地獄少女 三鼎 第01話
『奪われた少女』
閻魔あい再び。
その職務を全うして答えを見つけ出し地獄に流されたはずのあい。だが、あいは再び人間の世界にその姿を見せる。
ただし
御景ゆずきと言う躯を借りて―――。
<あらすじ>
閻魔あいが400年の職務を終え、地獄に流されて幾年月。輪入道、一目連、骨女は人間界になじんでいたが、そんな彼らの前に、あいと共にいた少女・きくりと謎の少年妖怪・山童がいた。
予想もしていなかったあいの帰還。しかし、それは意外な形で―――。
賽河原第四中学に通う御景ゆずき(みかげ・ゆずき)は、ごくごく普通の中学三年生。彼女の友人の一人・平石逸子(ひらいし・いつこ)は、何かとあるとメモ帳を取り出して何かを書き、内申書に反映させると脅しともとれる行動を取る教師・丹下英人のことが気に入らない。
今日も今日とて授業中の悪戯が見つかってメモを取られてしまう。逸子は、ゆずきと共通の友人・高杉秋恵(たかすぎ・あきえ)の父が第四中学の校長と知り合いと言うことで、その伝で英人をクビにしようとするが、巧くいかない。
証拠が必要だと知った逸子は、わざとホテル街に英人を呼び出し抱きついたところで写真を撮ることで証拠を捏造しようとしたが、そこにいたのは英人ではなく彼女の両親だった。
翌日から、目に見えて反抗的な態度を取るようになった逸子。地獄通信にアクセスした彼女の手には黄色の藁人形があった―――。
解かれる糸。
しかし、それは少しばかり早かった......。
感想・考察はOPENからどうぞ。
<感想・考察>
やってきました、地獄少女第三期。相変わらず鬱なアニメですねー。仕事終わりに観るものじゃありませんね♪ しかも、明日も朝早いってのにな☆
そんなわけで、感想です。
○平石逸子
まぁ、痛い中学生と言われてしまえばそれで終わりなキャラです。本当にいそうな女子中学生。まさしく現代っ子。
つまり、自分の非を棚に上げて相手だけを非難する。
それは一概に悪いとは言えないのではないか、とも思いますがね。自分の非を棚に上げてでも、相手を非難しないといけない時はそれなりにあるはずです。
ただ、それは相手のためを思ってのこと。
彼女には相手のためを思って、と言う想いがゼロだった分、単に自分の思い通りにならないことが気に食わないだけの我侭少女でしかなかった、と言うことです。
授業中の落書きも、ポータブルプレイヤーでの視聴も、夜中に女子中学生がホテル街を歩くと言う疑われても仕方ない行動を取ったことも全て彼女に非がある。
ただ、哀しいのは、おそらくその非を非としてストレートに戒める人間がいなかった、と言うことでしょう。下記の丹下英人も、彼女の両親も、そして彼女の友人もそれがいけないことだとは劇中で一言も言っていなかった。
丹下はメモ帳と言う間接的な手段を取り、両親はおそらく非を責めるより「なぜ」と問うだけだっただろうし、友人は流されるだけだった。
環境が人を作り育てるのだと改めて感じることが出来るキャラだったと思う。
○丹下英人
実は良い教師だった、と言うオチ。まぁ、実際に良い教師だったかどうかは個人的に微妙ですがね。
彼からすれば、おそらく「教師」と言う存在は憎まれ恨まれる側面を必ず持つ、と認識があったのだと思います。だからこそ、あんな態度を取る選択が出来る。そうやって怨みを買うことで、生徒たちの反発心・反骨心を煽り、真価を目覚めさせると言うところでしょうか。
私から見れば、それは良い教師のようだけど単に一昔前の理想論に過ぎないように見えてしまう。二昔前の理想論教師だったら「話し合えばわかる!」と言う熱血漢で、相手の非をストレートにぶつけるタイプだったでしょう。
おそらく平石逸子にはそちらの方が良かったはず。
一昔前の、「実は良い教師」的な教師は結局逸子には合わなかったのだと思います。直接言ってくれなきゃ分からないタイプの少女。だからこそ、逸子は英人を恨んだのです。
暗示するだけではダメな時もある。時に直接言わなければいけないこともある。
それを英人は知らなかった。
そして一つの意味を持ったメモ書き。
結局、メモには何も書かれていなかったわけで。
おそらく、彼の生徒が三人高校浪人した、と言うのは個々に事情があったのでしょう。もしかしたら、その高校浪人をきっかけに今の彼があるのかもしれない。
「高校浪人を三人も生み出した教師のメモ書き」
ではなく
「高校浪人を三人も生み出してしまったがための教師のメモ書き」
ではなかったのか、と言うこと。
ラストのシーンから察すれば、以前はもっとフレンドリーな教師だったけれど、その分生徒に舐められ、生徒が真面目に勉学に取り組まなかったために浪人生を三人も生み出してしまった。その結果として、彼は生徒に緊張感を持たせるために内申書に反映させると言う嘘とメモ帳に何かを書くフリをすることを思いついたのではないか。
結局、それがどこまで好転したのかは測り兼ねます。
実際、地獄通信にアクセス可能なほど逸子は怨みを抱いてしまったわけです。地獄に送られることを承知で、それでも糸を解くほどの怨み。
