MG ガンダムデスサイズヘル(敗者版)

今回はMGガンダムデスサイズヘルを、ガンダムエースでの連載も佳境に突入した『敗者たちの栄光(以下、「敗者」)』版に改造。
すでに同じアイディアで私以上の技術によって実現、作品を発表されている方もいらっしゃり、ネタとしては二番煎じであることは否めないのは事実だ(既存の作品を参考にさせていただいた部分ももちろんある)。
ただ敗者版デスヘルの立体物は絶対数がまだまだ少なく、また私らしくカスタムカラーを取り込むことで皆様に観ていただける作品になれたのではないかと判断して公開することにした。
それでは、よろしくお願いします。
◆素体




基本的にはMGデスサイズと同じで違うのは腕部くらい。完成度は高いです。ちなみに背中に見えている丸いパーツはネオジム磁石で後述用途で埋め込みました。
若干、ブレードアンテナなどメタルゴールドが渋めの金なので目立ちづらいですね(苦笑
◆比較



以前作ったデスサイズとの比較。
◆本体-敗者版-


敗者版のガンダムデスサイズヘルです。もっとも、本体の違いは両腰にバスターシールドがあるかどうかですが(苦笑

とある方の作例を参考にさせていただき、腰や肩の二段構造の下の構造のフレーム部はシルバーにしてアクセントとしています。
◆アクティブクローク

アクティブクロークです。デスヘル最大の特徴ですね。キットを作って驚いたのは曲面が綺麗に再現されているところ。作っていて惚れ惚れして改めてデスサイズヘルというガンダムを好きになりました。


MGオリジナルのギミックとしてフレームの引き出しが可能です。ムック本を参考に金色に塗装してみましたが、黒がベースなのでとても良いアクセントですね。




閉じたモードももちろん可能です。しっかりと固定が出来ますが、白いバルジ状のハイパージャマーのパーツが若干固いので、場合によっては変形する時は腕だけ一度外した方が良いかもしれません。
◆武装

武装。シンプルにツインビームシザースとバスターシールドのみ。ツインビームシザースとバスターシールドはどちらも以前作ったMGデスサイズからそれぞれのパーツをヒイロばりに強奪・流用・再塗装・工作をして製作しました。


ツインビームシザース。上部にもう一つ分ビーム発生器を追加し、コミックスの画稿を参考に形状を整えました。


もちろん、ビームエフェクトを両方につけることが可能です。


若干重さはありますが、元のダボの性能のおかげでぐらつくことはありません。


プラモデルオリジナルとしてツインビームシザースを背中にマウント出来るようにしました(すでに先の画像に出ていますが)。接続はネオジム磁石で、前述の本体裏側とツインビームシザースに磁石を仕込んで取り付けられるようにしています。
「ツインビームシザース」ってどこにマウントするの? という疑問に自分なりに回答のつもりです。アクティブクロークの外側につけるのはなんか違うと思い、腰とかアクティブクローク裏側とかいろいろ模索した結果、この位置になりました。作っていた時は苦肉の策的なところが強かったですが、いざ完成してみるとカッコよくて助かっています。

バスターシールドは、大きなカラーリング変更を行った部位です。敗者版ではコミックスでクロー部は赤になっているなど違いがあるのですが、どうしてもそのカラーリングに違和感がぬぐえなかったため、個人的にオリジナルの配色としました。
接続パーツはそのままでは突起などが邪魔になるため各部を切断し短くして調整しています。

接続にはネオジム磁石を使用しました。接着力重視のため磁石はむき出しにしています。

ビーム刃のエフェクトも装着可能。ただ接続部が未改造なので90度前方に向けることは出来ませんでした。こだわり方はここも改造必須かもしれません。

最大の違いはクロー部を赤から白にしたことですね。TV版デスヘルには白い縁取りには幻惑効果があり、ハイパージャマーの効果を高めるという設定もありましたから、そういうところからも流用・逆算・輸入をした結果です。
◆カラーレシピ

本体白:ガンダムカラースプレー・MSホワイト
本体グレー:Mr.カラースプレー・ニュートラルグレー
本体黒:Mr.カラースプレー・セミグロスブラック
本体赤:Mr.カラースプレー・セミグロスブラック⇒Mr.カラースプレー・メタリックレッド
本体金:タミヤカラースプレー・メタルゴールド
フレーム銀:タミヤカラースプレー・メタルシルバー
フレーム、武器類:ガンダムカラースプレー・ファントムグレー
◆おまけ-通常版-



