地獄少女 三鼎 第04話
『兄貴』
ゆずきの昔のクラスメイト、湯川猛は急に変わった。イジメられっ子だった彼を変えたのは男気溢れる青年・仁志田だった。
だが、そんな仁志田の印象を変える事件が起きてしまい―――
<あらすじ>
酷いイジメに遭っていた湯川猛。付けられた痣も、転んだと保険医に言い訳をするほどイジメが習慣化してしまっている状態だった。自分が変わっても何も変わらないと言う猛。
だが、猛は変わった。
冬のある日、理不尽にイジメられていた猛を救ったのは剣道着に身を包んだ青年・仁志田晋だった。最初は仁志田と触れ合っても何も変わらない猛だったが、少しずつ仁志田の男気に触れていくうちに、彼の中でも何かが変わり始める。
仁志田を真似るように剣道をはじめ、髪型もオールバック風のモノへと変わった。言動には自信が充ち溢れ、それでも誠実さを忘れない質実剛健を体現したようになる。
検事になるためロースクールを目指すと言う仁志田と一緒にバスに乗った猛。だが、そのバスにはタチの悪いヤクザ風の男が乗り合わせていた。男は、別の乗客を知っていたのか絡み、髪を切り落としてさらに組へと連れて行ってしまった。
理不尽な悪。妥当すべき悪。
だが、そんな男を前にしても仁志田は震えているだけだった―――。
猛は、自分が変わっても世界が変わらないことを感じてしまう。言い訳をした仁志田を前に、猛は手にした藁人形の糸を解く―――。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
湯川猛
何と言うか、どうしようもないほどのキャラクター。イジメられていることに対してえらく達観しているかと思えば、自分が変わっても世界は変わらないとたんぱくだったり。
結局のところ、彼は自分を中心に世界が動いていると考えるタイプの人間だったと私は思えます。
自分が変われば世界が変わる。
はたして、そう思っている人間がどれだけいるだろうか。自分が変わっても世界に与える影響なんてたかが知れているわけです。
もし彼にとっての世界=彼の周囲の環境であったとしても、彼の周りには彼以外は変わったことで設定数値が反映されるゲームのCPUのようなキャラクターではなく、同じように生きて世界に影響を与える人間なのだから、彼一人が変わることで与える影響は全世界に対するモノに比べれば大きいですが、それでも微々たるものなわけで。
それでも、彼は自分が変わることで世界が変わることを求めた。
でも、結局仁志田を以てしてもイジメと言う害悪は消えてなくならなかった。自分の意思を以てしても消すことは出来なかった。
否
立ち上がった時点でヤクザに睨まれて座りなおしてしまった時点で、結局そもそも猛自身は変わらなかったことが、猛にとっては大きなショックだったのかもしれません。
仁志田と一緒にいれば変われるかもしれないと思いながらも、そうではなかったのだと思わされてしまった一件になってしまった。
ただ、それが地獄流しに直結することが不思議でなりません。そこには絶望があるかもしれないけれど、仁志田に対して地獄通信にアクセス可能なほどの怨みを抱かせるに至るのだろうか?
世界は何をしても変わることはないし、変えることは出来ない。ならば、淡い期待を抱かせてしまう仁志田だけはせめて地獄に流して消すべきだ―――そう考えたのでしょうかね?
仁志田晋
完全なトバッチリwww
上記でも挙げたように、彼自身は善意から出来得る限りの力で猛を助けようとしただけで、彼に地獄流しされるほど恨まれるとは思わなかったでしょう。
本当に普通に見ている限り、彼に流される要因はなかったわけです。ただ、敢えて挙げるならば「言い訳」をしてしまったことでしょうか。仁志田にとって猛は救った人物で、猛にとって仁志田は救われた人物。上下で言えば、仁志田が上で猛が下の関係(あくまで簡潔に言い表せば)。
仁志田からすれば猛に優越感も感じていたかもしれないし、猛からすれば仁志田が優越感を感じていることを感じ取っていたのだと思います。
だからこそ、言い訳は許されるものではなかった。
それは、その姿が見っとも無いから、とかそういう単純なものだからではありません。言い訳のダシに使われたのは「猛がいたから(何も出来なかった)」と言うもの。でも、猛から見れば恐怖で手が震えながらロースクール入学試験用と思われるテキストを凝視してやり過ごそうとしていた仁志田の姿は、決して言い訳と一致するものではなかったのでしょう。
騙された。
そう猛が感じ取り、さらに言えば上下関係で言えば上にいる仁志田の騙し=裏切りが、これもまた「イジメ」の一種ではないか、と猛が認識してしまった可能性は高いかと思います。
もし、言い訳などせず「自分もまだまだだな」とでも見栄を張らず弱さを認めたうえで、さらに強くなるために訓練もするし法的にも力を持つために検事を目指していくのだ、と纏めるならば猛の仁志田への盲信もそう変わらなかっただろうし、地獄に流されなかったように思えます。
自分の弱さを弱さとして素直に認められるか否か。
さらにそれを活かして前に進めるか否か。
その点で猛は仁志田を見限ったのかもしれません……。
謎の保険医
CVは水樹奈々さん。シリーズを通して見ている方からすれば説明するのも意味をなさないほど、これは大きな意味を持ちます。
一期では閻魔あいと地獄通信に迫るメイン登場人物であり、二期ではわずかに成長した姿で登場した柴田つぐみ。彼女のCVが水樹奈々さんです。
どこかの某魔法少女の第三期のように、同一CVによる他キャラの同時出演がまるで意味がなくいうなれば人件費削減?みたいな展開を持つアニメならまだしも、地獄少女でさすがに出演声優の使い回し―――しかも旧シリーズのメインキャラでの使い回しはあり得ないでしょう。
普通に考えれば彼女は柴田つぐみ。
保険医として就職していることから考えても、もうすでに20代半ばから後半。そうなると、二籠から三鼎までの期間はアニメ内で10年近く経過していることになります。
既存登場人物(三藁)と新キャラとゲストキャラだけだと時系列がさっぱり解りませんが、そう言う意味では成長していくつぐみは、時系列を現す存在なのかもしれません。
こうして4話で早々と登場したことを考えればこれから物語に絡むのでしょうか? そうなると、あいがゆずきを選んだ一因に、この街につぐみがいることも理由になるのでしょうかね?
しかし、久々に鬱と言うかやり切れない終わり方でしたね。
そう言えば、確かに輪入道以上にキラリと光男はいないですね。頭も歯もwww
次回『うつせみ』。
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