二籠でも似たような設定がありました。愛の鞭とばかりに厳しい教師に育てられた生徒は、自らの失敗全てをその教師に押し付けて……と言う、展開。
上で書いたように現代っ子の感覚が巧く生きている設定。愛の鞭に対して、それを「愛だ」と気づくには時間がかかるし、おそらく気づくには一定の成長や成功が必要なわけで……それを得られなければ、それは「愛」とは感じられない。
愛憎
愛しさ余って憎さ百倍
こんな言葉があるように、「愛」に昇華出来なかった想いは全て「憎悪」になってしまう典型的な例なのかもしれません。
○御景ゆずき×閻魔あい
あいがゆずきの体内(魂)にいるようです。考察材料が少ないので今は何とも言えませんが。
考えられることは、閻魔あいがゆずきから産まれたシーンでしょうか。彼女を苗床にして成長したかのようなあい。それはつまり、あいの転生体がゆずきではないか、ということ。
400年の職務を終え、地獄に流されたあい。この世界の設定では地獄に流された魂は永久に地獄で痛みと苦しさで彷徨い続けるらしいが、もしそれを乗り越えた先に転生の道があるのだとすれば……。
あいは何らかの理由(400年の地獄少女の職務を行ったこと?)で転生の道を掴んだ。その先が、ゆずき。ゆずき自身があいの転生体、ないしゆずきが生む子があいの転生体ではないか、と(子供と言う理由は、ゆずきが苗床のような描写があったため。蛹から生まれる蝶のような誕生の仕方をしたあいだが、あれを人間風にすれば出産ではないかと直感的に思えたので)。
この辺りは謎ですね。きくりも肉体ではなくておもちゃに乗り移っただけのようですし、山童の登場の意味も考えなければなりませんね。
次回『籠ノ鳥』。
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
・http://ameblo.jp/adam/entry-10147866770.html
・http://blog.goo.ne.jp/chaosbrave/e/d9d2f60d2ff5fefeb54b565f8a841813
・http://blog.goo.ne.jp/yyrickyleo/e/3463399df5b69d116097c1dd5c900afd
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51100503.html
・http://blog.livedoor.jp/kuma_road51/archives/51761738.html
・http://blog.livedoor.jp/ms_2001/archives/50619119.html
・http://blog.livedoor.jp/natsu_ki00/archives/51088998.html
・http://blog.livedoor.jp/radical_weapon/archives/51392508.html
・http://cactusanime.blog104.fc2.com/blog-entry-556.html
・http://intellctual.blog34.fc2.com/blog-entry-197.html
・http://jigo.blog102.fc2.com/blog-entry-726.html
・http://lapis16.blog82.fc2.com/blog-entry-1101.html
・http://lessiy.jugem.jp/?eid=1470
・http://norarinhouse.blog74.fc2.com/blog-entry-403.html
・http://okimamoton.sblo.jp/article/20538270.html
・http://plaza.rakuten.co.jp/aoi78/diary/200810060000/
・http://plaza.rakuten.co.jp/syofactory/diary/200810050000/
・http://rincolu.blog15.fc2.com/blog-entry-1750.html
・http://seraraku2.blog59.fc2.com/blog-entry-2703.html
・http://subcul.jugem.jp/?eid=1014
・http://variegato.blog34.fc2.com/blog-entry-1385.html
・http://www.mypress.jp/v2_writers/kasumidoki/story/?story_id=1775382
・http://yfuji.moe-nifty.com/compass/2008/10/post-9891.html
・http://yuima.blog6.fc2.com/blog-entry-896.html
もしよろしければ、拍手ボタンをポチッと押して下さいm(_ _)m 管理人のモチベーションが上がります(ぉ
Comment
Comment_form