通常のというか、今までのEW万版でキット通り。といっても両腰からバスターシールド外しただけですがw
◆総評

EW版を小改造しての敗者版ガンダムデスサイズヘルいかがだったでしょうか?
都合、デスサイズ系のMGを作るのは三体目ということもあって勝手も解かっており、パーツ紛失や損壊があっても以前の作品から代用するという形で進めました(笑
敗者版は他の方が製作しているのを見て、「もっと簡易化すれば自分でも」と思ったのがきっかけです。他の方の素晴らしい作例・工作と肩を並べられるものとは自覚していませんが、それでもまだまだ敗者版のキットが少ない今、皆様への作例・試金石の一つとなるであろうこうとを期待してこのたび製作しています。
キット自体はMGデスサイズのままですが、アクティブクロークの造形美や機能美の再現度の高さは大きなプラスと言えると思います。マイナス点は少ないと思いますが、組み方次第では前述のように両肩のパーツの可動が「硬め」なのでそこは微調整なり、一度腕を外して個別に可変させるなりの工夫はいるかもしれません。
とても良いキットだと思います。単体としてもとても素晴らしく、改めて中二病を再発するキットですが(笑)、MGデスサイズ二機分のパーツを購入ないし請求する必要はありますが、比較的簡単に敗者版にすることが出来るのでお勧めです。
◆妄想設定
MG風妄想インスト

注意事項)ここで書かれていることは製作者が従来の設定をベースにマスターグレードのインスト風に考えた「妄想」設定です。決してサンライズおよびバンダイを始め公式の設定ではありませんので、説明文を鵜呑みにしないで下さい。
頭部 -HEAD UNIT-

モビルスーツ(以下MS)において頭部はカメラやセンサーなどを有する重要部位の一つであるが、ガンダムデスサイズ(以下デスサイズ)にとってその重要性は一段と大きい。それはデスサイズがハイパージャマーを中心としたECM兵装を搭載するためである。敵MSのカメラやセンサーを無効化するほどのECMだが、当然自機に影響があってはならない。そのためデスサイズの頭部に採用されたメインカメラやセンサー類各種はこれらの電子兵装対策が施されたものを用いられている。一見すると頭部ユニットはカラーリング以外デスサイズと変わらないように見えるが、ガンダムデスサイズヘル(以下、デスサイズヘル)に強化改修される際、ハイパージャマーの性能強化に伴い頭部ユニットに採用されたセンサー類の電子兵装対策も強化されている。
バルカン砲 -Vulcan Cannon-
頭部に2門装備された小口径機関砲。実は「頭部に機関砲(武装)を内蔵する」という発想は連合およびOZのMSにはほとんど見られないものであり、擬人化された頭部と並んで「ガンダム」の代名詞と呼んで差し支えない装備と言える。
威力は決して高くないが、本機にとって貴重な射撃兵装であり、敵機への牽制や威嚇、ミサイルなどの迎撃、対人攻撃など用途は幅広い。
腕部 -ARM UNIT-

デスサイズから本機への目立った改修点の一つがアームユニットである。デスサイズでは大気圏内での瞬発力を重視し肩部にはサブスラスターが設置されていたものの、その役目をアクティブクロークに譲ったこともあり肩部(ショルダーユニット)にハイパージャマーおよび増幅装置を搭載。前腕部にはバスターシールドを外し、両腕に小型シールドを装備している。この意図はさまざまあるが、主なところでは左右の装備を同一とすることで機体左右のバランスを整えたり、主兵装である長柄の装備(ツインビームシザース)を振るう際の取り回し性能をより重視したりするのが目的である。
強化型ハイパージャマー -Enhanced Hyper Jammer-
肩部から伸びる白いパーツは、デスサイズから大きく形状こそ変わっているもののハイパージャマーである。アクティブクロークの装備などによって装備個所と形状が大きく変わっているものの、性能は向上している。特に増幅装置が追加されていることは大きな改良点であり、同時に黒を主体とした機体における外縁部の白い装飾は幻惑効果を高めると言われる。
(増幅装置「リブジャマー」と白い縁取りの設定はTV版デスサイズヘルのものから流用)

小型シールド(パッシブシールド) -Passive Shield-
両前腕部に新たに装備された手甲型の盾。原型機のバスターシールドとは異なり防御性能に特化している。盾としては幅が厚い形状をしているが、これは内部にはメリクリウスのプラネイトディフェンサーのものを小型・簡易化したフィールドジェネレータを内蔵しているためである。アクティブクロークに内蔵したものよりも低出力ではあるが、装甲部材のガンダニュウム合金や表面部の対ビームコーティングとの併用効果もあり、ビルゴ系が有するビームキャノンの直撃にすら余裕で耐え得る堅牢なシールドとして機能する。広く能動的な可動域を持つアクティブクロークに対して固定装備であるためパッシブシールドとも呼ばれる。
腰部 -WAIST UNIT-

本体そのものの形状こそ変わっていないが、役目を大きく変えたのは腰部である。最大の変更点は、旧型機では左腕部に装備していたバスターシールドを両腰に装備したことにあり、それによって本機の腰部はウェポンラックとしての意味合いを獲得した。バスターシールドの数を増やし両側に装備したことは、前腕部に小型シールドを左右に装備し機体の左右バランスを整えようとしたことの一環と考えられている。

