CLANNAD AFTER STORY 第03話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[CLANNAD -AFTER STORY-]
『すれちがう心』
遂に始まった陽平と早苗の偽装デート。だが、そこで芽衣が観たものは自分の知らない、”変わってしまった”春原陽平の姿だった。
「あんなの本当のお兄ちゃんじゃない」
そう信じる芽衣を気分転換させようと朋也は彼女を街に連れ出すのだが、話はすれ違いを繰り返し、こじれていってしまう......。
<あらすじ>
早苗に偽の彼女を頼んで始まった陽平との偽装デート。しかし、早苗を渚の姉と勘違いしている陽平は、完全に浮かれてしまっている。陽平が連れて行く場所、場所が初デートとしてはあり得ないほど陽平が活躍できる見込みのある場所ばかり。あまりに自己中心的な選択に朋也たちは苦笑いが止まらないほど。
しかし、それがそれで収まらなくなる事態へと発展する。
夕方、公園で学年が上の男の子たちにいじめられている女の子を発見する。思わず、その姿にかつての自分と陽平をダブらせる芽衣だったが、陽平はデートに気を取られて助けようともしない。
割って入った女の子の兄。
その姿を見ても陽平は何も変わらず、道に迷った兄妹を家まで送ろうと提案する朋也たちに促されてもデートの方が重要だと言い続け、不貞腐れてしまう。
自分を助けてくれた頃の兄とは180度変わってしまった姿に愕然とする芽衣。思わず、自分にも彼氏がいると嘘をつくが、それでも陽平は芽衣の後を追ってきてはくれなかった。
そんな芽衣に朋也は気分転換とばかりに街へと連れ出す。思わず陽平のことを忘れてしまうような楽しい時間だったが、二人でいるところを陽平に目撃されてしまう。
発破をかけるために朋也は、芽衣の彼氏こそ自分だと告げるが、陽平はそれでも何も言ってはこなかった。
嘘に嘘を積み重ね、すれ違いと拗れを感じ取って朋也と渚は芽衣に全てを打ち明ける。芽衣は、陽平に元の姿に戻ってもらいたく、サッカー部に戻れないかと提案するが、そのサッカー部ともめ事を起こして退部した経緯があり、当時のもめ事を知る三年生が部をし切っている以上、部への復帰は難しいと断言する朋也の言葉だったが......。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
春原陽平
実は、私も二人兄妹で育ってきました。なので、実はこの陽平と芽衣のシナリオはそれなりに共感出来る部分があったりします。だから、普段の考察よりはし易いし、割と的を射てくれるかな、と。
次項の芽衣のところで本質とそうでない部分のことは考察するとして、陽平の心理は至って単純だと思います。それこそ、子供の頃から変わってはいない部分の一つでしょう。
『見栄』『プライド』
これだけだと思います。
見栄やプライドは誰にだってあるものです。人である以上、周囲の人に少なからず良く見られたい、良く評価されたいと言うのは当然の願望であり欲求であり自然な追求。
おそらく相手が友人知人の類いならここまで話はこじれなかったし、陽平もプライドを押しださなかったでしょう。
でも、相手は実の妹。肉親であり、家族。
幼い頃からの自分を知ってくれ、一番長い時間互いの姿を見続けて来た間柄だからこそ、存在が近くになり過ぎて普段褒められることが減ってしまいがちな関係だからこそ、相手に少しでも良いところを見せておきたい。
別に言葉に出して褒めて欲しいわけじゃない(もちろん、そうされればそれはそれで嬉しいのですが)。けれど、家族が自分に対して良い評価を持ってくれていること、周囲に対して自慢の家族だと想ってくれていることはきっと望むはず。そのためのプライドって、普段私たちが考えているよりもずっと高いのだと思うのです。
日本人は割と外(他人へ)で自分の家族に高評価を与えて自慢することって少ない。でも、それは日本特有の謙遜の精神だったり、控え目な精神だったりするもので、実際はそんなことをしている日本人ほど自分の家族に対する高評価を周囲へ期待するのだと。
さらに言えば、陽平から見て芽衣は妹。兄として妹の自慢できる兄であり、お手本でありたいと言う気持ちはやっぱり強いです。
勉強だって、運動だって、進学だって何でも兄は妹の一歩先を歩いていきたいもの。そして陽平は、勉強はともかく、運動も進学もしっかり“春原芽衣の兄”として誇らしい成果を残したわけです(陽平の光坂への入学は、サッカー部での功績による推薦入学。田舎の中学から、少なからず都会方面の大きい高校への入学は進学結果として田舎では“成功”と捉えられるわけです)。
だから、芽衣に恋人がいる偽の告白は逆効果だったわけです。陽平だって、今の早苗との関係が偽だとしっかり理解して(その上で誤解して)いるわけで、そうなると芽衣が兄の一歩先を進んだことになる。
もちろんそうなる分野は必ず月日を重ねれば出て来ることですが、それを受け入れるほど陽平はまだ大人ではなかったと言うこと。
