地獄少女 三鼎 第02話
『籠ノ鳥』
ゆずきの周りで起き始めた地獄流し。次の依頼者は知り合いの男子学生、北山明。あいに見せられた明の怨みの理由と様子から、何とかして止めようとはするのだが……。
<あらすじ>
都市伝説に過ぎないはずだった地獄少女である閻魔あいと自らが何らかの接点を持っていると感じ始めた御景ゆずき。「地獄少女」「藁人形」「恨み辛み」と言ったキーワードに過剰に反応してしまうようになったゆずきは、丹下先生を地獄に流し転校していった級友・逸子を思い返していた。
その矢先、その視界に映る新たな怨み。
ゆずきの知り合いの男子学生・北山明(きたやま・あきら)には気になる女性がいた。ゆずきたちが住む町の小さな山岡電気店と言う電気店にいる夫人・山岡美津子(やまおか・みつこ)のことだ。とても彼の周囲の中学生の女子では醸し出せないような大人の色香に酔ってしまったように明は、美津子にのめり込む。
しかし、美津子には電気店の主人でもある夫・山岡誠次(やまおか・せいじ)がいた。
それならそれで明は高嶺の花として諦めたかもしれない。
だが、美津子は誠次から酷い暴力を受けていることを明は偶然知ってしまっていた。店番をしている美津子の下へ30分置きにかかってくる電話をはじめ、夜になれば店の隣にある倉庫での拷問のような吊るし上げにされての暴力。
きっと美津子は逃げたがっているに違いない。
きっと美津子は自分を頼っているに違いない。
そう思いこんだ明は、地獄通信へアクセスする。その光景を見せられたゆずきは、明からそのことを暗に相談されたため、何とかして止めようと説得を試みるのだが......。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
北山明
前回の平石逸子とはまた違った形での、イタイ子。
自分のしていることは正しくて、自分の想いを相手が理解していて、相手の気持ちは自分の想像通りだという妄想の果てのなれ。
彼のしていることは一見正しいようで、本当はあまり正しいわけではないのだと思います。夫婦と言う領域に彼が足を踏み入れるだけの理由はないわけです。
なぜ美津子は暴力を受けて逃げないのか。
警察に駆け込まないのか。
離婚しないのか。
そう言ったものをちゃんと想像出来れば、自然と答えは見えてきそうなものです。
ちゃんと誠次と美津子の間には『愛』があったのだ、と言うこと。
ただ、その『愛』が向くベクトルが明もそうだし、一般人からすれば理解しがたいものだっただけ。
だからこそ残念なわけです。
彼には夫婦の領域に足を踏み入れる“理由”はないけれど、足を踏み入れる“覚悟”はあったのだから。
単なる一時の気の迷いではなかったはず。そうでなければ、自らが死後地獄を彷徨うことを知った上で、それでも足を踏み入れ、そして糸を解くことなんてとても出来なかったはずだから。
その覚悟がもっと別の方向に向いていれば……と思いますね。
山岡美津子
私の予想では、実は誠次からの虐待は一種の“プレイ”でそれを美津子自身も楽しんでいた。なのに誠次を地獄に流されて明に逆ギレと言うのが予想だったのですが、割と普通だったようです。
別に彼女は明に色目を使ったつもりなんてないでしょう。ただ、中学生相手にはやや露出のする服装は刺激が強過ぎただけ。
でも、もしかしたら明に少しだけ期待していたのかもしれません。話をする相手は夫だけ、と言う日常から少しだけ脇道にそれた非日常を。そのちょっとした期待を、明は過度に、そして勘違いして受け取ってしまっただけで。
言うまでもなく美津子は誠次を愛していた。だからこそ、地獄に流された後、姿を消したわけです。希望を持って誠次と始めた電気店。その希望の進む道は大きく逸れてしまったけれど、それでも美津子の愛情は変わらなかった。
彼女はある意味酔っていたのでしょう、夫の暴力に耐えながらそれでも夫を愛する女性、と言う自らの悲壮さに。
そんな誠次無きこの街に自らの存在意義を失って姿を消した。
正直、彼女への批難はあまり考えられません。『夫の暴力に耐えてなお夫を愛する女性』に酔っていたとするなら、誠次の行動は彼女にとって大きな負ではないわけですし。ただ、周りの男たちがあまりに勘違いを繰り返していただけで……。
そう言った意味では明が惑わされたように、魔性の女性なのかも。
山岡誠次
過去の写真を見る限り、店を立ち上げた時は普通だったみたいですね。それがどのタイミングで変わったのかは解りません。正直、あまり繁盛してないようですし、巧く行かない経営に対して少しずつ変わって行ってしまったのかもしれません。
地獄に流される前のお仕置きや流される時のことを振り返れば、彼は彼なりに美津子を愛していたわけです。そう考えると、この夫婦はちゃんと相思相愛だった。
ただ、誠次の向ける愛情は普通とはかけ離れていて、常軌を逸していただけで。
全ての元凶は確かにこの男です。
この男の愛し方がもっと普通ならこう言う展開にはならなかったでしょう。それでも普通でない愛し方を受け入れてしまった美津子と、そんな美津子の過少な期待を過大に受け取った明と言う二人がいてしまったためにこうなった。
出来事は常に一つの要因ではなく、複数の要因が重なり合って成り立っている。
そんなことが感じられる三角関係。
御景ゆずき×閻魔あい
今回明らかになったのは、「あいには実体がない」と言うこと。これは当初から予想していた範囲内のことですね。
だからこそゆずきが必要。
一目連の予想は『気まぐれ』、山童の予想は『仮の宿』
『宿』と言う表現が意味深かもしれません。宿と言うことは、一時的な依り代に過ぎないと言うことで、あいが目指すべき到着地点は別にある、と言うことですから。
ただ、現時点で仮にそうだとしても、それが何なのかは推測し辛いでしょう。如何せん、情報が少なすぎる。
私の予想は『復活の母体』。
完全にあのゆずきからあいへの変貌の描写を捉えると、あいがゆずきから養分を吸い取って成長し誕生すると言うことになりますから。
ただ、その『養分』と言うのがカギ。
それがゆずきの生命力なのか、
はたまた地獄に流した者の魂なのか、
それとも地獄流しを見せられたゆずきの壊れていく心なのか。
どちらにせよ、ゆずきは今後も地獄流しを見せられ続けることで何らかのモノをあいに提供し、それを代償として背負っていくような気がします。
余談。
お仕置きコントがお仕置きらしくて良かったですね。こう言うものこそが地獄少女って感じがします。
次回『腐った果実』。
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
・http://ameblo.jp/wv002524/entry-10151370208.html
・http://blog.goo.ne.jp/chaosbrave/e/568c5daff631b9a3d19dbed27010ef3c
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