翠星のガルガンティア 第3話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[翠星のガルガンティア]
『無頼の女帝』
≪あらすじ≫
レドとチェインバーへの対応で手いっぱいのガルガンティアを襲う海賊船団。レドとの交渉役だった少女・エイミーの「超強いユンボロなんでしょ、助けて!」という要請を受け、「(武力協力による構成員救出は)良い取引材料になる」と判断したレドはチェインバーの圧倒的な性能によって、海賊だけを文字通り“蒸発”させ、サルベージ業中に捕まったベローズたちを解放する。
しかし、強過ぎた力は不必要な摩擦を生んでしまう。
あまりに強力過ぎたチェインバーの介入に、消滅させられた海賊船団を束ねていたロブスターを旗頭とした女海賊・ラケージは、ガルガンティアへの報復に動き出す……。
一方、チェインバーの圧倒的な力とそれによって海賊とはいえ死人が大量に出たことにショックを受けて帰還したレドを怒鳴りつけてしまったエイミーだったが、時間が経つに連れてそもそも自分が言いだしたことが原因であることと、レドやチェインバーの話を半信半疑だったせいだと反省。
同じく、どんな結果になってしまったとはいえ自分を助けてくれたレドに感謝を伝えたかったベローズと共にエイミーは彼の下へと向かう。そこでエイミーは謝罪を、ベローズは感謝をし、さらにベローズは自分たちの価値観がどういうものなのかをレドとチェインバーに説明し、理解を求める。
そうこうしている内にも海賊は刻一刻と迫り来る。今からでもラケージとの交渉をすべきだと口にする船主もいたが、「報復を目的としている以上、血を見ないと収まらないだろう」と言われ、(実際に海賊を殺した)レドたちを引き渡そうという声も「それで海賊の側についてこちらを襲ってきたらどうなる」と返されてしまい、どの案も解決策には到らない。
そんな中、レドたちとの対話を終えていたベローズは「彼らの力を借りるべきだ」と進言。多くの反対が出る中で、その判断をするためレドと交渉する役を船団長フェアロックの補佐を務めるリジットに託される――
≪感想≫
ひと悶着あったけど、上手く纏めたな、と言う感じ。
やはり全体的な流れは虚淵さんというより、監督の村田和也さんが原案を出した感じなのかな。それとも単純に今までの黒い虚淵さんが出ていない白淵さんなのかw まぁ、監督の路線だろうが何だろうが、このまま真っ白な王道SFで突き進んでくれれば良いなぁ、と。
いやほら、別にグロ要素とかこの作品に要らないし、コメディ要素は杉田さんが喋ってくれればもうそれで十分って言うか(マテコラw
さて、最初に述べたようにいろいろと上手く纏めている。これが普通の作品なら、何の脈絡もなくガルガンティア側が妥協するか、青臭い理想論を押し通してしまうのだろうが、ベローズの仲介やリジットの質問事項の内容を上手く使うことで、相互理解をし歩み寄ることでとりあえず手を取り合うという結果を作った。
これは、レドが軍人であり自身の目的(救助信号をキャッチしてもらい救助してもらうなど)を達成したいということを考えれば当然の選択だし、ガルガンティア船団としてもベローズが代弁したように「黙ってモノも、命も奪われるわけにはいかない」ことを考えれば現実的な選択だ。
これをそこに登場するキャラクターたちに無理なく“選ばせた”わけだから凄い。最近の作品だと、キャラクターたちが選んだ、というより脚本家が選ばせた、という展開も少なくないし……。
当然、それだけではない。
船主の中には「船団長の判断にも一理ある」と同調を示す者やラケージを退けたことでレドに感謝を述べる住民たちがいる一方で、相変わらずレドの排除を考えている船主もいて、今後のフラグにも見える。
フラグと言えば船団長を補佐していたリジットは、どうやら会話の流れから考えると前の船団長あるいはガルガンティア船団にとって英雄的立場の者の娘のようだ。船団長が年老いていることや今回船団長の判断に同調出来なかった船主ややっつけられてしまったラケージ等を考えると、今後ガルガンティア内での反乱とそれによる船団長の交代(具体的にはリジットの船団長就任)も可能性としてありそうだ。
お話の中身としては、やはりレドとベローズの会話が興味深い。
人を殺すことを否定するベローズに、「貴方たちは動物を殺し、その死骸を食べている」という反論は「生命」という括りで考えれば尤もだ。
武器の保有だって、劇中では「大砲見せ合う内はまだ交渉の内」「(海賊に対して)私たちも黙ってモノや命を奪わせないと言う表明」と言うところで終わってしまったが、実際にベローズたちは海賊たちにモノや命(厳密には人権だが)を奪われかけていたわけで、あそこまで行ってもまだ「人を殺すのはダメだ」というのは先の「黙って奪わせない」発言から大きく矛盾している。
