機動戦士ガンダムOO 2nd season 第19話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダムOO]
『イノベーターの影』
遂に始まったCBによるイノベーター鹵獲作戦。作戦は見事に成功するが、トレミーには逆にイノベーターの影が不気味に近づいていた。
一方、戦場でダブルオーライザーの力を借り、四年ぶりの邂逅を果たした沙慈とルイス。その中で、沙慈は改めてルイスを救いだす戦いをする決意をする。
<あらすじ>
A-LOWSによるCB襲撃作戦は、同時にCBによるイノベーター鹵獲作戦の開始でもあった。それぞれの思いを胸に戦場に立つ戦士たち。
ルイス・ハレヴィに逢いに行こう
そんな刹那の協力の下、ルイスの乗る機体を探す沙慈だったが、なかなか見つけられない。だが、トレミーに近づく不自然な隕石を発見するとそれがルイスとアンドレイの偽装工作であることに気づく。TRANS-AMを起動し一気にルイスへと接近するダブルオーライザー。
通常の七倍を超える粒子量は、戦場に再び奇跡を舞い降ろさせる。
GN粒子を介した沙慈とルイスの邂逅。恒久和平の実現と両親の敵のためと言い銃口を沙慈へ向けるルイス。だが、沙慈はルイスの本質を看破し、抱きしめるが、そんな二人の時間をアンドレイが割く。
一方、アンドレイを探すソーマは、アレルヤの制止を振り切ってビームの飛び交う戦場の渦中へと飛び込んでいく。ソーマを追う中でダブルオーライザーの粒子に充てられたアレルヤの中で、ハレルヤが覚醒。二人の超兵はその渦中で、その力をいかんなく発揮していた。
ライルはケルディムでトレミーの護衛を担当していた。アニューがいるトレミーの護衛で迫る敵に果敢に突進するケルディム。
そして、そこでイノベーター・リヴァイヴの機影を発見する。
すぐさまセラヴィーが、ガデッサと応戦する。共に砲撃系の機体。互いの砲撃武装をつぶし合ったところで、ティエリアはTRANS-AMを起動。両手と肩・膝のGNキャノンからビームサーベルを展開し、六本のビームサーベルでガデッサを粉砕。脱出したリヴァイヴをセラヴィーから分離させたセラフィムで鹵獲することに成功する。
しかし、それはイノベーターたちの思惑通りで―――。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
迷走するヒロインズ。そんな感じです。ライルを除くマイスターたちは四年前の戦いを経ているだけに、ある種経験値を積んでレベルアップ済み状態なので、いざ戦いになると個々に差異があるとはいえ、自分の信じるモノに対する核や芯がズレないので、観ていて気持ちいい。
それとは対照的にヒロインたちは経験値不足なので、むしろ一期のマイスターたちのように自分の言動に、感情に迷走しているように思えましたね。
何といっても今回はルイスでしょうね。
心の葛藤が見え隠れ。沙慈を討てるかと疑問を抱きながら、ダブルオーライザーのTRANS-AMによる粒子の影響で、疑似的に四年ぶりに再会して言葉をかけてもらって、そして抱きしめてもらって……。
彼女の本質を理解しているのは、やはり沙慈なんだ、と思わせてくれました。沙慈の語るルイス像は、その最初の語りは四年前のルイスばかりを追っかけている二期冒頭の沙慈のようにも思えました。特に、平穏な日常に戻ろう、とか口にした辺りは、ここまで来てまだそれを言うか、とも。
でも、それはきっと戦いの果てに平和を求める戦士と変わらない境遇なのかもしれない、と思いました。戦いだけを求めているブシドーやサーシェスと異なり、戦争根絶や人類の覚醒と言った壮大な理想や大義を目指すCBやイノベーターとも違い、彼はただ戦いがない世界で愛する人と他愛ない日常を過ごしたいだけなのだと。
きっと、それは「自分の意思で変わった」と言うルイスも本質としては近いのだと思います。だから、一期であれだけの我儘を言われてもその裏にある、かまって欲しいと言う彼女の願いや寂しがり屋だと言う彼女の本質を沙慈は知らず知らずに理解していた。
一方でルイスには家族の仇を討ちたいと言う強い願いもある。そのためだけに継いだハレヴィ家の財産をA-LOWSへ注ぎ、人を殺すための訓練を重ねてきて、イノベーターとも接触したわけで。
家族の仇と今も忘れられない愛しい人。その間の葛藤が最後の叫びだったのだろうし、戦闘後の「沙慈……」と言う想いなのでしょう。
