涼宮ハルヒの憂鬱(新アニメーション) 総評
ごく普通の平凡な高校生になったキョン。しかし、新生活の幕開けで自分の後ろの席に座ったのは、常軌を逸した女生徒だった。
「この中に未来人、宇宙人、超能力者がいたら私のところまで来なさい。以上」
真面目な顔をしてそんなことを口にした彼女。いるはずもないSFオカルト的な存在なのに、気がつけば彼女とキョンの周りには、本当に未来から来たタイムスリップ少女、宇宙人の造りしインターフェース、特定条件限定超能力者美少年が集まっていた!?
そんな涼宮ハルヒの憂鬱(新アニメーション)の私の評価ですが...
B
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
涼宮ハルヒの憂鬱(新アニメーション)
放映日:2009年04月~2009年09月(全26話)
私が視聴した放映局:テレビ埼玉、東京MXテレビ
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:D
エンドレスエイトのデメリットはあまりに大き過ぎる。デジタルリマスター版の再放送にプラスされた放映方法は、正直自分の中でも賛否両論なのだけれど(素直に本作を知らない初見の方に対しての効果や次回への期待を持たせるやり方としてはアリなのだという評価)。
あれを果たしてあれだけ長期間、放映する必要性があったのかどうかと問われると客観的に観れば疑わしいだろう。実数値を知らないが、噂ではやはりDVDの売れ行きはイマイチというのも聞く(もちろん、噂に過ぎないが、そういった噂が出ること自体がこの方法への疑問提起だと思う)。時間は無限ではないのだから、もしあれだけ放映するだけの時間があったのなら、もっと作品自体をに詰められたのではないかと思えてしまう。
あとは、大部分の既読ファンが期待していたであろう「消失」を映画に持って行ったということが減点対象。
結局、「一番見たいものは、
時間作ってお金払ってでも
観れる奴だけが観ろ」ってことでしょ、要は。
もちろん、アニメ制作もタダではないし、ボランティア活動でもないのだからスタッフが十分養えるだけの成果(売上)を得ないといけないのも理解出来る。
「消失」という単行本一冊分の長編にそれだけの興行収入が期待できるだけの魅力があるのも認めるが、あんまりなやり方。それなら第二期なんて放映しないで最初から映画に没頭してほしかったし、穿った見方かもしれないけど視聴者を舐めてるようにしか見えない。
そんなわけでこの評価。
演出 評価:S
一つ一つの演出は、さすがにレベルが高い。
作画 評価:S
Kanonからやや兆候は見られ、CLANNAD、らき☆すた、けいおんと経たためかやや全体的に作画が丸っこくなった印象こそ受けるが、高レベルな質を維持していたあたりは京アニクオリティと言われたブランド性を確かに生きている。
CAST 評価:B
変わらないCAST陣。そもそも、新キャラがこれといってほとんど出てこないのだからいた仕方ないのあかもしれないが……。
OP/ED/BGM 評価:A
なんだかんだ言っても、やっぱりそこは楽曲面でも力を入れているのだと感じた。再放送が半分以上を占める展開だったため、新旧OPが混合する複雑な展開だったのは、やや残念な側面か。
総合 評価:B
結局のところ、シナリオ構成とプロット構築で失敗してしまった感は否めない。それでもこの評価なのは、ほかの部分でのスタッフの方々の努力があればこそ。
延々と続いたエンドレスエイトを諸手を挙げて喜んだ人は、もちろん十人十色の感想がある世界だから少なからずいるだろうけれど、放映中はどうだったか? 放映後も、「もし、あの尺があれば、もっと別のエピソードを」と思った方も少なくなかったのではないだろうか?
このプロットを見る限り、最初から「消失」映画化は既定路線だったのは目に見えている(と思う)。思えば、新アニメーションと銘打たれてから実際の放映開始の間にも、きっと製作サイドでもいろいろひと悶着あっただろうことは容易に想像がつく。
シナリオ評価の際にあげたように、実際に働いて製作して下さっているスタッフの方々の生活が成り立たないといけない。そのための興行収入が見込める作品・タイトルによる映画化なのかもしれないし、もっと別の意図があるのかもしれない。
けれど、それが前面に出過ぎて視聴者をお座成りにしてしまっては本末転倒ではないかと思ってしまう。映画館に足を運ぶにしろ、DVDを購入するにしろ、グッズに手を伸ばすにしろ、お金を出すのは視聴者なのから。現場の苦労もあるのだろうが、それを前面に押し出し過ぎるのはややどうかと思う。
正直、新アニメーションの放映で『京都アニメーション』というブランド(厳密にいえば、京アニの作る「涼宮ハルヒの憂鬱」というブランド)に対して期待感を薄れさせた視聴者は私を始め少なからずいるだろう。京アニの作る作品のファンだからこそ、一躍その社名を広めるきっかけになった一期とは裏腹に、二期はせっかく構築したブランドが多少崩れてしまったのが個人的に物凄く残念である、と敢えて苦言を呈したい。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 シャミセン
いやいや、あの可愛さと低音ボイスは反則だろwww
2位 長門有希
やっぱり万能インターフェイスは強い、もちろん色んな意味で。あれだけセリフが少ないのに、ブログの感想レビューで盛り上がるキャラも本当に久々に観た。
3位 古泉一樹
結局のところ、なんだかんだで彼がいる意味はやっぱり大きい。それはシリアス面でも、ギャグ面でも。
NoTitle