バスターシールド -Buster Shield-
旧型機と同名の武装だが、その役割は大きく変わってしまった。旧型機においてはその名の通り盾としての防御能力、展開するクローユニットやビーム刃による格闘能力、それを射出することによる射撃系隠し装備としての多目的な役目を担っていたが、その大部分は本機においては喪失している。それは腰側部に装備されてしまったためである。脚部保護という意味合いはあったかもしれないが盾としての役割は果たしているとは言い難く、クローユニットを始めとした格闘性能も十全に発揮出来るわけではない。故にデスサイズヘルにおいて本兵装は自衛・防衛を含めた隠し武器としての機能に特化したのである。ただしそれは五人の科学者たちも見越しており、外観こそ変わっていないもののクローユニットやシールドとしての機能を抑制する代わりにビーム出力やスラスター推力が高められており、射出兵装としての破壊力と突進力は旧型機の同型装備以上の性能を獲得した。
余談だが、クロー部が白いのはハイパージャマーと同じで幻惑効果を得るためである。
アクティブクローク -Active Cloak-

本機最大の特徴がアクティブクロークと呼ばれる背部の大型ウイングユニットである。瞬発力を重視したセッティングをした結果他のガンダムと比べて機体の脆弱性が目立ち欠点だった防御性能の補強、特徴である機動力の強化、ステルス性能の向上といった複合的な目的をこのユニット一つでほぼ成し遂げた。
本装備がガンダニュウム合金製であることは言うまでもなく、パネルラインがほぼなく曲面をした構造、本体と同様にステルス性を高めたマテリアル配置のガンダニュウム合金やレーダー波を吸収する特殊塗料を用いてステルス性能を向上。
表面部に施された対ビームコーティングに加え、各部に内蔵したメリクリウスのプラネイトディフェンサーを応用したフィールドジェネレータによってヴァイエイトのビームキャノンすら軽く無効化するほどの防御性能を獲得。各部に設けられたスラスターの総推力は旧型機から撤廃されたバックパックや肩部サブスラスターの総推力を補って余りあるほどであり、結果的にデスサイズの時に比べ重量が0.2t増加しているが、スピードアビリティはMS中最高の170に到達するほどである。本装備によって本機は防御性能、機動性能、ステルス性能を向上させたのである。


また大型のウイングユニットはその形状から大気圏内での機動性、特に空中戦での能力を高めているとされ、短距離であれば飛翔も可能とされる(ただしそれを披露する場面はほとんどなかった)。またそのユニットの大型さから実は内部にはスラスター用のメイン・サブプロペラントタンク、機体および兵装用のサブエネルギータンクが設置されており、このことによって本機の継戦能力は旧型機よりも大幅に向上している。
ツインビームシザース -Twin Beam Scissor-

本機の主兵装。旧型機のデスサイズが装備していたビームシザースよりもビーム発生器を一つ増設することでの格闘性能をさらに発展・強化している。
ビーム発生器はアルトロンガンダムと同様にメリクリウスのクラッシュシールドの粒子加速技術を応用しておりビーム出力は向上。また従来の「大鎌」として横に設置されたビーム発生器のほか、縦にビーム発生器を設置して二枚刃としており、形状としてはアックス(斧)部がないハルバードに近い。これによってビームシザースと比べてリーチと攻撃範囲が大きく向上している。単純ではあるが、基本的には長柄の格闘用ビーム兵装を用いた近接戦が主戦法である本機にとって「一振りで敵に届く距離の延長」「巻き込める敵の数を左右する攻撃範囲の拡大」は最も効率的な強化方法と言える。


またビームの発生部位はコックピットから任意で調整出来、従来通り単刃(ビームシザース)とすることや、逆に縦側からだけビームを発生させたビームナギナタ(曲刀のためランスとしての運用には適さない)としても使える。
当然、ビーム発生器が二つに増えたためエネルギー消費も単純計算では二倍となってしまうのだが、実はアクティブクロークに増設したサブエネルギータンクのおかげで継戦能力はビームシザースで戦うデスサイズの時よりも伸びている。
NoTitle
二番煎じって言いますけど手作りでバスターシールド追加装備とツインビームシザース作っちゃうのはすごいと思います。
そういえば敗者版のデスサイズヘルはバスターシールドが二つあるから実質TV版よりも強い事になるのか。PD(を応用した装置)もアクティブクロークに内蔵されてTV版とほぼ同レベルでしょうし。
というか他のガンダムも敗者版のフォローのお陰でTV版とほぼ同レベルか上になりましたし。
ゼロカスなんてTV版ゼロ(プロトゼロ)の上位互換になってますし。
バスターシールドは僕も白の方が良いです。TV版の印象が強いので。
あと、月詠さんって模型・プラモデル投稿コミュニティ【MG-モデラーズギャラリー】にも投稿してたんですね。最近、知りました。