アクセル・ワールド 第5話
『Aviation ; 飛翔』
≪あらすじ≫
自分のコンプレックス故に、先輩(黒雪姫)の好意を素直に受け切れないハルユキ。しかし、彼女が文字通り命を賭けて自分を救い、そして自分に今まで彼女が持っていた願いを託されたことで、「今度は自分が先輩を守る番だ!」と立ち上がる。
他校の生徒のはずのタクムがなぜか病院に訪れる姿を見て、ハルユキは彼こそが黒雪姫を狙うシアン・パイルだと確信し、《ブレインバースト》を発動させる。そしてその推測通り、彼こそが彼女を執拗に狙っていたシアン・パイルだった。
始まった親友同士の戦い。
しかし、ハルユキが使うシルバー・クロウはかつて先輩に指摘されたように、腐食と“打撃”に弱い。シアン・パイルはその名の通り、パイル・バンカーを武器にシルバー・クロウを操るハルユキのボディを打撃で撃ち抜き破壊していく。
それでもハルユキは、現実世界ではあの体形だったため活かし切れていなかったが、《加速世界》では持ち前の反応速度と積み重ねたゲーム経験でシアン・パイルに応戦するが、相手の必殺技の直撃を受けて地に伏す。
窮地に追いつめられるハルユキは、眠り続ける黒雪姫のアバターを見て「勝つだけが強さじゃない」という彼女の言葉を思い出す。
新たに脈づく彼の鼓動。
それは彼の願いか、あるいはコンプレックスゆえか。
シルバー・クロウの背中から出現するのは――“翼”
それは、《加速世界》初の純粋なる飛行アビリティ――
≪感想≫
最後のED前からの病室訪問はなかなかにニヤニヤ出来る展開だった。三つ編み先輩も悪くないね……っていうか、あの姿だったら中学生って納得出来そう(マテ
しかしこのアニメ、バトルモノなんだけど先輩成分が欠落するとつまらくなりそうだ(笑 ムスコニウムならぬヒメニウム的なw
まぁ、個人差はあれど、私としては今期の作品だと『さんかれあ』の礼弥と並ぶヒロイン。セイバー? そんなキャラはいなかったんや(マテコラ
ただまぁ、最終話まで録った後にもう一度、観戦者たちに宣戦布告し名乗りを上げるシーンは録り直した方が(汗 とても声質はあっていて平静時はとても良いのに、こう声を荒げたり張り上げたりしないといけないシーンで凄く残念になってしまうのが勿体ないw この辺りは、今後の黒雪姫役の三澤紗千香さんに期待。
っていうか、結局先輩の本名ってなにさ?(笑
◆その強さはコンプレックスの強さか?
なるほどね、と思わされる翼の発現。
地に這いつくばって、現実世界では容姿・能力・性格などから底辺で生きるハルユキは、だからこそ空に憧れ、空を飛ぶ鳥に羨望の眼差しを向けていた。ある意味で、彼の言う“速さ”、彼の求めた“速さ”は地表に留まるようなものではなく、もっと遠くへ、と言う意味合いが強かったのかもしれない。
あとは加速世界初とか、唯一とかそういう意味合いもあるかな。ゲームしかなかったハルユキ。だから逆に彼の深層心理にはゲームだけは、と言う唯一性のようなものが根深くあったのかもしれない。
メンタルにおけるマイナス要素によって構築されるデュエルアバター。だからこそ、そのデュエルアバターが持つ最も大きな力は、そのコンプレックスの具現やそのコンプレックスの裏に隠れ持つ願いなのだろう。
ハルユキのシルバー・クロウは現実世界を底辺で生きるからこそ、より高く、より遠くを目指すための翼が必要で、
黒雪姫のブラック・ロータスの両手足が剣(手はブレードだったけど、足も人型の足はない感じ)だったのも、彼女には何らかのしがらみが生まれながらにあって、それを断ち切りたいと思うが故の剣の具現だったような気がする。
もちろん強いアビリティや貴重なアビリティと言うのは、直接的に戦いに勝てる絶対要素ではない。ハルユキのように自身のアバターの特性を理解し、戦い方と経験次第ではそうしたアビリティを超えて勝つことも可能だろう(そうでなければゲームとして成り立たない)。
ただ、強いコンプレックスはそれだけ“強い”アビリティを引き寄せるのだろうな、という予感めいたものはある。
ハルユキのシルバー・クロウの持った《加速世界》初の純粋な飛行アビリティ。ぶっちゃけ黒雪姫のブラック・ロータスは浮遊してたような気がしないでもないが、たぶんブラック・ロータスは一定以上の高度では静止することが出来ないのだろう。
