デウス・レプリカ 第2巻
<あらすじ>
神村悠が萬屋探偵事務所に出入りするようになって数日。フォワードを担当する太刀鞍零の下に届いた一通の手紙から、再び物語は大きく動き出す。
事務所を訪ねて来た星上絹華と名乗る少女。
失踪した太刀鞍零。
そして、封印・保管していた事務所から消えたリメインシリーズの一つ『リメイン・ノート』。
太刀鞍、建守、星上の武神三家と悠の姉・このえが絡んだ過去の事件が今、明らかになる―――。
<感想>
良く言えば多彩な内容。悪く言えば、相変わらずいろいろとゴチャゴチャしているから正確に把握するのに時間がかかるかもしれない。
ただ、だいぶ1巻で仄めかされた謎については、少しずつ解き明かされ始めたのかな、と思います。失踪したこのえの事情や当時の事件、太刀鞍家とその荒神退治の巫女という語りに関わる環境、そしてGIFTキャリアについて。
たくさんの出来事が出てくるので、それをどこまで把握できるかが楽しめるポイントなのかもしれない。確かにリアルな話をすれば、一つの事象に複数の問題が絡むことはザラなのだけど、いざラノベにまで関わってくると理解に厄介。とは言え、前述のようにある程度流れや相関が理解出来ると、広く浅くの知識でスムーズに進んでいくため、読み応えもあるし、テンポ良く読むこともできる。
キャラクターに関しては、だいぶ美鈴が都合のいいキャラクターになってしまったのかな、という印象を受けてしまいます。都合良く説教して、都合よく傷ついて、都合良く復活して。ご都合主義が悪いとは思わないし、むしろ好きだけど、“柊美鈴”という存在のバックグラウンドがしっかりと見えていない今の現状では不自然さと不快感しか残らない読者も多いかもしれない。
3巻では、ようやく最後の正式所属員(?)の荻窪さん登場の予感。お姉さん系のようですが、さてはてどのようなキャラクターになるのか……普通にいけばクール系?
以下、デウス・レプリカの人物考察。好きな人がいれば、ぜひ楽しんでいってください。ただし、ネタバレを含みますので、自己責任でお願いしますね。
※2009年12月07日新設
<人物>
-萬屋探偵事務所-
神村 悠(かみむら ゆう)
2巻をみる限り、多重人格? 怒りで我を忘れるにしては、口調や言動が変り過ぎかも。リメイン・マターと融合した副作用なのか、はたまたもともと生まれ持っていた特性なのか。
後者だとすると、このえはそれさえ見透かしてリメイン・マターを食べさせた可能性も…。
柊 美鈴(ひいらぎ みすず)
とにかく一番の謎。ヒロインが一番謎というのは、ある意味定番かもしれない。
2巻でのあり得ないまでの説教(?)とかを考えると、真剣に零が言っていたように「このえ」みたいなのかもしれない。知識は持っていても記憶としてではないことも鑑みると、美鈴の体に時間軸からズレたこのえが何らかの手段で憑依しているのか、それとも龍馬が何かしらの術を施しているのか……。
悠への初期好意の高さを考えると、そういった可能性もあるのかも……。
太刀鞍 零(たちくら れい)
なし
和導 龍馬(わどう りょうま)
なし
荻窪 美弥子(おぎくぼ みやこ)
なし
神村 このえ(かみむら このえ)
とにかくこの女、全ての元凶だろう、と思う。
始まりは幻十郎とカンナギを切り離そうとして魔法を使用→失敗して幻十郎、カンナギ使用→使用によって二人は時間軸からズレる(この時点で三家と悠には事件を起こす、事件に巻き込まれる起点となり得る)。
幻十郎のことも、悠のことも、いろいろなことで全ての元凶はこの女なのだと思った。1巻から2巻への間でだいぶ印象が変わってしまったキャラクターかもしれない。これで、あと悠にリメイン・マターを同化させた真意が分かればさらに悪女に(さすがに、単に弟は無欲だから、という理由だけではあんなことはしないだろう)。
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