「死人が出たら収まりがつかない」とも言っていたが、じゃあ武器を撃つ時に相手が死なないように引き金を引くのかと言えばそんなはずはないわけでね……。
しかしその矛盾が良くない、というのではない。どちらかと言うと、人を殺すことに対して否定的なのは規律とかルールとかよりももっと根底にある倫理の部分での話だろうし、それを合理的に説明する方が難しい。まして、どんな理由があれ戦時中ならなおのこと。
それでも、何とか人を殺すことは良くないことなんだとレドに伝えようとしているベローズは、私たち現代人に近い人間っぽさを感じさせる。実際に「大砲見せ合う内は交渉の内」というのは、核兵器をちらつかせながらも実際に撃つのは最悪のシナリオの時のみという現代の私たちと変わらないわけだし、「死人が出てしまうと収まりがつかない」というのも同じこと。
そしてそれ以上に、圧倒的に合理的な考え方をするレドがより一層際立った。1話での人間を飼育動物のように管理していたレドたちの世界を匂わせる感じもして、「両者の育った世界の決定的な違い」を顕著に魅せてきたのだと思う。
そうした経緯を経て、最後のシーンでレドが最初に覚えた地球語が「アリガトウ」なのだから、良い話を見たなーという後味の良さが本当にいい。久々に気持ちいい余韻に浸ってエンディングを迎えられた気がする。まぁ、これで次回「やっぱりレドとの共存は無理」とか言い出したら台無しだが……たぶん、大丈夫だろ、たぶんwww
やや影は薄かったがヒロインのエイミーも、お決まりのようにショックを受けて「あそこまでやってなんて頼んでない(意訳)」を伝えるように怒鳴ったが、その後にちゃんと自分の非を自分で認めて反省し謝ることが出来る良い娘だった。
いや、割と大切なことだよ?
なんか、最近のラノベのアニメはヒロインがヒドインでも可愛くて、1割のデレとか結果良ければ全部水に流すような風潮もあるけど、それってやっぱり良くないと思う。謝るところは謝れるって大切なこと。まぁ、それはレドも実は同じなんだけど。
面白かったのはロボット。まさかザリガニ型ロボットとはwww いやー、チェインバーとかガルガンティアのユンボロが普通だったから敵も普通かと思っていたが、かなり個性を付けてきた。ゲテモノロボットと言う意味では、『Vガンダム』のザンスカール帝国製MSを彷彿とさせていて、個性が強くて面白い。
敵のユンボロは海上戦だけでなく海中戦も想定した布陣となっており、簡単ではあるが一方的な撃ち合いだけで終わらず、戦術の多様性を魅せてきたのも好印象。
何よりそんな戦術を圧倒的なパワーで覆すチェインバーwww
そしてラケージのやられ方はまるでアンパンマン(爆
てっきりお星様になるのかと思ったよ(ノ∀`)アイター
それはともかく、前回の展開から人的被害を考慮した戦い方はしてくるだろうな、とは予想していたが、意外とアナログな戦い方だった。もう少し、デフレクタービームみたいな超兵器が出てくるかとも思ったが、ここは温存したのか、それともチェインバーにはそもそも人的被害を考慮した兵器など搭載されていない暗示なのか……。
それでも、コックピットに落ちてきたあの金髪青年が電流で撃退されてしまったのは良かった。やはり軍事機密としてこれくらいの物理的な防御プログラムも組んであるよね、とw
これでチェインバーが強奪される、という展開は今後限りなく低くなった。今回の一戦で近海の海賊はもうオイソレとガルガンティアには手を出してこないだろうし、しばらく戦闘はないか? そうなった時こそチェインバーの存在感をどうやって魅せてくるかに期待。
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- [アニメ(放送終了):翠星のガルガンティア]
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自分も海賊との打ち合いで死人が出たならまだしも、虐殺までしてしまえば無用な恨みをやっぱ買いますし
世のため人のためならいざ知らず
ガルガンティアの今後を考えるならチェインバーで残らず返り討ちって訳にはいかないですよね
チェインバーの力を他に見せるだけでも不安要素は恐らく大きく
やっぱり出来るだけ穏便に退けたいならああするしかなかったかと思いますね
ただやっぱりそれを意図してたとしてもちょっと伝わりづらい感じだったかもしれませんねー
敵といえば殲滅戦しか知らずゆえに「恨みを買う」ことが-になるという発想の無いレドと
(実際圧倒的な力を持つ唯一の存在と思われる人類連合や、それが戦ってるヒディアーズ相手では買ったところで痛くもかゆくも無く)
そうは言ってられないガルガンチュアの人々
その認識の齟齬とかもちゃんと描かれてたとは思うんですけど・・・・w