ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 総評
隣国との戦争がようやく講和会議へと入ったヘルベチア共和国セーズと言う領土端の時告げ峠駐屯第1121小隊に配属となった少女・カナタ。彼女は、幼い頃に見たラッパ吹きの女性に憧れて、音楽を習うことが出来る軍に入ったと言う異色の少女だった。
お姉さんのような小隊長フィリシア、同年代の元気印クレハ、寡黙で知的なノエル、そして自分の教育係となってくれた男勝りで勇敢なリオ
個性豊かで、それでも皆が皆、峠に住む人たちを守りたいと願う仲間と共に、カナタが歩むラッパ手としての道は―――
そんなソ・ラ・ノ・ヲ・トの私の評価ですが...
SS
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 総評
放映日:20010年01月~20010年3月(全12話)
私が視聴した放映局:テレビ東京
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:S
シナリオの構成レベルで言えば、今季どころかここ数年のアニメの中でも秀逸に優れていた部類に入るのではないでしょうか?
主役にしっかりとスポットを当てつつ、さらに世界観・設定を巧く織り交ぜ、1話から最終話までで整合性を持たせようと奮起している感じがしっかりと伝わる。行き当たりばったりの脚本ではなくて、最初から描きたいものが決まっていて、その軸や骨格に肉付けした印象かな。
とにかく良い脚本だったと思います。
演出 評価:S
キャラクター描写、戦闘描写含め非常に優れていたと思います。
特に主役中心に、キャラクター一人ひとりがカナタを除いてトラウマや過去への未練があって、それにどう立ち向かうのか。立ち向かう際に、主役の中でも特に際立つ主人公足るカナタがどうかかわってくるのか。そこでカナタは、彼女たちにどういう新しい価値観だったり、風だったりを巻き起こすのか。そこまで踏まえた描写が、秀逸。
戦闘に関しては多脚関節型戦車を引っ張り出してきたことで、最終話で大きく魅せました。でも、それ以前からそれぞれ良いところはありましたけどね。
作画 評価:B
いわゆる『けいおん』作画が当初は目についた作品です。それの良しあし、成否は問いませんし、私は気にも留めませんが、やっぱり時折作画の乱れは顕著だったように思えます。
特に顔のバランスは本当にあれでGOサインが出て良かったのかと思ってしまったほどで……。
CAST 評価:A
実力云々よりも、キャラクターのイメージに近い方をキャスティングしたのかな、と思える。
それに対する評価の仕方は人それぞれですが、私は成功した方かなと思います。観る側に媚びるキャスティングではなく、作る側が必要とするキャスティングと言う意味で。アニメノチカラってそういうものなので、方向性と言うか指針と言う意味では適切だったと思いますよ。
OP/ED/BGM 評価:A
Sランクに達するほどずば抜けたものではなかったものの、話題性の高かったOP、空気を良くも悪くも読まないと評判のED、劇中のキーソングとして採用したアメイジング・グレイスなどなど。
欲を言えばBGMが文字通り、BGMで終わってしまったのが残念かな。もう少しインパクトがあるBGMが多くても良かったのかもしれない。
総合 評価:SS
個人的にかなり特例措置ではありますが、SSとしたいと思いました。ただ、他のSSランクの作品と違って、確実に賛否両論、個人個人での評価が大きく左右する作品であることは念頭に置いて頂きたいです。
私が、これほどの高い評価を与えたのは、『アニメノチカラ』と言うプロジェクトに対する今後の期待や成功を願う意味合いもあります。それほど、プロジェクト第一弾作品としては、大きな価値のある1クール作品だったと思います。
昨今のアニメは、業界問題が視聴者側に伝わってくるケースもあるほど、労働環境や収入などで大きな問題点を抱えている業界の一つです。また、インターネットや動画共有サイトの普及で動画流出も甚だしく、結果としてクリエイターたちがこの仕事で食べていく為には、DVDやグッズの売上が大きな意味を持ってしまいました。
故に、クリエイターたちは、作りたい作品ではなく、売れる作品を求められる。それが、設定(ターゲット年代が好みそうな設定)だったり、キャスト(人気声優のキャスティング)だったり、サービス回の存在だったりするのだと思います。結果として、事前支援がある人気のあるラノベ・コミックが原作となるアニメが多発しているのが現状でしょう。
そこに一石を投じる意味が、この作品、そしてこのプロジェクトにはあるんじゃないかな、と思います。
売れる為の手段を講じるのではなく、高いレベルの作品を作って結果として売る。経済不況の世の中で、コストパフォーマンスやリスク調整は必須とは言え、目的と結果が混同しがちな昨今のアニメの中で、やっぱり少し色合いが違う作品だったかな、と。
原作を持たないが有名なモノとしては『ガンダム』『マクロス』などすでに冠が固まっている作品もあります。そんな作品でさえ、スポンサーから売れる作品を、と圧力をかけられることもあると聴きます(有名なのはSEED DESTINYでしょうか)。
そう言ったモノにさえ捉われないし、捉われて欲しくないプロジェクトになってほしいです。その期待と成功を願う気持ちも込め、もちろん作品がその第一弾として相応しい存在だったことや作品自体の高いクオリティがあってのSS評価ではあります。
練り上げられたシナリオ、掘り下げられる演出、イメージ優先のキャスティング、劇中に幅を持たせる音楽、そう言ったものをぜひこれからもクリエイター視点で製作して頂きたいです。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 クレハ
やっぱり最終話での気持ちや涙には心打たれるものがあった。不覚にも唯一涙腺が崩壊しそうになったシーンだったし。それを踏まえて、他のキャラよりも描写数などもあってインパクトが欠けがちなところをしっかりと埋めた良いキャラ。
2位 フィリシア
部隊のお姉さん的存在。それを最後まで貫いたのは、逆に最近のアニメでは珍しいのかな、って思った。最近のアニメだとたいていこの手のキャラは、お姉さん的な存在から対等な存在に落ちてしまうケースも多い。そういう意味では、最後の最後まで、みんなを正しい方向へ手を引いて行くお姉さんで有り続けたのは逆に新鮮で嬉しいところ。
3位 カナタ
主人公としての存在意義の大きさはやっぱりあったと思う。純真無垢だからこそ、その言動に青臭さを感じたこともありますが、それらを踏まえてやっぱりカナタって存在はこの作品の中核なのだと、最終話まで見て思った。
Comment
Comment_form