Angel Beats! 総評
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Angel Beats!]
記憶を喪った音無と名乗る少年が辿り着いたのは、死後の世界だった。そこには、天使と呼ばれる生徒会長の少女と、その少女が神と通じていると信じている少女ゆりを始めとした死んだ世界戦線の抗争があった。
理不尽な人生を送ったと言う死んだ世界戦線のメンバーたちは神への抗いを誓い、そんな姿を音無は記憶がない故にどこか客観的に眺めていた。
時間を重ねるごとに芽生える戦線メンバーへの友愛、そしてそれとは別に孤独に闘い続ける生徒会長である天使・かなでへの疑問。
次第に音無は、かなでにも接触して行く。
泣きゲーとしての確固たる地位を作り上げたKeyのブランドを作りだしたと言っても過言ではない麻枝氏が全話脚本を担当することで、放映前評判の極めて高かったアニメオリジナル作品です。
そんなの私の評価ですが...
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
Angel Beats! 総評
放映日:2010年04月~2010年06月(全13話)
私が視聴した放映局:TBS
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:A
これに関しては人それぞれなのだと思います。
元よりゲームの脚本家である為、伏線の張り方と回収の仕方は絶妙としか言いようがない。クライマックスにつれて、強引に都合主義で作り上げる布石ではない。1話の演出からしっかりとクライマックスに関わる布石が敷かれていた。
ただ、もちろん諸手を挙げて手放しで喜べるような脚本でなかったことも事実だろう。
終盤に向けて確実に尺不足による描写不足は拭い切れない。結局、キャラが立ったのは、あれだけのキャラ数が居てかなり限定的だった。無駄に個性を強めた為に、多くのレビューでは「他のキャラの描写が足りない」と言う意見が多々見られた。
正直、私にとってそれは赦せる。ただし、それでもメインキャラの掘り下げは必要だろう。12話から13話への空白の3日で変貌したかなでとゆりの関係性・人格などなど(あれが悪いとは思わない。関係の改善はあって良いことだが、もう少しギクシャクしないか?
まぁ、やや個人的な主観評価もプラスでA。
演出 評価:A
天使の戦闘に関してはかなり力を入れていた。ガルデモのライブシーンは、『けいおん!!』のそれとはまた違った魅力があった。
ただ、キャラクターの心理描写が上記のようにかなり削減されていた為、この評価に。
作画 評価:B
うーむ、正直、脚本の見合うだけの作画だったかと思えば、そうでもない。だいぶ不安定だった。
CAST 評価:A
適材適所、と言うべきなのかな。
こういう言い方は失礼かもしれないが、純粋に名前や過去の経歴ではなくて、麻枝氏をはじめスタッフがイメージする声に限りなく近い声質を持つ人にオーディションの合格を出した、そんな感じ。だから、最終話を終えて賛否両論の感想が並び立つ現状でも、CASTに対する批判はほとんど見られない。
それだけの適材適所だったと言うことなのだろう。
OP/ED/BGM 評価:S
『けいおん!!』と並び、CDセールスを確実に伸ばしたところはもうアニメファン全般に、見事にその音楽性を伝播させたと言う事実の表れなのだろう。
OP・ED共に楽曲としてももちろん素晴らしいのだが、それ以上に歌詞がしっかりと本編と適合している。当たり前と言えば当たり前だが、こうした『この作品を象徴するOPとED』と言う意味合いがしっかりと込められた素晴らしい楽曲の数々だった。また、ガルデモはそれとは別に音楽性を追求出来たのだと思う。
欲を言えば、もう少しガルデモには出番が欲しかったか。
総合 評価:A
麻枝氏と言う有名人気脚本家を全話脚本に据えると言う、放送前の絶大な事前人気を背負って放送が開始された作品。しかし、それは良くも悪くも視聴者を裏切り続けた作品となっただろう。その辺りは、そうした脚本やプロットが組める麻枝氏や監督の岸氏、およびスタッフの手腕なのだろうが。
たいていの人が、おそらくこの作品に期待したのは、麻枝氏が手掛けたKey作品のような面白さであり、感動ではなかったのではないか?