彼のアビリティは戦闘において直接的な勝因とはなり得ない。そのアビリティは発動させただけで相手を倒すようなものではないのだ(もちろん、飛行能力によって他のアバターには出来ない三次元機動や制空権の独占と言うのは間接的に大きな勝因となり得るが)。
でも、それは彼がそのアビリティを発現させる寸前に思い出した黒雪姫の言葉「勝つことだけが強さじゃない」という言葉に繋がるように見える。ハルユキにとって“強さ”とは、勝つことではなく高みへ至ること。彼の飛行アビリティは、高みへ至るために必要な、ある意味必然的に発現したアビリティなのだろう。
そう考えれば、タクムのシアン・パイルもまたそうしたコンプレックスなのかもしれない。
◆タクムの想い
タクムのコンプレックスは、自分の彼女が容姿も、能力も、性格も自分より明らかに劣っているハルユキばかり気にしていること。
まぁ、彼氏としては面白くないだろうな、仮にその気にかけている相手が幼馴染だったとしても。いや、むしろ逆か。幼馴染だからこそ気が気ではなかったのだろう。万が一、億が一にでもチユリの心がハルユキに傾いたなら、とも思ったのかもしれない。
印象的だったのは「オレとチユリの前から消えてくれよ、ハルユキ」と言う言葉だった。その言葉自体の意味よりもの言葉を口にしてしまうほど彼は情けないのだな、と。
なぜならこの台詞は、彼自身の手ではもうチユリの気を引けないと言うことを意味している。彼女が自分以外の何かに気をかけているのなら、彼氏である彼自身がより魅力的に彼女の気を引かせれば良いだけではないのか。
でも、彼は暗にこう言っているのだ、「オレがチユリを振り向けさせられないのなら、チユリを振り向かせているオマエが消えろ」と。自分には出来ないから相手にいなくなってくれ、というのは現実世界で容姿も能力も性格すらも有利に立っている人間とは思えないセリフだ。
彼のデュエルアバターにはそんなコンプレックスが垣間見える。剣道をしている彼なら当然剣が武器である方が好ましいはず。でも、彼の武器は杭打ち機だった。その意味はまだ掴みかねるものの、あの巨大な体躯は彼の精一杯の虚勢心の表れにも見えるし、何よりまるでハルユキのようだ。
もちろん、現実世界のハルユキはあんな筋肉質みたいなガタイの良さではないものの、現実世界では線が細く、それこそシルバー・クロウのように研ぎ澄まされた肉体をしているタクムが、あんな太く武骨な姿のアバターとなったのは、その深層心理にハルユキへの憎悪とホンのわずかばかりの羨望の表れだと思える。
ゲームが得意なだけのオマエだけど、そのオマエはチユリの興味を引くことが出来て羨ましい、と。
◆さてはて結末としては?
どうだったんだろう、と思う。まさかの共闘宣言。倒されただけでポイント全損の危機とは、そりゃあタクムも必死なわけだわな、と思った。
ただまぁ、いきなりの共闘申し出を、しかもハルユキの方からするって言うのはなんか違和感。と言うか、ちょっと萎えた。
設定上の落とし所としては、あれしかなかった気もするけれどね。あそこでタクムが敗北してポイントを全損すれば《ブレインバースト》は強制アンインストールされるわけだし、あそこでの出来事を現実に活かそうとする発想は悪くなかったと思うし。
ただ、あの展開って結局、タクムは本当に悔い改めたのかなーっていうのが疑問。彼が言うように、そこまで信じていいものか。個人的には黒雪姫のアバターがエレベーターを上がって来たところで、シルバー・クロウが背中からパイルバンカーで打ち抜かれないかどうかだけが、冷や冷やだった(笑
なにせタクムの「落とさないでくれ」は命乞いだし、共闘だって彼からすればあそこで呑まなければポイント全損なわけだからそれで強制アンインストールを防げるなら安いものだろう、という損得勘定が見え隠れする。
っていうか、たぶん何が気に食わなかったかって、チユリに対する謝罪や想いが見えないからだろうな、と。もちろん彼は彼で、幼馴染として小さい頃から一緒でずっと淡い想いは抱いていたんだろうけど、結局あのやり取りだとハルユキへの優位性と社会的ステータスとしてしかチユリ(恋人)の存在を見ていなかったように見えるのが納得いかないのだろう。この辺り、王道的な展開を描いている割りに心理描写の展開は正直あまり巧くは無いかもな、って思ってしまう。
