらく次回のメインであろうこずえへと向けるとしよう。
ある種、この物語においてオカルトに対して熱心に興味を示してくれるこずえのキャラクターは実は貴重だ。ヒロインのマヤは表面上オカルト嫌いで通しているし、主人公である内田文明は現状ヘタレ街道まっしぐら。そうなると、オカルトに積極的に絡むのは必然的に彼女となる。
実は先にあげた文明の人間像と、方向性として対照的なのはマヤではなくこずえだと思えた。
文明が“恐怖”を物事の判断材料として扱うリアリティのある人間なのに対して、こずえは上記で挙げた典型的なマンガやアニメの主人公のような、“恐怖”や自らの命を顧みないスタイルの人間である。好奇心旺盛と言えば聞こえは良いけれど…。
だから、方向性としてベクトルが真逆のこずえの方が実は主人公としてはしっくりくる。文明とこずえの性格が入れ替わったら、普通のアニメっぽくなると思わないだろうか? その配役をあえてチェンジしている点が、このマヤと文明の物語にとってはミソになる部分だと思っている。
さてはて、彼女がAパートラスト、屋上で語ったように、「自分が大切な物は何か」と言う問いに答えを探すようにオカルトに走った。心の目で見て、おそらくオカルトに答えがあると思ったのだろう。だからこそ、彼女は何も見つけられない・何も起きない現状に対して自ら動き続けるし、見つけ続ける。
ラストで彼女のオカルトに対する執着心だけを仮死世界に放置した展開は巧いと思った。上記のように、「自分が大切な物は何か」を探す中でオカルトにそれを求めたこずえが、そのオカルトを放棄した時こそ、彼女が本当に大切だった物に気付く瞬間だと思うからだ。
彼女がなぜオカルトに走ろうと思ったのかは残念ながら分りづらい。天性のものだったのかもしれないし、その裏には深い事情があるのかもしれない。けれども、その“情熱”こそが私は彼女にとって本当に大切な物だと思うし、逆に言えば文明と真逆のベクトルにいるからこそ、文明に足りない最大の要素はやっぱり“情熱”なんだと思う。
そうした対比やもしかしたら文明が任務やマヤに対して情熱を抱くことが今回、そして「文明の道程(みちのり)」と銘打たれた次回の大きなテーマなのだと思う。
次回予告は『アジアの純真(花澤香菜)』
第6話『文明の道程(みちのり)』 次回予告がまるで生徒会役員共みたいですが(笑
ただ2話に1話くらいは、“文明”と言う言葉がサブタイに使われますね。逆に言えば2話に1話はマヤメインで、もう1話は文明メインと言うことなのかもしれません。
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生徒への心配
> この辺りにやっぱり人としてのリアルさを感じてしまう。人として自身の命が危険にさらされる恐怖は大きな判断材料の一つだろう。典型的なマンガやアニメの主人公なら、そこで自分の命の危険を平気で顧みないわけだが、それとはまた違った人間味が、この内田文明と言うキャラクターにはある気がする。
私もこれは思います。アニメでは、異色のキャラですよね。以前細かい事だから良いかと思って言わなかったのですが、美風に対しては逃げ出した後も心配で戻ってきてるんですよね。マヤに対しては心配すらしてない状態。結局視聴者が勝手にマヤを助けなくてはいけないって強迫観念に囚われていると感じています。主人公補正ってやつで、半ば常識化してますね。思いの強さがマヤには無いんです。それを今回はっきり文明はマヤに言ってました。劣情と言う表現ですが似たようなものでしょ。
私はこずえの心配するって元から持ってる性格だと思いますよ。自分の命と天秤かけるような状態が前回の状態だったわけで、単純に居なくなった人を心配だと探す事をマヤに批判される理由はどこにも無いです。あるのは、へらへらと仲間として普通にやれると思う頭の悪さでしょう…。これで2度目ですから真性のヘタレと言うより、アホですね。自分の命をとったのなら、捨てられた命からの、それなりの返答はあるべきです。もちろんこずえとマヤは助かったのですが、文明が見捨てた事には変わりが無いです。
それでも主人公だから、いずれは命がけで人助けしないといけないのでしょう…。今回私は普通の人間の行動だと思いますけど。作品としては変化って位置づけの気もします。そもそも文明って2話でマヤの危機にガラス割って入った過去があるんですよ。これから変化として描きたいスタッフ忘れて欲しいと思ってるだろうなって考えています。最初から、そんなに駄目な奴って訳じゃないと思います。良くも悪くもアニメらしくなくリアルな性格なんだと思います。
月詠さんの仰るように能力を失った自信喪失が、本人の性格変えてしまった気がしています。
ただやっぱりメインはこずえであり、いろいろ詰め込んでいるから描写としては時間割けないだろうなと言う事は、その通りだったかなって印象があります。今回関係改善どころか、平気で仲間だろって言い出したとき唖然としました。性格より相手の気持ちを考えない頭の方が問題だなと思います。