Fate/stay night 第21話「天地乖離す開闢の星」
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[Fate/stay night]
Fate/stay night 第21話「天地乖離す開闢の星」
おそらく、原作を全く知らない人にとっては今回のサブタイトルの意味はさっぱり不明でしょうね。一応、今回で既出となったので言っておくと、「天地乖離す開闢の星」とは、金ぴかことギルガメッシュがセイバーのエクスカリバーを破った「エヌマ・エリシュ」のことです……たぶん(ぇ。 すみません、私自身原作をやったわけではないので、うろ覚えなのです(マテ でも、大筋ではあっているはず。
金ぴかの正体も、世界最古の王であるギルガメッシュと解り、いよいよ物語もクライマックス(と言うか、もう21話ですしね)。キャプチャで画像を使えない分をカバーすべく、気合いれてレビューしたいと思います。今回は本当に色々な意味で気合入りまくり。書いた自分が驚いてます……文章だけでよくあそこまで書くもんだ( ̄∇ ̄;) では詳細は続きからどうぞ。
クライマックスに近づいてきたので、気合が入っていることを表すために、それぞれのセリフや重要と想われる部分は、カラーにしてみました。色は、青=セイバー、赤銅=士郎、金=ギルガメッシュ、明るい赤銅=アーチャー、赤=凛となってます。凛とアーチャーは区別がつきにくいかもしれませんが、同時に出てこないので大丈夫です(ぇ
OP前
ここに来て、互いの根底の部分に持ち得る「信念」や「想い」で大喧嘩をした士郎とセイバー。セイバーが帰って来ないため、士郎が迎えに行ったその帰り道、2人の前に姿を現したのは、金色のサーヴァントだった。
金色のサーヴァントと対峙しようとするセイバー。しかし、セイバーが犠牲になるのを一心に拒んだ士郎が逆にサーヴァントへと飛び出す。だが、所詮は人間とサーヴァント。金色のサーヴァントが指を鳴らした瞬間、士郎の身体は何か(ゲート・オブ・バビロンの中の武器?)で貫かれていた。
Aパート
地面に伏した士郎。金色のサーヴァントは、セイバーを現界させ続けるために敢えて今はまだ殺さないと告げる。その一言でセイバーは武装。上段から一撃を振り下ろすも、サーヴァントの周辺に出現する剣によって防がれてしまう。
「ゲート・オブ・バビロン」。その言葉で、金色のサーヴァントの背後から出現する大量の宝具級の武具。正体を掴めないセイバーに金色のサーヴァントは自らの口で、その正体を明かす。
金色のサーヴァントの正体。一英霊にして、他の英霊の比ではない数の宝具を持つ彼の正体は、世界最古の王。英雄王とも呼ばれるギルガメッシュであった。
ブリテンの王・アーサーvs世界最古の王・ギルガメッシュ。勝ち目が見えた風に言葉を紡ぐギルガメッシュにセイバーは「やってみなければ分からない」と告げ、約束された勝利の剣「エクスカリバー」を抜く。それに対峙すギルガメッシュも、天地乖離す開闢の星「エヌマ・エリシュ」をゲート・オブ・バビロンから取り出す。
互いに必殺の一撃。しかし、エクスカリバーの放った黄金の光はエヌマ・エリシュの放った禍々しい真紅の光の前に霧散し、セイバーを襲う。
「世界最強の剣はこの程度か。相殺すら出来ぬとはな」
高らかに笑い声を上げるギルガメッシュ。倒れていた士郎は、セイバーに声をかけるも、セイバーの視線は焦点を失い、その腕は虚空をさまよう。「士郎、そこにいるのですか?」と言う言葉に、セイバーが先ほどの一撃で視力を失ったことを察する士郎。セイバーの下に歩もうとするも、傷は深くそれすら叶わない。
それでも士郎は立ち上がると倒れたままのセイバーの前に立ち、選定の剣「カリバーン」を投影し、ギルガメッシュと対峙。しかし、ギルガメッシュは、全ての宝具が自分の持つ宝具から生まれた複製であると告げ、カリバーンの源流となった剣を取り出す。
「複製では原典には勝てん」
その言葉通り、士郎の投影したカリバーンは一撃で折られ、士郎は右肩から深く斬られる。視覚を失ったセイバーの耳に届く嫌な音。その音に、「士郎!?」と問いかけるも答えは返って来ない。ギルガメッシュから、「我のものになれ」と言われるセイバー。騎士としてそれを呑むことが出来ない一方で、士郎の身を案じ返答に困る。
「ダメ……だ。答えるな、セイバー」
そう言って士郎は再び立ち上がる。
「いやだ……こんなことで、私はあなたを失いたくは」と告げ、もう止めるよう促すセイバーだったが、士郎はハッキリと「セイバー以外に欲しいものなんてない!」と告げる。
ギルガメッシュはとうとう士郎を消すよう決意。それに対し、士郎も投影を開始する。脳裏に浮かぶは、今回の紅き外套を纏ったアーチャー。
「想像するのは常に最強の自分」
アーチャーの言葉を思い出し、かみ締めるようにして投影を続ける士郎。身体を通る回路は、とうとう全て解き放たれたその時、黄金の光が昇天。
士郎の目の前に投影されたのは、黄金の鞘。その出現によって、セイバーの視力は回復し、傷も完治。セイバーは鞘の正体に気付き、無言でエクスカリバーを差し出し、2人でその鞘へ剣をしまう。ギルガメッシュから放たれるエヌマ・エリシュ。しかし、その真紅の波動は鞘によって弾かれ、逆にギルガメッシュを追い詰める。思わぬ反撃を喰らったギルガメッシュは、そのまま一時撤退するのだった。