そう言った部分が巧く描けていたかな、と思います。
春原芽衣
時間の経過と環境の変化によって陽平が変わってしまったのだと言う芽衣。
でも、彼は変わってしまったのか。
答えは否、でしょう。本質は変わっていないけれど、月日を重ねればそれだけ本質の上に被せていくモノも当然多くなる。ただそれだけなのです。
兄の見せる見栄やプライドだって、兄が兄として妹よりも上にいたい・いなければならないと言う一種の自尊心故の行動だし、上記で挙げたように芽衣の言動が余計に陽平の空回りを加速させてしまっているのも事実。
そして本質の上に被るモノが増えれば増えるほど、自分の本質を表に出すことは難しくなる。
一種の気恥ずかしさにも似ているかもしれません。
被ってきたモノによって、周囲に対して持たれているイメージ通りのキャラクターを演じている部分は、誰にだってあるわけで「優等生」なら優等生の仮面を、「不良」なら不良の仮面をかぶって演技している部分は誰にだってあるわけです。
例えば、今回陽平が幼い兄妹を助けなかったシーン。あそこはあそこで陽平として「不良」の仮面をかぶって演技いていなければいけなかったのです。兄として、高校で充実して生活していると芽衣に嘘をついていて、おまけにその要因が早苗と言う恋人(偽だけど)となっている以上、早苗を放っておいてまで兄妹を助けられなかった。
さらに言えば、芽衣、朋也、渚と言う普段の自分のグータラな自分を知る人間がいる以上、それもまた「いつものダメダメな春原陽平」を演じなければならず、結果として優先順位として陽平は早苗が上にくるミステイクをしてしまっただけ。
人は変わらないけど、月日によって上に覆いかぶさるものが増えていく。
それを芽衣は理解できていないし、しようとしていないのです。
兄は変わっていない。変わるわけがない。
年月の概念とそれによって積み重なる経験をまだ思考に取り入れられていないだけ。まぁ、中学生の芽衣にそれを理解しろというのが難しい話かもしれませんけどね。芽衣が幾ら聡明で、しっかり者で、思わずその血の繋がりを疑われるほどの存在だったとしても、彼女もまだまだ子供なのですから……。
岡崎朋也
発破をかければ陽平が追ってくると思ったらしいです。まぁ、普通の彼ならそうなんですけどね。扱い易いと思っていたはずの陽平ですが、上でいろいろ書いたように、一人っ子である朋也ではそう言った部分まで加味出来なかった結果、話を複雑化させてしまいました。
確かに一人っ子にはなかなか兄妹に対する見栄やプライドって解り辛いものかのかも。
加えて言えば、割りと自分のことを棚に上げているな、と。
兄妹と言う関係が親子に変わったら、今の陽平と芽衣の嘘を重ね互いの本当の姿から目をそむけて逃げている状態は、朋也と直幸の関係に近い部分があるはず。
それを考えれば、朋也だって発破をかけたって直幸と面と向かわず逃げるように、陽平も似たような行動を取るだろうことは自然の道理のような気がします。
でも、自分のことは他人のことより解り辛いと言うように、そこまで考えが及ばなかったのでしょう。
それはおかしいことじゃないですから、何とも言えませんね。でも、芽衣に「お兄ちゃん」と呼ばせてもだえる姿はやっぱり変態ですwww
古河早苗
個人的に一番の元凶はこの人だと思っていますです、はい。
大人代表として人を導くことに嘘を使うことを了承し自ら手を貸した罪は重いのではないか、と。それで彼女は陽平や朋也たちを先達として導いているつもりなのでしょうか?
陽平と連絡を取り合う約束をかわし、二度目のデートの約束までとってしまった。その必要性はどこにあったのでしょうか?
それをやることで、早苗は陽平に何を促そうとしたのでしょうか?
それが全く見えない、ないし原作でも見えなかったから私には早苗が単に遊んでいるだけにしか見えなかった。芽衣を安心させるためだけの偽の関係であり偽のデート。確かにそれで芽衣を安心させることは出来なかったけれど、問題は別のところへ推移してしまったところでもう一度デートをする意味がない。
そんなわけで一番の元凶はこの人です……たぶん。
余談。
冥王……じゃなかった、芽衣の「お兄ちゃん」の破壊力の高さはさすがです。ええ。中の人が中の人ですし、私も原作をプレイしていた頃に撃沈した記憶があります(爆 ※青線のリンクから原作感想記事へ飛びますが、原作のネタバレ・記事の都合上、有紀寧ルートのネタバレがあるので閲覧される方は注意してください。
まぁ、でも「うっしっし」と腹黒い笑い方はやっぱり冥王様(マテ
次回『あの日と同じ笑顔で』。サッカー部への殴り込み……はやらないっぽい? でも、あんなのいくら深夜でも放映出来ないか。それでも朋也との喧嘩はやってくれそうですね。なんか80年代の青春ドラマっぽいwww
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