D.C.II 総評
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[D.C.Ⅱ~ダ・カーポⅡ~]
数々のファンディスク・追加再移植を始め、アニメ・コミックと多方面展開をした名作ゲーム・D.C.-ダ・カーポ-の続編であるD.C.II-ダ・カーポII-のアニメ化。前作にゆかりのあるキャラクターそのものや、そのキャラクターの苗字を持ったキャラクターなどが登場し、前作から53年と言う月日が経過していることなども話題になった。
そんなD.C.IIの私の評価ですが...
D
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
D.C.II-ダ・カーポII-
放映日:2007年10月~2007年12月(全13話)
私が視聴した放映局:東京MXテレビ、テレビ埼玉
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。 07年12月に評価体制が若干変わりました。
シナリオ構成 評価:D
シナリオ評価でDをつけるのは初めてかもしれない。それくらい悪い。
何が悪いって、この13話を通して監督や脚本家が視聴者に何を伝えたかったのかが見えてこない。仮に二期を前提に作っているとしても、一旦最終回を迎えるならばそこで何かしらのメッセージが無くてはならないはずだが、それがまるでない。美夏の騒動で何を伝えなかったのか、小恋と恋人になり別れた意味は何だったのか、そう言うのが見えない以上、そこに価値を見出すのは難しい。
演出 評価:C
演出もどう評価して良いか分からない。個々の場面の演出は妥当だったとは思うが、演出は一定レベルでシナリオと直結するので......。
キャラクターの内面をどこまで表現できたか、と言う点については美夏は(13話も使っただけあって)◎。小恋・ななかに関しても、私の個人的な好悪を抜きにすれば◎~○の評価は与えられるだろう。
問題は、他に大多数でヒロインがいること。特に明らかに妬いていた由夢、恋人である小恋の約束を放棄してまで義之が帰還した原因たる音姫と言う朝倉姉妹の描写がまるで無視されていたことはいただけない。二期を前提にするにしても、それならそれは二期に持ってくるべきであって、一期に入れるべきではない。キャラの空気化を考えればこれぐらいの評価が妥当。
作画 評価:S
とにかく作画だけは良かった作品。1クールと言う短期間であることもあるのだろうが、特に目立った作画の崩壊は見られず、むしろ同期間内に放映されていた作品内でもトップクラスの作画レベル。これは素直に高評価出来る。
CAST 評価:B
何と言うCASTの無駄遣い。わざわざ前作のD.C.でメイン格の白河ことり役を張っていた堀江さんを再度メイン格の別キャラである由夢に当てる意味が解らない(来年春発売のPS2ゲームの影響だろうが)。あとは、演技力だったり、キャラのイメージだったり、そういうものよりも歌唱力が優先されたように見えるななか役の茅原さん。その他、豪華ではあるのだけど、私を含めて原作既プレイ・未プレイ問わずキャラの持つイメージとのギャップがあって、それが最後まで埋まらなかったように感じる。
OP/ED/BGM 評価:B
OP・EDともに悪くはないけれど、私の中ではインパクトに欠ける。アニメ版D.C.シリーズを一通り見ているし、ゲーム版もプレイしているのだけど、その中の曲の方がインパクトが強いせいだとは思うが……。
総合 評価:D
最低ランク評価です。従来通りの評価ならBランクなのですが、今期評価から五項目合計に±で私の主観を加えることになって、2ランクマイナス。正直、この出来でBランクアニメ入りされても困る、と言うものもあります。
私は、この作品に期待していました。と言うのも、アニメ版D.C.シリーズに私はことごとくやられているからなんです。まぁ、最初のアニメ化はまだしも、S.S.はもう私の中で評価をするに値するのかさえ悩んだくらい。それは原作厨とかそういうことじゃなくて、普通にS.S.での一部キャラクターの扱いの酷さで。
序盤はそれを覆してくれると信じていたわけで、その通りだったのですが、中盤から終盤にかけてあれよあれよな展開になって、気がついたら、結局小恋は噛ませ犬的だし、この終わり方でスタッフが何を伝えたいのか分からなくなっていた。
もし、これで仮に小恋との関係が明確になっていればまた評価は違っていたと思います。別れた直後で自分から動かない義之。彼が小恋をどう考え、自分の言葉でこれからの関係を小恋にもっとちゃんと伝えて欲しかった。その結果が、やり直したいのか、絶縁なのか、友達なのかはどれでも良いです。二期で朝倉姉妹を絡ませるなら友達に戻るのがベストで確かに「何だったの?」と思う方もいるしょうけど、それでも構いませんでした。そう言う小恋の“結果”、義之の“結果”があるなら。ただ、その辺がまるでないから小恋に関して投げやりに見える。最後のバンドを見る限りだと、義之は小恋の意思を尊重したように見えるけれど、その辺もちゃんと語ってくれないと……。
本当にスタッフさんやファンの方には申し訳ないけれど、こう言う評価です、私の中で。これで第二期やるんでぜひ見て下さい、と言われても正直観たくありません(と言うか何かしらの要因で盛り上げられない限り、観ないでしょう、たぶん)。いろいろ引っかかる部分や謎を残したまま視聴を打ち切るのは忍びないのですが……。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 白河ななか
まぁ、美味しいところを結局ことごとくかっさらっていった彼女でしょう。キャラの心理描写がちゃんとされていて、見せ場もあって、扱いも良かったのは彼女と美夏くらいじゃないかな。
2位 天枷美夏
とりあえず13話通して話の軸であり、核だっただけに評価が必然的にあります。特に人間嫌いが克服されて以降の、ロボットとしての自分を受け入れつつ、人間のすることに対して包容力を見せた終盤はさすがに光っていました。
3位 月島小恋
なんか入れておかないと不憫な気がして来て…。ただ、私はお話の内容としては一方的に彼女に同情しているわけではありません。恋人になって変わるモノ・変わらないモノに誰よりも戸惑い、自分の理想を相手に押しつけたのは他ならない彼女でしょう。「恋人だから○○するはず」と言うのは先入観に他ならないわけです(だからと言って義之のように、一言も告げずに約束を反故するのは人としてあってはならないことですが)。
まぁ、しかしその辺を差し引いても入れておいてあげたいな、と。
ベストエピソード
第7話「にわか嵐」
ななかが閉じ込められて想いに気づきながらも、一歩身を引いたお話。義之争奪戦からは自ら降りることを選ぶななかですが、ちゃんとした心理描写があって経緯が描かれるので扱いがちゃんとしている。
- at 17:42
- [アニメ(放送終了):D.C.II~ダ・カーポII~]
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