ギルガメッシュの撤退で、気が抜けたのか士郎は崩れ落ちそうになるも、そこをセイバーに支えられる。気を失った士郎に、セイバーはそっと呟く。
「シロウは……私の鞘だったのですね」
それは、自分が持つ剣「エクスカリバー」の失われた鞘「アヴァロン」を士郎が内包しているということだった。
Bパート
夢を見る士郎。それは戦の光景。対峙するは、アーサー。そしてその子であるモードレッド。「王としての資質が無い」と告げ、アーサーはモードレッドに王位を譲らなかった理由を明かす。
夢から覚めた士郎。その身体はすでに完治していた。看病をしていたセイバーは、「起きれるのなら何か食べた方が良い」と士郎に告げ、部屋を後にする。台所で奮闘するセイバーだったが、王であった彼女に料理の経験は無いのか、渋々士郎の手を借りて料理を作る。
そこで士郎は改めてセイバーに聖杯を使ってこの世界に残るよう進言するも、セイバーはそれを拒むように台所を後にする。それを追った士郎は、そのままセイバーを抱きすくめる。「嫌なら突き放せば良い」そう告げる士郎に、セイバーは「それは……卑怯だ」とだけ告げる。
翌日、士郎は1人家を出る。エクスカリバーを開放したことで失った魔力も補充し終えたセイバーはいつでも戦えると告げる中で、士郎は第8のサーヴァント「ギルガメッシュ」について相談すべく言峰教会へ向かう。
だが、そこに言峰の姿は無い。本能が拒む中で、士郎は教会内へと足を進め、そこで骨と皮だけになるほど痩せ細った人(子供)たちを見つける。信じられない光景に後ずさったその背後には、言峰と、そしてランサーの姿。士郎は、出現したランサーの槍に再び貫かれてしまうのだった。
今回はここまでです。これだけ観てると、毎回士郎は傷を負ってピンチな状態ですね……。「セイバーもつけず出歩きなんて」って思う反面、「さすがに言峰が敵だとは思わないだろうな」とも思います。
でも、セイバーは……なんか、揺れる恋心って感じで良いですね。彼女の中に常にある王としての責務、騎士としての精神、それらとは裏腹に士郎を想う心が如実に表れた感じです。Aパートで「いやだ、こんなことであなたを失いたくは」と言うところは、単にサーヴァントとしてマスターを失うわけにはいかない、と言う想い以上のものを感じました。
さて謎解き……ではなく、ちょっとした解説を。
1.黄金の鞘
今回、士郎が投影した鞘「アヴァロン」。劇中でその名前や存在、士郎が投影出来た理由などはまだ明かされてませんが、近いうちに劇中で明らかになると思うので詳細はネタバレ回避のために止めておくとして。それでも、私が「アヴァロン」と言う言葉を出したのは、ある意味既出だったからです。
Fateを毎回観ている方なら分かると思うのですが、以前士郎と凛が衛宮邸の離れでセイバー(と言うかエクスカリバー)について会話したことがあったはずです。凛はそこで「エクスカリバーが凄いのは剣ではなくて、鞘。その鞘がある限り、アーサー王は不死身だった」と言う発言をしている(はず)。そして士郎はそこで「だったら、何でアーサー王は死んだんだ?」と言う問いを投げかけている。かなり前なのでスルーされ気味なのですが、それはここに繋がる伏線だったと言うわけです。つまり、アーサー王を不死身とした鞘は失われていたが、今回士郎によって投影された、と(詳細はちょっと違うのですが、上記の通り、次回か次々回で明らかになると思うので、この辺で)。
2.ランサーのマスター
まぁ、誰もが気付くことですが、言峰と一緒にいたことから言峰がマスターなわけです。実は言峰は、聖杯戦争を管理する立場でありながら、参加者でもあった、と。その辺りも、いずれ明らかになるでしょう。
3.夢の中
今回、Bパートの冒頭にあったのは「アーサー」とその子「モードレッド」の戦いの場面です。モードレッドの顔がセイバーそっくりだったのはびっくりました。アーサーの子とは言え、当然それはセイバーの実子ではないはずなのです(セイバーは女性だけど、アーサーは男として扱われてきたのだから)。なんでそっくりだったんだろう……原作だと明らかにされてるのでしょうか? それとも単にアニメーションとして、そっくりの顔の方が親子っぽいから?
ちなみにモードレッドは以下のような説明がなされています。
「アーサーの甥、もしくは不義の子とされる。アーサーがラーンスロットと戦うために国を留守にしているあいだに謀反を起こした。軍勢を率いて舞い戻ったアーサーとの間に最後の戦いを行い、アーサーとの一騎討ちで、アーサーの額を兜ごと割ったが、槍で胴体を突き抜かれ息絶えたと言う。」(「Dictionary of Pandemonium」のモートレッドの項目から参照)
そろそろクライマックスですが、またまた士郎ピンチ。セイバーも気が気じゃないでしょう……って言うか、凛はどこ( ̄∇ ̄;)
「セイバーはマーリンの魔法で男になって、世継ぎを作った」
そうなので、モードレッドは実子です。
・・・しかし、アーサー王伝説では「5月1日生まれの者が円卓を滅ぼす」って予言を聞いて5月1日生まれの者を皆殺しにしてるんですよねぇ、アーサー王。
「お前が王にふさわしくないからだ」って、モードレットの性格が歪んだのって全部あんたのせいじゃないか、アルトリア!
・・・それも含めてやり直したいのかなぁ。