夢使い #09
夢使い 第09話 「闇に棲む少年」
今まで世捨て人として、どちらかと言えば後方から全てを見透かし、最後に解解決してきた塔子が前線に出張って頑張ってます。そして、初めてと言っていいほどの塔子の動揺、そして一瞬垣間見えた過去。夢使いも単発のアニメと思わせながら、徐々にクライマックスに向かって歩んでいる感じですね。
それでは、詳細は続きからどうぞ。
Aパート
仕事が終わり、ビルの屋上で夕陽を眺める塔子の隣に現れた黒ずくめの少年・榊圭吾。夕陽を望みながら榊は「ここは現実と夢のはざま」と呟き、夢使いを名乗る塔子に興味を抱く。
・素朴な疑問なんですが、燐子もそうですけど夢使いってそんな公言して良いのだろうかσ(^◇^;) 普通、「私は夢使いです。これは悪夢が引き起こした~」なんて言い始めたら、警察呼びそうなものですけど。
翌日、匿名で不可解な事故の調査依頼が舞い込む。普通では考えられないほど抉られた床や道路、壁など。それらから悪夢の仕業だと考えた三嶋姉妹は、事件現場へ赴くことに。それぞれの事件現場の一部で「龍を見た」と言う不可解な言葉を気にしつつも、彼女たちは次の場所へと足を運び続ける。
事件現場の1つである私立学校へと到着した彼女たちの前に不振な女子生徒・佑美。佑美から知っていることを訊こうとした時、塔子の携帯に美砂子から別の場所で悪夢関連の事件が起きたと連絡を受け、塔子はそちらへ急行することに。
・まぁ、佑美(あの女子生徒)の反応は普通でしょうね。普通、スカートの下から緑のジャージが覗く同世代の女性や小学生がいたらそりゃあ、逃げ出しますとも( ̄∇ ̄;)
現場へ到着した塔子。そこは、あり得ない追突事故が連鎖的に起こり、悲惨な状況と化した交差点だった。そこへ再び姿を現した榊。途端、車は炎上しそこから炎の龍が姿を現す。それを見た榊は「悪夢が現実と夢の境に具現した人の夢ならば、あれは僕の夢だ」と告げる。悪夢を自認する榊に驚きを覚えながらも、夢使いとして炎龍の迎撃を試みる塔子。その隙に榊は、その場を立ち去ってしまう。榊を追いかけようとする塔子だったが、炎龍の相手で手一杯。それでも塔子は何とか炎龍を退けたものの、榊を追う事は叶わなかった。
・最初に炎の龍を叩き伏せた時の「ハァッ!」と言う発生が、Fateのセイバーそっくりで( ̄ー ̄)フフフ まぁ、声優さんは同じ川澄綾子さんですから、そっくりなのは当たり前なんですけどね。でも、セイバーと三嶋塔子じゃだいぶキャラクターが違いますから。
Bパート
美砂子の情報収集力によって、これまで起きた不可解な事故現場全てに榊圭吾が何かしらの形で接点があることが判明し、悪夢の持ち主を榊と断定。塔子は、夢床へこもり、悪夢の正体を探る。
一方、燐子は佑美と共に榊の自宅へ向かうも、そこはすでに炎に包まれていた。そして、自宅から舞い上がる龍は天へと舞い上がり、炎の龍から天の龍へと変貌し、その場を離れる。
夢床から出て来た塔子は、独り榊の場所へ。塔子には何となく榊の居場所が解っていた。そこは、最初に邂逅したビルの屋上。あの時と同じように夕陽を見ていた榊を見つける塔子。
悪夢の正体を告げる塔子。それは榊が心の内に秘めた大き過ぎる闇。闇が大き過ぎる故に、小さな闇など気にもならない。希望も無ければ絶望も無い虚無の闇を心に抱き、そのために他の何かが破壊されることを気にも留めず、むしろ望みさえしたその榊の心が、悪夢の正体だった。
あのレベルの悪夢が暴走すれば、この街は消滅する。塔子は一刻の猶予も許されない事態に、榊へかたしろに息を吹きかけてくれるよう頼むが、榊はそれを拒否する。
・ここでの榊の言葉。「人々は永遠を望みながらも、一瞬の刹那の中で生きている。ある状況下において無限大とゼロが等価値を持つように、悪夢が暴走しここで人々が消滅すれば、この刹那と言う時間が永遠に変わる」と言う言葉は印象的でした。まぁ、実際そうなんですよ。私たちだって未来を望みながら、でも今この一瞬を生きているわけでそう言った意味で正論ではありますね。
何とかかたしろに息を吹きかけてもらい、悪夢を夢へと帰したい塔子。だが、榊は頑なにそれを拒む。シールドを張り、龍の突進を防いでいる間に何とか息を吹きかけて、と頼む塔子。しかし、榊から逆に質問を突きつけられる。
「何故君はそこまでするんだ? 夢と現実の狭間にいながら……。君は僕と同じ存在だろう?」
「違います。私は、あなたとは違うんです。私は夢使いなんです」
「それは君の意思なのか?」
「ッ!?」
動揺する塔子。その一瞬の隙を突いて龍はシールドを消滅させると、自らを発生させた榊そのものへ突っ込む。塔子に名前を叫ばれた瞬間、榊は「これで良い」と最後に残し、龍に食われた。龍はそのまま天空へと昇り、そのまま消滅したのだった。
・ここでのやり取りは、なかなかにおもしろかったし、珍しかったところ。夢使いでは、悪夢を発生させた者とその原因となった者の間でこう言った心の深くまで干渉しあった会話はあるものの、悪夢を発生させた者と夢使いがこうした会話をするのは珍しい。何より、あの塔子が動揺する辺り、榊の発言は的を射ていたのでしょうね。
悪夢は、悪夢の持ち主がその命を落としたことで消滅した。塔子の脳裏に甦るのは、過去の自分。まだ父親が生きていた時のこと。父親が、仮面を被った黒服の少女の悪夢へと立ち向かっていき、そのまま命を落とした映像。塔子は、最後まで榊の息が吹き込まれることの無かったかたしろが、天高く舞い上がるのをただ見つめていることしか出来なかった。
今回はここまでです。最後の塔子の過去に登場した仮面をつけ、塔子の父親が向かっていった悪夢(?)は、塔子自身でしょうね、たぶん。髪の色は同じだし、服装も同じ。そしてあの仮面は、今塔子が身につけているものと同じであり、そして父親が見につけていたものとも同じ。果たして塔子の過去に何があったのか、そろそろ明らかになって欲しいなぁと思います。
榊の「それ(夢使いでいること)は君の意思なのか?」と言う問いかけは、夢使いをする者たち全員に、強い衝撃を与える言葉でしょうね。塔子も、三時花も、(たぶん燐子も)自分の意思で夢使いと言う位置にいるのではない。親や恋人が夢使いで、その存在を半ば強制的に継がされただけ。そこに多かれ少なかれ自分の意思はあるのかもしれないけれど、やはり世襲的な意味合いは否定できない。塔子が動揺せざるを得なかったのはこう言うこともあったんだと思います。あとはやはり塔子自身の過去にも何かありそうですが。
次回は「美砂子、出動する」。これまで通り、単発モノであるならばサポート役の美砂子が、夢使いとして出動するんでしょう。ただ、今回の話と関わってくるのなら、塔子がショックを受けてしまって、美砂子が出動せざるを得なくなった、とも。何か、初めて夢使いの次回が気になるかも(ぇ
TB先 参照リンク
・http://otaku.blog8.fc2.com/blog-entry-500.html
Comment
Comment_form