地獄少女 三鼎 第06話
『わたしのせんせい』
一目連をターゲットに地獄流しの依頼が届いた。幸い、それはあいがエラー返信したものの、まさかの事態に驚く骨女。
送り主は芹沢という生徒。彼女は、アンナを慕っているのだが、他にも過激にアンナを慕っている諸星という女生徒もいて......。
<あらすじ>
一目連が恨まれた!?
まさかの事態に驚く面々。相手は一目連たちが潜入している賽河原中学の生徒・芹沢(せりざわ)だった。幸い、あいがエラーで返したため契約は成立していないが、ナルシストな一目連は自分に恋をしているのだと決めつけて状況を楽しんでしまっている。
一方、賽河原中学では、クラス対抗のダンス発表に向けて合同練習が行われていた。練習を仕切るのは体育教師にふんして潜入している曽根アンナこと骨女。練習指導をしながら、芹沢を注意深く観察する骨女は、ちょっと運動神経がほかの人より劣っている以外は素直で良い娘なのに、と嘆く。
そんな骨女は賽河原中学で今、最も注目を集める教師の一人になっていた。その美貌と独特の優しさが生徒たちにウケているのだろう。彼女の授業のあと、必ずタオルや差し入れをする諸星(もろぼし)というファンの女生徒までいるほどだ。
そして、実は芹沢も曽根アンナのファンの一人だった。
芹沢が一目連を地獄に流そうとしたのは、彼がいつも骨女と一緒にいるから。
まさかの展開に驚く骨女だが、事態はさらに驚くべき展開へと進む。アンナのファンである諸星が、芹沢に突っかかり始めたのだ。強気の諸星を前に、消極的な芹沢はいつも押されっぱなし。
だが、骨女が芹沢と一緒に下校したことで逆に芹沢が調子に乗ってしまい......。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
芹沢
見事なまでのサクセスストーリー。もちろん、成功すればするほど人間としては地に堕ちていくわけですが。
残念ながら今回の一件で地獄送りをさせてしまったのは、ほかならぬ骨女の介入でしょう。骨女が芹沢の気持ちを実は知りながら、それを助長させてしまう言動をしてしまったがために芹沢が図に乗ってしまったわけで。
骨女としては、一目連と自分に対する誤解を解いて、さらに芹沢が地獄流しに手を染めないようにするつもりだったのでしょう。まぁ、その両方はともに果たせたわけですが、別のところで恨みを買わせてしまう原因になってしまっています。
まぁ、これに対する応えというのが、実は難しいように感じます。
この手の場合、問うまでもなく「あちらを立ててればこちらが立たず」状態なわけで。だからと言って放置することも骨女の性分としては難しいでしょう。二期のころにもありましたが、気づいてしまうと放っておけないタチですからね、彼女。
ただ、それでもすべての元凶は芹沢ですがね。
というか、骨女はもっと早く気付くべきでした……芹沢の心の醜さに。少なからず、彼女は自分の想い人であるアンナの傍に良く居るという理由だけで、一目連を地獄に流せるだけの恨み(地獄通信にアクセス可能な恨み)を持っているわけで。
いや、これを恨みと呼称するのも他の地獄流しの送り主に失礼かもしれません。
単に自分にとって邪魔な存在というだけ。二期ラストのビバリーヒルズの住人に限りなく近い、幼稚な動機です。
骨女の前で彼女がよい子に見えるのは当然なのです。だって、彼女は骨女(アンナ)のファンなのだから。だから、それによって判断したことそのものが失敗。
結果として、諸星を挑発するに至り、地獄コントで他者を卑劣な行動で蹴落とすほどの醜さを見せたわけで。
でも、もちろん原因は諸星にもあるわけですが・・・・・・。
諸星
彼女の場合は、自分がしたことが自分に返ってきた、自業自得という展開でしょう。
上履き隠しといった陰険なイジメ行為は別として、「自分だけがアンナの特別な人」とさんざん言い回し、芹沢に自慢し、芹沢を見下してきたのは他ならぬ諸星自身ですから。
それを他人にやられたとたん恨むというのは、あまりにどうなのか、と。
裏を返せば、これが今の中学生、ということなのでしょうか。
自分がされたら嫌なことを相手にしない。
それは、相手の好き嫌いにかかわらず自分が好きだったら構わずさせる、という意味ではなく、相手の気持ちに立って自分も行動するようにさせるための指針。小学生、いや幼稚園で教わるものですが、それすら理解していないということの裏返しなんですかねぇ。
時々、この辺りを勘違いしている人がいるように見えますよね。
例えば、自分はコーヒーが好きだから相手にも薦める。
相手にコーヒーを薦められても自分は好きだから相手がコーヒー苦手でも「自分がされたら嫌なことを相手にしていない」と認識している。
でも、実際は違うわけです。本質はそこではない。
本質はあくまで相手の立場に立って、相手が嫌なことをしてはいけないという戒めのわけで。
この辺、特に年齢が上がれば上がるほど曖昧になっている気がします。
社会に出ているはずの社会人の集団も、「これ定番だから」とか「こういうのやるのお決まりだから」と言って押し付けられることもしばしば。むしろ、中高生といった学生よりも「お決まり」に弱く頭が固いのでタチが悪い。
相手のことなんて考えてませんね。
その場さえ盛り上がれば、盛り上げ役に使われる人間の気持ちなんてどうでもいいとさえ見えてしまう。もちろん、ある程度そういう部分で演じる部分・犠牲にする部分があるのも理解はしますが、限度ってものがあるかと。
で、そういった人たちが子供を育ててればそんな姿や背中を見て育った子供が、どうなるかなんて……そりゃあ芹沢や諸星のような子供も出てきて不思議ではないだろう。
先週の話もそうですし、大丈夫なんでしょうかね、この国σ(^◇^;)
三藁改め四藁
山童、どうやら名前通り自然系操作が彼特有の能力みたいです。一目連は透視系、骨女と輪入道は変化系、そして山童は操作系。
割と名前が能力を指し示しているわけですし、そう考えれば山童―――山の小童と考えれば、山に関する自然(大地・植物)系統に関する能力というのは容易に想像出来たわけですが。
地獄コントはもう少し絶望的なものかと思いましたが、割と落ち着いていたかも。
それでも、芹沢が一心不乱に努力して得た結果が骨女の正体というのは、良いオチでした。個人的には、骨女が芹沢の醜さを見て拒絶して、さらに骨状態を見せるという二段構えくらいだとさらに面白いように感じましたが。
地獄コント中、そして流しの際など痛みを見せたあい。
これがはたして芹沢に蹴られたからなのか、それとももっと別の理由なのか……。別の理由だとすると、6話目にして早くもあいの力が弱まっている、ということになりそうですが。
次回『うそつき』。子の親殺しならぬ親送りの展開か。
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