CLANNAD-クラナド- 第9話
小さな少女が積み重ねた大きな努力が無限の奇跡を紡ぎ出す―――
<あらすじ>
夜の校舎に忍び込んだ朋也たち。渚は一応秋生と早苗から許しをもらって外泊することに。お誕生日セットに興奮し切りの風子とそれをからかう朋也、そんな二人を見守る渚。そこには他の誰もが忘れても、変わらない世界があった。
風子は、朋也と渚が互いに苗字で呼び合うことに不満を覚えていた。名前で呼ぶように風子に強制される二人。名前で呼べなければ二人とも風子より子供……ある種、これ以上ない脅迫に二人の仲は少しだけ前へと進む。
明後日に迫った公子さんの結婚式の前祝いをする三人。夜の校舎にうっすらと浮かび上がるろうそくの光と虚空に消えるクラッカーの音。校内の自販機で買った紙パックのジュースでお祝いをした三人は次第に眠くなり......。
翌日
朋也は“なぜか”校内の一室で渚と一緒に寝ていた。
―――なぜこんなところで
演劇部再建のためか、はたまた別の……。朋也も、そして渚もどうしてこんなところにいるのか判らなかった。無断外泊したと思いこんだ渚と一緒に古河家に戻ると、秋生も早苗も渚が泊まることは知っていた……どうして泊まるかは忘れてしまったが……。
学校に行ってもモヤモヤした気持ちが消えない二人。その時、中庭で「ご成婚おめでとう」の垂れ幕を作っている幸村を見つける。それを見て、幸村との会話の中で次第に公子の結婚式のことを思い出し―――
「「風子(風ちゃん)!!」」
二人は風子のことを思い出した......。
感想はOPENからどうぞ。
※私は原作ゲーム既プレイ者です。ネタバレは出来るだけ回避していますが、原作既プレイ者としてネタバレにならない程度の補足をあらすじではしていますのでご注意ください。
<あらすじ(続き)>
風子はずっと朋也と渚の傍にいた。二人が他の人と同じように忘れてしまったから見えなかっただけ。
「最悪だよな、俺」
「いえ、自然なことですから」
あれほど忘れたくないと思っていたはずなのに、忘れてしまった自分を批難する朋也。しかし、風子から見ればそれはいつかは必ず訪れる“自然”なことだった。
明日に迫った結婚式。寝たら忘れてしまうかもしれない。いや、昨日のことがあるだけにきっと忘れてしまう。だから、寝ずに起き続けて翌日の結婚式に参加することに決めた。
結婚式当日。
校内に集まったのは、公子や祐介の関係者やこの学校の教職員だけだった。その中に制服で参加しているのは朋也たちだけ。結局、誰ひとり集まらなかったことを悔やむ朋也に、朋也と渚がいてくれるから集まっている、と言う風子。
空はこれ以上ないくらい青く澄み渡っていた―――
式を終え、校門に先回りしようと言い出す朋也。他の生徒が集まらなかったのなら、他の生徒の分まで声を張り上げて、大きな声で「おめでとう」と見送ってやろうと言う朋也の言葉に笑顔でうなずく風子。
しかし―――
中庭から届くざわめき声―――
式の参列者はまだ式会場となった教室にいるはずなのに―――
窓から下を覗く朋也。そこには、大勢の生徒がいた。急いで中庭に降りる朋也たち。
日曜日は買い物に出掛けると言っていた藤林姉妹(+ボタン)も、感覚に残っていると言っていた陽平も、風子のことを忘れて苦悩していた秋生や早苗も、いつの間にか出来ていた親衛隊も、繋がりなんてほとんどなかったはずの智代や有紀寧、ことみに美佐枝さん、ラグビー部や他の生徒たちも、そして三年で勉強が忙しいと言っていた、風子が唯一この学校で話したことがある三井も、皆そこにいた―――
皆、朝起きたら結婚式のことを思い出したと言う。
きっとそこに風子に対する明確な記憶はない。ただ、結婚式があると言う事実と、それをお祝いしてあげたいと言う想いがあっただけ。それでも―――
「「「「「「おめでとう」」」」」」
大勢の学生に祝福される大好きな姉の姿は、風子が観たかった光景だった。このためだけにただひたすら努力し続けた少女の想いはちゃんと一人一人に届いていた。
日曜日の一瞬だけ皆が結婚式の事実と受け取った風子の小さな想いと願いを思い出す。
たったそれだけの奇跡。でも、それは一つ一つは小さいかもしれないけれど、それがここまで大きな奇跡に見えるのは、他ならない風子が姉の幸せを願って断られても、断られても、ヒトデを配り続けた努力の結晶。
そして、その奇跡は姉の幸せを願う風子と妹の回復を願う公子にも―――
次第に薄れる風子の手の感触に涙する朋也と渚。気がつけば、二人も皆と同じ状態になっていた。忘れたくないヤツだったのに、もう名前を呼ぶことさえできない。それでも、明確な記憶がなくても、一緒にいて楽しかった大好きなヤツがいたってことだけは明確に覚えていた。
泣いている二人に公子がそっと近づく。
