妖狐×僕SS 特別編『御狐神くん変化』『スイッチ』『おままごと』≪あらすじ≫凜々蝶と双熾が結ばれて少しした頃、凜々蝶は双熾との距離感が掴めずに右往左往したり、動揺したりしていた。普段は騒がしい面々に囲まれていることが逆に緩和剤になってくれていたが、ある日、双熾と二人きりの一日を迎えることに。緊張している彼女を見て双熾は、何を思ったのか狐らしく(?)、自身の肉体を幼い子供にしたり、凜々蝶と同じ女性にした...
妖狐×僕SS 総評 メゾン・ド・章樫(あやかし)。通称“妖(あやかし)館”そこは住人一人に対してSS(シークレット・サービス)をつけることが出来ると言う超高級マンション。しかし、その実態は“先祖返り”と呼ばれる、かつて妖と交わることで栄えた家に生まれた先祖である妖の力を色濃く受け継いだ者たちが寄り添い合うコミュニティであった。そんな妖館にこの春から入居することになったのは、旧家・白鬼院家の先祖返り・白鬼院凜...
妖狐×僕SS 第12話(終)『二人になった日』≪あらすじ≫双熾から、自分が幼少期にやり取りをしていた相手が蜻蛉の代筆として筆を取っていた双熾自身であることを告白され、謝罪された凜々蝶はそれを受け入れる。双熾が大切に保管していた手紙も「それは君に宛てたものだから」ということで、再び双熾の手に戻された。想いは繋がり、凜々蝶たちには日常が戻ってくる。そんな折、妖館のラウンジでバーテンダーのような振る舞いをする...
妖狐×僕SS 第11話『陽炎』≪あらすじ≫御狐神双熾。彼は御狐神家に生まれた先祖還り。先祖還りは特に大切に扱われ育てられる傾向があるが、御狐神家では強大な力を持つとされる九尾の狐の先祖還りを人間たちの手で制御することによって恩恵を得られると考えられていた。それは凜々蝶以上の監禁。外出は通学の時くらいと言う状態で育った双熾は、「自由を得る」と言う野望を強く抱き、その容姿と他人の心の隙間に付け込み利用する狡...
妖狐×僕SS 第10話『裏切りの妖狐』≪あらすじ≫再び突然妖館に姿を見せた青鬼院蜻蛉。彼はその日に盛大に夜遅くまで自らの帰還パーティをド派手に続け、それに巻き込まれて凜々蝶は双熾と約束していた珈琲を一緒に飲むという約束を果たせず、翌日を迎えてしまった。今日こそは!仕切り直しと言わんばかりに気合いを入れる凜々蝶だったが、下校の際に迎えに来たのは双熾ではなく蜻蛉。彼は強引に凜々蝶を拉致し東京巡りを始める。凜...
妖狐×僕SS 第9話『約束の日』≪あらすじ≫明日、午後八時に私の部屋で一緒に珈琲を飲もう紆余曲折、いろいろあったが何とか双熾と約束を取り付けることに成功した凜々蝶。その日は一睡も出来ずに朝を迎えてしまうほど、とても平常心は保っていられない。沈黙になったらどうしようとか、悪態をついたらどうしようとか、周囲から見れば「いまさら何を」的なコトですら今の凜々蝶にとっては一大事。上の空の学業を終え、家に戻ると自室...
妖狐×僕SS 第8話『お茶と距離』≪あらすじ≫カルタや渡狸がいるおかげで、すっかり学校生活にも自分の悪癖によって周囲の人間を困惑させたり不快な気持ちにさせたりすることなく馴染み始めた凜々蝶。帰宅途中の迎えの車内で、双熾は凜々蝶の様子に安堵したが、それを見た凜々蝶は双熾がそれとなく自分の不安をまたしても汲み取ってくれていたのだと知る。連勝と野ばら、渡狸と残夏……蜻蛉とカルタはともかく、凜々蝶は自分の周りにい...
妖狐×僕SS 第7話『ふたりのよる』≪あらすじ≫感謝の気持ちを伝えたい凜々蝶のその想いは日に日に高まっていくばかり。そんなある日、仮死状態の妖怪が館内に紛れ込んできたらしく、妖館のセキュリティシステムが発動。学校帰りだった凜々蝶は迎えに来てくれた双熾と共に自室に閉じ込められてしまう。妖館のセキュリティシステムは発動すると個別の部屋ごとにセキュリティが働き、それら別個の部屋同士が作用し合うことで強固な結界...
妖狐×僕SS 第6話『考えるよりも』≪あらすじ≫入学式の日の晩餐会でこそひと悶着を起こした凜々蝶だったが、その後の学校生活は彼女と同じクラスに妖館の住人がいることもあって彼女が想像していたよりもずっと順風だった……そう、むしろ凜々蝶から見ればマイペースに動き過ぎる妖館のSS・髏々宮カルタの方がよほど心配に見えた。そんなある日、放課後に校門前で同じ妖館の住人でクラスメイトの渡狸卍里のSSである夏目残夏を見かける...
妖狐×僕SS 第5話『春の蜻蛉』≪あらすじ≫名家に生まれた白鬼院凜々蝶(しらきいん・りりちよ)。そんな彼女に対して家柄も何も関係なく、ただ「凜々蝶様だから」と言ってくれたシークレットサービス・御狐神双熾(みけつかみ・そうし)に何か報いることは出来ないか。報いることは出来ずとも、せめて感謝の意を伝えることだけでも出来ないか。日々そう考えるようになった凜々蝶は、兄のような幼馴染である反ノ塚連勝(そりのづか・...