あの場でチユリに謝罪しても、そりゃあ意味は無いし、ハルユキの言葉通りならこの後に彼はハルユキと共にチユリに全てを明かして懺悔しないといけないわけだから、そう言うのは後でも良かったのかもしれないけれど、二人の男の想いってのがどこにあるか宙ぶらりんだった印象は否めないよね。ハルユキには先輩の事情と、幼馴染二人の事情がそれぞれあったから余計にその辺りの「戦う意味と目的」が薄れた形はある。うーん、やっぱり序盤向けのエピソードじゃあないかなー。エピソード自体は悪くないだろうけど、もっと中盤・終盤でこそ物語としてパワーとインパクトを発揮するエピソードだった気がする。
まぁ、次回予告とか聞く限り、その辺りは次回描かれるのかもしれないけれど、それを差し引いてもなー、と。お互い名前叫びながらぶつかり合うなんて、戦闘の王道である意味醍醐味なのに、その土台が緩すぎるw
次回『Restribution ; 応報』
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NoTitle
>っていうか、結局先輩の本名ってなにさ?(笑
原作でも(11巻現在)まだ出てきません。本当にどう言う名前なんでしょう?(苦笑)
>ただまぁ、最終話まで録った後にもう一度、観戦者たちに宣戦布告し名乗りを上げるシーンは録り直した方が(汗
確かに、今回はもう少しどすの利いた声色でやって欲しかった気はします。(こういう言い方で良いのだろうか?)
平常時の演技が適役と感じさせるだけに、少々勿体ない感じてすよね……
>パイル・バンカーを武器にシルバー・クロウを操るハルユキのボディを打撃で撃ち抜き破壊していく。
この表現に引っかかったので少し……
シアン・パイルの武器(強化外装)であるパイル・バイカーは基本的に“貫通属性”攻撃になります。
その為、本来“貫通属性”に耐性のあるシルバー・クロウはある程度なら耐えられる筈なのです。しかし、いかんせんLv.1とLv.4の戦いであるが故に、そんな耐性を打ち抜いて攻撃が通ってしまう。
それが序盤の劣勢の理由だった訳ですが……そこら辺の説明が一気に省略されていましたね。
>剣道をしている彼なら当然剣が武器である方が好ましいはず。
コンプレックスがアバターを形成する設定上、自分の特技とアバターの攻撃法が一致することはかなり稀な例みたいですよ。(原作を読む限り……“完全一致”と称されるそう言うアバターは何人か登場していますが……)
>いきなりの共闘申し出を、しかもハルユキの方からするって言うのはなんか違和感。
原作では、落下の恐怖で命乞いをするタクムに、半ば脅迫じみた調子で、「お前は俺に勝てないと認めろ」と迫り、“黒の王”の配下となれと言い放つ流れになります。(タクムが潔く墜死しようとするシーンはなかったんです。)
その後に、“黒の王”の配下に加わると言うことは“六王”全てを敵に回すことだと恐れるタクムに、ゲームっていうのはそれ位が面白いと言う様な内容を言い切ってしまうハルユキと言う下りがあったのですが……ここは省略されてしまっていますね。
そう言う訳で、なんか原作とは印象が変わったシーンになっている気がします。
シアン・パイルのことを若干疑いつつ、それでも信じ続けることが大事と内心に言い聞かせているハルユキの前に黒雪姫が表れると言うシーンの印象が、些かぼやけてしまった感じになっている気が……?
>ブラック・ロータスの両手足が剣(手はブレードだったけど、足も人型の足はない感じ)だった
こちらは若干ネタバレなことを言います。
彼女の両手両足及び、アーマースカート等の各パーツは全部剣や刃と表現できる代物となっています。しかも、この刃はただの“切断属性”ではなく、破壊不能と設定されているオブジェクトですら切断する“絶対切断属性”を持っているそうです。
故にこそ、彼女は「誰とも手を取り合えない自分」と言う姿をアバターに感じているようです。Lv.10に至る為なら、友である“赤の王”を騙し討ちで殺し、彼女の意見を支持し慕う仲間をレギオン壊滅の死地に送り出す……そんな過去を暗示させる姿と解釈している気がします。
(だからこそ、彼女は自身のアバターを「醜悪」と言い放ち、そんな内面を秘める自分を嫌っているのでしょう。)
さて、次回は予想通り、外伝第一話のエピソードの様です。
それ以前に“青の王”とその副将であるコバル・マーガ両女史が登場していることに驚きを隠せません。
(まぁ、シアン・パイルのレギオン脱退を申し出るシーンが入ると言うことなのか……?)
長々ととりとめのないものを書き散らしてすみません。これにて失礼させて頂きます。