「こんな風景を待ち焦がれていたヤツがいたんだ。こんな日を目指してがんばっていたヤツがいたんだ。たった一人で、公子さんへの祝福をたくさん集めたヤツが……」
「本当に岡崎さんたちは……ずっとあの子と一緒にいてくれたんですね」
「あいつの思いの分まで、どうかしあわせになってください!!」
「はい!」
その時、朋也と渚の手には木彫りのヒトデが握られていた。そして―――
皆の前に浮かび上がる風子の姿。その手には木彫りのヒトデが。
目を見開く公子。今までずっと見えなかったのに、この最後の最後で彼女の目にもちゃんと風子の姿は見えていた。
「おめでとう、いつまでもしあわせに!! ずっと、ずっと幸せに!!」
「ふぅ…ちゃん」
公子に渡す出来の良い木彫りのヒトデ。風と一緒に紙吹雪が舞いあがると、そこに風子の姿はもうなかった。でも、最後は直接公子にちゃんと彼女の想いと声は届いた―――。
週明けの学校。
気がつけば学校は2年前に交通事故に遭った風子の話題でもちきりだった。誰も名前も知らないし、明確な容姿さえ知らない。それでも、一生懸命だった風子の校内を元気に走り回る姿や、ヒトデのことを覚えていた。
皆が待っている。
その少女が、学校に来れるようになることを―――
そして友達になることを―――
きっとその時には、またアレを渡されるのだろう―――
手製の木彫りのヒトデを差し出されながらこう言われるのだ―――
「風子と…お友達になってください!」
<感想>
・゚・(ノд`)・゚・
正直尺が厳しいんじゃなかろうか、と思っていたのですが、予想以上の出来でした。そして号泣・゚・(ノд`)・゚・
あまりにここまでの展開で泣けなかったので実は風子ルートを一度やり直したのですが、今回は渚参加の改変こそあれど、ほとんど原作通り(まぁ、セリフ回しや状況説明の少なさは当然ありますが)。
そんなわけで号泣しました(つД`) この展開なら「え?泣いたの?」と言われても「泣いたけど文句あるか」と言い返せる。むしろ「これで泣かないのか?」と問いたいくらい。と言うか、説いてやるwww
まぁ、私はCLANNADに思い入れがあることもありますし、他の方も号泣とまではいかなくても十分感動に値する出来だったのではないかな、と思います。
風子の想いの形が具現されたこと。忘れたはずの生徒たちが結婚式に来て公子を祝うと言うことそれ自体が奇跡なのに、その上に接点をずっと持てなかった風子と公子の会話と言う奇跡。前者が風子の起こした奇跡なら、後者は頑張った風子へのささやかなご褒美もしくは風子に招かれた生徒たちや朋也たちの想いの起こした奇跡、と言ったところでしょうか。
アニメ化の恩恵として生徒たちが集まっていたシーンは原作よりも良かったです。集まっている様子が鮮明だし、原作では諸事情により風子と繋がりを持ちながら参加していなかった渚・秋生・早苗が結婚式に参加し、原作では接点すらほとんどない杏たちも参加してましたから(実はアニメ化で期待してた部分)。
他にも、智代や有紀寧、ことみに美佐枝さんまで参加するとはなかなか豪華な改変で良かったと思います。
岡崎朋也
動きが大き過ぎるw この辺が私が原作で抱いていた「岡崎朋也」とのイメージの食い違いです。「最悪だよな」と言って額に手を当てるシーンとか、公子さんに「幸せになってください」と言うシーンの前の涙をふくシーンとか。
私のイメージの中だとどちらも悲壮感たっぷりで俯きながら、それでも力強く言うイメージだったので。まぁ、この辺は捉え方の違いですが。
春原陽平
おいおい、そのタキシードはσ(^◇^;) ちなみに原作だと立ち絵の関係上、彼も制服で参加しています。そのため、服装的な要素で面白みを出さないため、彼の登場は凄く感動的なシーンです。
個人的には「暇だったからね」のあとに、原作通り「文句ある?」と言って欲しかった。まぁ、「あちらさん御一行」と言うセリフが追加されたため削除されたんでしょうけど。
古河渚
やっぱ泣き過ぎだw もうちょい我慢してくれwww 風子の感覚が薄れていくシーンでちょっと客観的になった自分がいます。それがちと残念。まぁ、その後の朋也と公子さんと風子のシーンでボロボロに崩れましたがwwwww
古河夫妻
この二人の参加が最大にして最高のサプライズ。なんか登場しただけで泣いた気がするwww
幸村俊夫
この人が風子のことを(伊吹公子の妹、程度の認識でも)持ち続けたのは年のなせる業か、はたまた風子と直接かかわっていなかったからか……。どっちにしろGJな老教師ですヽ(≧▽≦)ノ
次回、『天才少女の挑戦』。ちょ、次回予告www 「いじめっ子?」「はい」ってwwwww
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://01aturas.blog98.fc2.com/blog-entry-245.html