だから、アンドレイの言う「ルイスの願い」は根本的にはき違えているんですよね。ルイスの本質の願いはきっと沙慈と同じくあの頃のように平和で、平穏で、沙慈に我儘言いながら二人で笑いながら過ごす生活。でも、アンドレイの感じているルイスの願いは、沙慈を討ってでも恒久和平の実現をなすことだと勘違いしている。
まぁ、勘違いではないのですが本質の願いではないことにおそらくアンドレイは気づいていない。と言うか、気づいていたらこの発言は出てこないはずですから。自分と少しでも異なる立ち位置に立つ相手をすべて「軍規を破った」として討つだけの人間。もし、ルイスの本質の願いに気づけば、彼は彼女さえも「軍規や理想を捨てた」と判断するでしょうし。
今後は戦闘で逢うだけになるんでしょうね。アレルヤとマリーみたいな展開は二番煎じになるので、ないと思いますし。ただ、
・アンドレイがルイスを庇って戦死or負傷
・ルイスが沙慈を庇って戦死or負傷
・沙慈とルイスの共通の敵とも言えるネーナを討ってルイス退役(ハッピーエンド)
と言うフラグは立ったように思えます。まぁ、最悪は沙慈がルイスを庇ってルイスも沙慈を討った敵と同志討ちで両者死亡と言うフラグもあったりするのですが(汗
特に最後のネーナを討つ、と言うのは展開としてアリかなぁ、と思います。ルイスにとっては自分の親を殺した仇の張本人ですし、沙慈もネーナ(トリニティ・ドライ)が仇だと知っている。ほとんど目的や理想の重ならない二人の想いが唯一合致する部分でもありますし、ラストでルイスが沙慈からネーナのことを聞いて二人で協力して討つ、と言う燃える展開もあるのかも。
アニューの覚醒は想定内。ただ、個人的には意識の覚醒はイノベーターである誰かと接触した場合だと考えていたので、ああもあっさり遠隔操作で覚醒されると肩透かしかも。
マリー(ピーリス)に関しても想定内。戦闘ラストの沙慈の叫びだけが想定外で、この叫びがきっとマリーとピーリスの共存に繋がるのではないかな、と思います。
スメラギ、フェルトは変わらず。まぁ、こちらは一期メンバーでもあるので立ち位置としてはヒロインズよりもマイスターに近いのかも。経験値も積んでますし。
マリナに関して言えば、マリナらしいとも言える。
銃を手に取ると、子供たちの瞳をまっすぐ見られない、と。それは正直、どういうことなのかとも悩みます。それは裏を返せば、銃を手に取る人間は子供たちの瞳をまっすぐ見られない(=純真ではない? その資格はない?)と言うことに繋がる危険性もあるし。
ただ、マリナが明確に忘れているのはその銃によって今回も子供たちは命を救われたわけです。その銃の引き金を引いてくれたクラウスたちを前にしても彼女は同じことが言えるのか。
子供たちを守るために銃をとるのではなく、子供たちを守るために銃は取らない。
それは壮大で過大な理想です。一歩間違えれば、その理想のためならば銃を手に取り、自らが穢れるくらいならば死んだ方がマシとも取れてしまうわけで、それは子供を守ることではなくマリナが自分自身を守っているだけにすぎない。
ガンダムシリーズ前作で、某歌姫は「平和を求めながら、それでも銃を手に取ること」と言う自らの愚かさを嘆きました。その時は、あっさりスルーでしたが、OOでマリナが登場してから、やたらとあの歌姫の決意の方が強いように見えてしまう。まあ、マリナがこれで戦うことを認め銃を手に取ると、歌姫の二番煎じになってしまうと言う部分もあるのかもしれませんが、マリナには何かしらの覚悟はしてほしいです。
沙慈はルイスを救いだす戦いを決意した。でも、マリナはまだ決意さえしていない。沙慈とルイスは、ともに戦闘訓練を受けていない民間人と言う共通点がありますが、やや両者の成長度に差異が見え始めました。
余談。
何やら不穏なミスターブシドー。正直、最近の彼には不満です。戦いに取り憑かれたと言うか、完全に狂い始めた感じ。サーシェスとは別の意味で戦いだけの人間になってしまった感じが強いです。
次回『アニュー・リターン』。
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なんというか浮いてるキャラが多くなったという感じでしょうか。誰も彼も微量づつなので入れ込みにくいです。王留美もいる必要があるのかないのかわかりません。
>マリナ
シーリン達がしているのは戦略や戦術であってマリナがしようというのはどちらかというと政治の範疇ですからね。相手に銃を持たしている時点で勝負には負けてしまいますから相手に銃を持たせてはならない。それができないならば銃を持たない事に特化しその上で銃を持った相手をうわまらなければならない。……となるはずなのですが残り話数からするとぐだぐだになりそうです。