そもそも、それが間違いだったのではないか、と私は考えている。麻枝氏の作品=感動泣きゲーのような作品と言う方程式を、絶対の方程式から良くも悪くも崩してくれた作品ではないだろうか? 私の評価はそんなところだ。
ちなみに、ここから先は長めの余談となるが、Aと言う5段階評価で上から2番目(特例のSSを入れれば3番目)と言う順位が相応かどうかは、私の考えであって、他の方にまでこれを押しつけるつもりはない。
逆を言えば、この作品に対して「どう? 面白い?」と仮に尋ねられたとしても、返答に困ってしまう。主観的評価と言うのは基本的にそうであることは当然であるが、それにしたって『Angel Beats!』と言う作品は人によって捉え方・感じ方がまるで違うので、正直“勧めにくい作品”であることに違いはないだろう。
正直、ABの感想を書いて、大変ありがたいことに私の稚拙な感想にも1記事平均して80~90(多い時ではこのBlogでは極めて珍しい100越え)のTBを頂いた。そして、TB返しも兼ねてその一つ一つに目を通した時、「こうも感じ方が違うか」と思った感想も多かった。また、当Blogではそうでもないが、他Blogではコメントでの討論があるBlogも見受けられた。
その姿は本来、一人ひとり違った価値観の人間が同じ作品を見て評価を下して感想を書くのだから、当たり前なのだけど、でも正直アニメの感想ってそうした「当たり前」が出にくい分野だとも思っている。何せ「DVD・BDが売れる作品」であることが前提の場合が非常に多いからだ(まぁ、クリエイター主導のそうした部分をあまり視野に入れない作品もないわけではないが)。
そうなると、必然的にDVDやBD、グッズを買ってもらえる年代層に総じて受けがいい作品が多く出る。結果、キャラへの好感度や感情移入度などで若干の差異が出るものの、似通った感想が多くなる。 『けいおん!!』などは正しく今現在、そのような状況だろう。
ただ、この作品だけはそうした枠組みから逸脱しているように思える。
賛否両論が沸き起こり、組まれた世界観の設定捉え方一つでも真逆の考え方を持つ人たちであふれている。そんなABに対する十人十色な感想の数々は、アニメ視聴者の中ではやや欠け始めていたような、本来『作品』と言う枠組みに対して持つべき、我々視聴者のあるべき姿であるのかもしれない。
まぁ、でも私が最後に告げることは一つです。二期なんて当然いらないから、
ぜひ、ゲーム化を!!
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 立華かなで
天使ちゃんマジ天使、果たしてこのフレーズを一体どれほどの感想記事で見かけたことだろう? その姿にアニメでありながら、何度目を奪われただろう? 彼女の存在は昨今の萌えを重視するヒロイン像の中に確かに存在しているのだが、その一方で圧倒的な戦闘力に裏打ちされる燃えを兼ね備える貴重なヒロインのような気がした。
2位 日向ひでき
親友と言う立ち位置の難しさがある。キャラを立たせ過ぎれば主人公を食い、かと言って影を薄くすればそれは他の「その他」という立ち位置のキャラとの差別化が難しい。そうした立ち位置にいながら、こうして存在感を見せながら決して主人公である音無とヒロインであるかなで・ゆりの主役を食わなかった日向の存在感は絶妙だと思う。
こうした、主人公の親友・悪友の魅せ方の卓越さはやっぱり麻枝氏だと思う(Kanonの北川、CLANNADの春原など)
3位 遊佐
みんな好きなのだが、それでも個人的にプッシュして良いのであれば、やっぱり遊佐なのである。某動画サイトで『遊佐ちゃんまじゆっさゆさ』と言うコメントを観て、吹いてしまったほどだが(爆
それはさて置いて、もう少し出番が欲しかったね。岩沢が消えた回で取り押さえられながらも地味に仕事を果たす彼女の姿が好きだった。やっぱり、寡黙で一見華奢な彼女の姿はどこかかなでに近いから描かれなかったのか?(ぇ
- at 21:43
- [アニメ(放送終了):Angel Beats!]
- TB(1) |
- CO(3)
- [Edit]
NoTitle
ゲームで出してほしいですね。2期は作りないですしね(笑)
今期では話題性ではこの作品が一番でした。
世界の仕組み、読めない先の展開などなど、
ああでもないこうでもないと、考えるのが楽しかったです(笑)
たまにはこう言う作品もあっていいですね。
増えてくると困りますけど(笑)