・http://aaillnv.blog16.fc2.com/blog-entry-883.html
・http://abaton14.blog79.fc2.com/blog-entry-513.html
・http://akatuki1204.blog105.fc2.com/blog-entry-194.html
・http://angelnotes.blog46.fc2.com/blog-entry-1278.html
・http://animumeso.blog101.fc2.com/blog-entry-411.html
・http://aniotalife.blog99.fc2.com/blog-entry-404.html
・http://blog.crosschannel.jp/Entry/915/
・http://blog.goo.ne.jp/sweet-lovely/e/7309b847f9f016ed783dc3fde5dd0dc2
・http://blog.livedoor.jp/calypso_telltale/archives/51072090.html
・http://blog.livedoor.jp/darth_mayuge/archives/50970752.html
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/50894137.html
・http://blog.livedoor.jp/paprika200502/archives/51280579.html
・http://chunou2.blog97.fc2.com/blog-entry-169.html
・http://danceofeternity.blog76.fc2.com/blog-entry-771.html
・http://freeagent.blog34.fc2.com/blog-entry-618.html
・http://fujiiisana.blog68.fc2.com/blog-entry-712.html
・http://gennsouryouiki2nd.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_e285.html
・http://happyuki-blog.at.webry.info/200711/article_65.html
・http://hiroy.blog49.fc2.com/blog-entry-754.html
・http://jigo.blog102.fc2.com/blog-entry-335.html
・http://kagamipani.blog95.fc2.com/blog-entry-402.html
・http://kazekura.seesaa.net/article/70094456.html
・http://kouyanoblog.blog61.fc2.com/blog-entry-596.html
・http://lessiy.jugem.jp/?eid=871
・http://maguni.com/diary.cgi?no=301
・http://maruton.blog55.fc2.com/blog-entry-1691.html
・http://mutekidesutekina.blog52.fc2.com/blog-entry-467.html
・http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-1580.html
・http://okimamoton.sblo.jp/article/7371809.html
・http://omochiyasan.blog69.fc2.com/blog-entry-870.html
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・http://www.todasoft.net/blog/archives/2007/11/clannad_9.html
・http://zdryeo.blog43.fc2.com/blog-entry-425.html
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>「これで泣かないのか?」と問いたいくらい。と言うか、説いてやるwww
激しく同意w
思い入れがあると感動の度合いが違いますよねw
>原作では接点すらほとんどない杏たちも参加してましたから
やはりこういうオリジナル要素が嬉しいですよね^^
今後のシナリオにもいろんなキャラが関わってきてほしいものです。
ではでは~